MUDDY WALKERS 

An another tale of Z

 Zガンダム 比較レビュー →ZZレビュー →ガンダムAGEレビュー
 →ヤマト2199レビューGのレコンギスタレビューコスモウォリアー零レビュー

機動戦士Zガンダム第10話「再会」 脚本:大野木寛

あらすじ
 ジャブローへの出港準備が進む中、グラナダに入港したジャマイカンはすでに港がエウーゴに占拠されていることを知る。報復にジャマイカンはエウーゴの拠点アンマンを攻撃する。新鋭機マラサイに乗るカクリコンらを百式、マークII、そしてエウーゴの量産機ネモが迎え撃つ。ジェリドと組んだカクリコンらの目的はガンダム撃墜だった。二機一組の攻撃に苦戦するカミーユだがニュータイプ能力で危地を脱する。そしてエウーゴ艦隊はアンマンを出航する。

Aパート:カクリコンの襲撃
Bパート:アーガマ出港、メッサーラの攻撃

 前半は月面上での戦闘、後半は宇宙に出たアーガマとブライトのシャトルとの遭遇が描かれる。新兵器メガバズーカランチャーも登場するが、(シロッコのプレッシャーのため)メッサーラ相手にアッサリと外す。
 前話でティターンズに納入された新鋭機マラサイはリック・ディアスよりは強そうでガンダムを追い詰める。そういう機体なのだからこれは仕方がない。何台もある量産機のくせにムダに強敵である。しかしまたしても煮え切らないまま戦いは終わり(ウォンのロボットのせいである)、まるで殺陣の下手な時代劇を見せられている気分である。

カオルのひとこと:毎度おなじみになってきたジェリドとカクリコンのカミーユ襲撃です。量産機に乗っていることを利用して、2人で1機に見せかけようという作戦です。2機に交互に襲われたカミーユは苦戦していたようですが、映像を観てもそんなに「2人1機」には見えなかったのが残念です。

謎のモビルスーツの男の怪しい吐息
 そうこうしているうちに戦艦アーガマは宇宙に出る。が、そこで話は終わらない。宇宙では脱出したブライトのシャトルをいじめている謎のモビルアーマーがあり、駆けつけたカミーユたちにドスを効かせる。
 メッサーラに乗るシロッコは、目が光ったり、変なヘアバンドをしていたり、何かの健康法なのかやたらとスーハー息をしているキャラに強敵らしさを感じないこともない。クワトロも一緒にスーハーしていたが、新手の健康法でもエウーゴでは流行っているのだろうか(これがニュータイプのプレッシャーというものらしい)。

カオルのひとこと:いつものようにジェリドを退けたカミーユ、アーガマがグラナダを出港すると、今度はシャトル救援のために出撃します。シャトルを追ってきたのは謎の男の謎の機体。これを一目でモビルアーマーだと言い当てるカミーユはやはりただ者ではありません。

語られざる真の英雄ブライト・ノア
 大分昔にカミーユと別れたファ・ユイリィがカミーユと再会するが、カミーユにはすでにエマという別の女がおり、幼なじみはずいぶん邪魔そうである。彼女によると両親はティターンズに捕まり、ブライトに救出してもらったという話であるが、考えてみるとこれはものすごい話である。あの鉄壁のティターンズ要塞に潜入し、バスク大佐や並み居るモビルスーツを抑えてファたちを宇宙に逃れさせ、しかも貧弱なシャトルでありながら、敵の追っ手はメッサーラくらいしか追ってこれなかったというのだから、改めて元ホワイトベース・クルーの凄さに感じ入ってしまう。ガンダムもホワイトベースもなく、いったいどうやってファを救出したのか聞いてみたくなるが、この話はそんな話ではなかったのだった。

 すでに10話にもなるのに(ファーストではガルマが死んだのがこの話である)、ティターンズもエウーゴも全く正体が見えないというのはフラストレーションが溜まる。
(レビュー:小林昭人)

カオルのひとこと:そうかーブライトとシャアが再会したのか、と思いましたが、彼らは戦場で対峙はしても実際に会ったことはなかったですね。再会したのはカミーユとファ、でしたが明らかにカミーユはファのことを忘れていたでしょう。せっかくエマさんと良い雰囲気になりそうなのに、この同級生は「会いたかった」とカミーユの胸に顔を埋める。そういう関係だったのかー、知らなかったよ、カミーユ。ところでクワトロが持ち出したでっかいだけで当たらないあの武器は何だったのでしょう。

評点
★★ 何の高揚感もペーソスもない宇宙への旅立ちにガッカリ(小林)
★★ 暴力と哲学談義がないだけで、随分マシに思えてしまう(飛田)


関連レビュー「ZZ第10話 さよならファ」脚本:鈴木裕美子

あらすじ
 シャングリラを離れ、ようやくカミーユをシャングリラの病院に置き去りにしてきたことに気づいたファはルーやジュドーに辛く当たる。一方、巡洋艦エンドラではマシュマーがアクシズから来た年増女キャラ・スーンに迫られていた。アーガマではエルがビーチャらの裏切りに気づく。内通者と接触にゴットンがアーガマに潜入し、ジュドーはZガンダムで出撃する。しかし、ライフルのプラグが外れており、ビームが使えず苦戦するジュドーに、ファが傷ついたメタスで出撃し、ガンダムを修理する。戦いの中、ファのメタスは大破して戦線を離れ、ルーがコアファイターの新パーツを持って戦場に駆けつける。

Aパート:ファとルーの痴話ゲンカ、キャラ・スーン登場
Bパート:ゴットンのアーガマ潜入作戦、ゴットン捕まる

コメント
 前回と同じくスピーディーに話が進む、新幹部キャラ・スーンが登場し、最後のチャンスを与えられたマシュマーはゴットンをアーガマに潜入させる(すぐ捕まる)。おちゃらけた話の中にもバトルあり、潜入劇あり、裏切りあり、そして、ラストにちょっと泣かせる演出が心憎い回である。ある意味、ZZの女性陣はZよりも華麗なのではと思わせる回で、戦艦アーガマ側のファ、ルー、エルはどれも美形だし、敵側にもキャラやハマーンなど錚々たる悪女キャラがいる。特にルーとエルは前回とこの話でずいぶん株が上がっている。また、マシュマーが美形なのは言うまでもないが、面従腹背で地味に任務を遂行するゴットンも敵方にしては味のあるキャラである。そして、次回ではいよいよタイトルのZZガンダムが登場する。 (レビュー:小林昭人)

評点
★★★★ やや複雑な話だが手際よくまとまっている。


関連レビュー「ガンダムAGE第10話 激戦の日」脚本:木村暢

あらすじ
 マフィアと組んでやっとファーディーンを出港した戦艦ディーバ、しかし、UEの策略でザラムとエウバが仲間割れを始める。トリッキーなUEの動きにフリットはデジルの気配を感じる。どさくさ紛れに出演長かったマフィアのボスのボヤージがやられ、フリットは新ウェアのタイタスを受け取る。

Aパート:ディーバ出港、UEとドドンバチバチ
Bパート:ボヤージ特攻、スパロー登場

コメント
 やけに壮大な音楽と共にガンダムその他が出動していくが、そろそろフリット編も終わりだというので、一応最終決戦モードだったらしい。短すぎるのでオープニングにGエクゾス(激走戦隊カーレンジャーの悪役の名、良く文句言わないな東映)は映っていない。この辺の演出は散々やっているので手馴れたもの。と思ったらビーム拡散弾、宇宙戦艦ヤマトかよ、寛大な東映とスタジオヤマトの鷹揚さは横に置き、そんなに多くもないUE相手にそこそこドンパチする戦艦ディーバ。だいたい中盤は三話から頑張ってきたボヤージのおっさんの独白と語りとアップで画面を占め続け、最後はお約束の特攻とスパロー登場で幕を閉じる。しかし元が元のせいか「シグルブレード」を手にしてアイテムゲットとかこの期に及んでも強いRPG風味。一応フリットたちはUEに何となく勝つ。

 どうもデジルはUEのロボットを操るサイキッカーで、UEの背後にいるのは多分悪いおじさんの軍需産業というのがヲチっぽいが、次の話は割と普通の話らしく、フリット編というのは15話くらいだと思うが、やっぱこの作品、構成に難ある。
 こういう作品の場合、人が死ぬ話というのは話を盛り上げる常套手段で、実は筆者は作品を見る時にこれがあると「マイナスいくつ」と補正を掛けることにしている。ザラムのおっさん(ボヤージ)については3話から出ずっぱりだったので、彼については割と語られており、そういう点では演出もしやすかったといえる。普通に見る分には問題ないだろう。しかし、全体としてみるとチグハグな印象も拭えないのがこの作品なのである。一言で言えばボヤージはこんな話で殺すのは勿体ないキャラだった。
 別の場所でも書いたが、「人が死ぬ話」は誰でも手軽に演出できるマジックアイテムである。したがって、これをやる時には全体における立ち位置を必ず考慮し、細心の注意を払わなければならない。10話は早すぎる話と言え、次がどうも平板な話のようであるから、この作品には構成を考える人間がいないのかと曇った気分にさせられたことはある。
 人死に話は演出家にとって禁断の劇薬で、視聴者はお涙頂戴で良いと思うが(好例は大河ドラマ、「江」はいつも8時35分になると誰かが死んでいた)、これに頼るのは才能が枯れ、演出家として大胆なプロットを仕掛ける勇気も胆力もない、実力もプライドもない、終わった人間のやることである。
 何がまずいかといえば、これは後で話を並べてみれば良いのである。「江」も「Zガンダム」も全話並べてみると死ぬ話ばっかりで、これはヤク漬けで廃人になった麻薬患者同様、個々のエピソードはともかく、虚しさと抜け殻だけが残るものになってしまうのである。
 と、いうわけで、筆者はこれをやれば効果的なことは知っているけど、自分の作品では必要ない限り禁じ手としてなるべく使わないようにしている。パターン化した演出については次の話にしたい。(レビュー:小林昭人)

評点
★★★  既存ガンダムの演出集大成、しかし中身は、、


関連レビュー
「宇宙戦艦ヤマト2199第10話 大宇宙の墓場」
脚本:大野木寛

あらすじ(人類滅亡まで325日・異次元断層で4日)
 前回の作戦の失敗を問われ、更迭を伝えられたゲールは汚名挽回のためヤマト討伐を決意する。一方、ワープしたヤマトは異次元断層に嵌り込む。そこで遭遇したガミラス艦がヤマトにある提案をする。

Aパート:ヤマト異次元断層、メルダ登場
Bパート:ガミラスとの共同作戦、ゲール艦隊出現

コメント
 例によってやる気のない前作ダイジェストパート4、今度は13話と15話のダイジェストである。が、ヲタク受けしそうな要素として、名もない捕虜の代わりにガミラス高官ディッツの娘メルダがヤマトに乗り込む。ヤマト同様、彼女のガミラス艦も断層に捕まり、波動砲を持つヤマトとガミラス艦の共同作戦で危地を脱出しようという計画だ。「敵と味方の共闘」というのはこの種の話ではサプライズ話として面白い話のはずだが、どうにも唐突なのは、これまでの所2199ヤマトはあまり苦戦しておらず、「敵との共闘」といっても、これで感慨を感じるような戦いもエピソードもなかったためである。
 さらに唐突なのは、つい一つ前の前話でガミラス機械兵オルタの話が描かれており、この話ではヤマト乗員はガミラスのことは何も分かっておらず、オルタを通じてどうも同じ思考様式を持つらしいくらいしか分からなかったことがある。その次の話で「ガミラス人」がいきなり登場し、「共同作戦しよう」と言われても、前話までの話は何だったのとポカンと口を開けるしかない。ヤマト3では一応ラジェンドラ号はヤマトに身体的特徴や大気成分のデータを送り、互換性のある宇宙人であることを伝えていたが(それを受けてラム艦長のメニューを調製したのが2199でも登場している平田である)、もちろんそういう「説明的」描写はなく、メルダはいきなりヤマトに乗り込んでヘルメットを脱いでしまう。放射能はともかく、異種の「ヤマト菌※」にでも罹患したらどうするつもりか。
 メルダの協力でヤマトは異次元断層を脱出し、再び大宇宙への航海に出る。ゲールとの戦闘で彼女の母艦EX178は艦長もろとも宇宙の塵となり、彼女を監視する山本とのしこりを残しつつ、どうも次の話までヤマトに居座るようである。原作13話が主人公古代の性格を読み解く、いわばキーとなるエピソードであったことを考えると、こんな話で置き換えて良いはずはもちろんない。あと、メルダによる地球先制攻撃の主張があるが、次回もあるので割愛する。

※ このウィルスは実在するらしく、ヤマト後のメルダは古代たちの味方になり、その性格まで変わってしまう。ガミラス人なのにデスラーに反抗を企てるようになり、後にはガミラスファイターで同士撃ちまでする発狂ぶりである。やはり、異星人の戦艦で安易にヘルメットを脱いだ粗忽さが彼女に道を誤らせたようだ。 (レビュー:小林昭人)

カオルのひとこと: 山本に続いて、ガミラス捕虜まで美少女にされてしまいました。そういえば生身のがミラス人と初遭遇なのに大して驚きもしないし、いきなり共同作戦とか、フレンドリーすぎないか?

評点
★★ 全てにおいて尺足らず、説明不足、もっとまじめにやってくれ。(小林)
★★ 古代の影の薄さが際立つ…。なんで、こんなにいい子ちゃんになっているのか?(飛田)


関連レビュー
「Gのレコンギスタ第10話 テリトリィ脱出」

あらすじ
 法王庁からケルベスに連れ去られたベルリはケルベスからGセルフの製造元トワサンガについて聞かされる。アーミィーは軍拡を続け、新型モビルスーツや艦隊で出撃する。

Aパート:アーミィーの規模拡大、ガード海賊同盟
Bパート:メガファウナの戦い、ウーシァ対Gセルフ

コメント
 この物語の「ティターンズ」、キャピタル・アーミィーは二話で登場以来どんどん規模を拡大しているが、ベルリ救出がベルリが戻って陳腐なネタになったため、今度はアメリアの宇宙艦隊建造とトワサンガという月の軍事国家が拡大の名目になっている。で、アーミィーが開発してこの物語の「エウーゴ」、キャピタル・ガードが強奪したGセルフの新たなバックパック「高トルクパック」だが、これは誰かからクレームが付いたせいか、レイズナー式の背負い型(バック)ではなく、パーフェクトガンダム式の貼付け装甲(アーマー)になっている。そりゃそうだ、あれは少しひどすぎた。
 アーミィー(わるもの)はキャピタル議会を掌握したらしく、居場所の無くなったガード(いいもの)は海賊に合流する。とりあえず新型MSウーシァの部隊を率いてメガファウナに取り付いたアーミィーのシャダムはベルリ引き渡しを要求するが、例によって当人のベルリが高トルクパックを付けたGセルフでシャダムを撃退する。そして、メガファウナとマスク、大佐、そしてベルリの母ウィルミットと法王は各々宇宙に向かい、スルガンはアメリアに帰る。進行のわけわからなさは「ピタゴラガンダム」の面目躍如である。
 Zガンダムの作監北爪宏幸が宗教か何かの影響で絵柄が変わってしまい、あまり評判良くないことは聞いて知っているが、どうも富野も三谷幸喜か何かの影響を受けたらしく、密室劇以外に見るべきところがないのが困った所である。なお、高トルクパックの元ネタはデュエルガンダムのアサルトシュラウドで、次のアサルトパックはやはりSEEDのミーティアのようだ。この「隠し絵ガンダム」、最近はこういうのを探すしか見所がなくなっている。
(レビュー:小林昭人)

キャピタル・アーミィー:この時代のエネルギー分配機構及び宗教的聖地であるキャピタル・テリトリーの自衛組織キャピタル・ガードはスコード教の教義に従い進歩否定の思想(アグテックのタブー)を持ち、戦力も有事には戦力となる作業用MSしか有しないが、ヘルメスの薔薇の設計図を持ち込んだクンパ大佐(調査部の大佐)によって創設されたキャピタル・アーミィーは戦闘用MSカット・シー、より優れたMSウーシァを主力とするキャピタルの本格的軍隊である。が、創設したばかりで人材に乏しく、デレンセン、マスク(ルイン)などガード出身の人材も少なくない。クンパ大佐の協力により多数の新型MSを開発し、アメリア軍、トワサンガ軍と互角以上の戦いを繰り広げた。が、戦艦は事実上ゴンドワナから鹵獲したガランデン一隻しか持たず、艦隊を揃える時間もなかったため、作品後半ではほとんどガランデン指揮官のマスク独立部隊と化していた。編成及び装備は当座の脅威であったアメリア軍とほぼ同じだが、練度の低さを除けば装備の能力はより高い。

評点
 何か進んでいるようだが相変わらず分かりにくい。


関連レビュー
「コスモウォリアー零第2話 マリーナの波紋」

あらすじ
 戦艦火龍に新しく赴任した副長のマリーナ・沖、ゼロの亡妻に酷似した彼女にゼロは疑問を持つ。折しも艦内では火龍の旧乗員と新しく配属された機械化人のクルーの間に軋轢が生じていた。

Aパート:マリーナの巡検、機械化人との対立
Bパート:機械化人の反乱、マリーナの謎

コメント
  一応この世界の世界観を整理すると、ゼロも含む地球人は一度機械化人との戦いに敗れ、地球は機械化人と講和条約を結び、ゼロはその防衛隊の一員としてハーロック討伐の任に就いていることになっている。つまり、地球は講和はしたものの、事実上は機械化人(国名すら説明されない)の占領下にあり、そのため戦艦火龍にはかつてのクルーのほか、補充要員として機械化人が多数乗り込んでいる。
 しかし、1話で総督という名で現れた黒マントの男が何者なのかも説明されないし、機械人間のくせに結構人間的な戦艦火龍の機械化人もどういう経緯でそうなったのかまるで説明がないために、そもそもこいつらは同じ地球人なのか(機械化人の方は「元」)、機械化母星のエイリアンなのかも分からないので、彼らの間に軋轢があると言われても、視聴者の中には機械人間は一人もいないため、見ていても実感が沸かないのである。そういうわけで、人間クルーと機械化クルーを体を張って融和させようというゼロの努力も共感しようにも感情の遣り場に困るという感じになる。一言で言えば、作り手の思いが先走りすぎ、視聴者の感性とズレているのである。
 バリゲードを作って抵抗する機械化人クルーとの対立で副長マリーナが撃たれて負傷する。が、彼女の傷は治療もせずに恢復し、どうも人間でないらしいことは分かる。ここでゼロは彼女が人類か否か確かめるべきであったが、驚くべきことにあれほど機械人間への憎悪に凝り固まっているはずのクルーは誰も疑問を持たず、ゼロは機関長と飲み会に興じ、副長は次のカットで平然と職場復帰している。もうこの時点でおかしいだろう。
(レビュー:小林昭人)

作品キャラ・用語紹介

議長
 占領された地球で地球側の代表を務める高齢の女性、顔立ちは典型的な松本美女だが、加齢により皺が多すぎるため、美人と言ってよいのか醜女なのか不思議な容貌をしている。実は機械人間で、機械化勢力の首領である銀河総督の手先。作品後半で総督を裏切り、ゼロにテクノロジア星の所在を教えて射殺される。回想シーンでは彼女の目を通して機械化勢力が地球の占領以前からエリート層に浸透し、地球占領の計画を進めていた様子が描かれる。機械化人を襲うハーロックにゼロを差し向けて海賊行為をやりにくくするなど、見掛けによらず人を見る目のある人物。

デスシャドウ号
 この時代のハーロックの乗艦、元々デスシャドウ号は地球連合軍時代のハーロックの乗艦で正規軍の戦艦だったが、この作品ではアルカディア号以前の旧式戦艦となっている。その艦影はデスシャドウよりも70年代のTVアニメのアルカディア号に酷似しているが、艦色は当時の青ではなく999以降の緑色となっている。輸送船や地球連邦軍の駆逐艦相手にはめっぽう強いが、最終決戦ではその他大勢のモブ艦扱いで、戦いでもゼロの戦艦火龍に負けた、あまりパッとしない宇宙戦艦。

護衛艦カゲロウ
 大戦後に左遷されたゼロが乗っていた地球連邦軍の標準的な宇宙駆逐艦、角ばった艦型の前部に梯子段式の主砲、パスサーカノンを備える様式はアルカディア号にも踏襲されており、両艦が同じデザイン文法で作られたことを示唆している。ゼロ座乗時には推力が60%しか出ないなど整備も装備も悪い艦として登場し、ハーロックのデスシャドウ号に戦いを挑むも相手にならず一蹴された。

評点
 機械化人も悪い奴ばかりではないと言いたいのだろうが、突飛すぎてついていけない。


その他のZレビュー
「機動戦士Zガンダム回顧録」 Z第10話レビュー
「パラレルユニヴァース」 Z第10話レビュー


関連リンク
An another tale of Z 第10話紹介
An another tale of Z 第10話「同盟艦隊出撃」(本編)

<<BACK  NEXT>>

 MUDDY WALKERS◇