宇宙戦艦ヤマト2199(2013)各話レビュー →宇宙戦艦ヤマト2022レビュー
■第11話「いつか見た世界」 脚本:出渕裕
■あらすじ (人類滅亡まで323日・異次元断層脱出から2日)
メルダによる地球先制攻撃の主張は島に衝撃を与えた。ガミラスに恨みを持つ山本はメルダを誘い出し、一対一の決闘を挑む。
Aパート:ドメル登場、島の回想
Bパート:山崎の告白、山本の決闘
■コメント
ガミラスとの戦いが視聴者や作中で信じられているような侵略者ではなく、地球が先に戦端を開いたという話は制作者にとっては一晩知恵を絞って考えた補完話と考えられる。たぶん、辻褄合わせしたかったことは、作品のガミラスの攻撃が占領して占領地の資源を収奪するという侵略者のそれではなく、地球が干上がるような絶滅攻撃であること。ガミラスは多数の星系を擁する大帝国のはずで、他の星を選ばず、わざわざ17万光年離れた地球を放射能漬けにしてまで移住する必要はないはずだということだろう。
ガミラスの攻撃がメルダの言うように「帰順か滅亡か」であるならば、ガミラスの攻撃は破滅的であることの説明が付くし、ガミラス人が放射能なしでは生きられない設定とか、地球の環境改造後の移住といった旧作の設定は無かったものとすることができる。攻撃は先制攻撃されたことによる報復で、手段は過剰だが、それ以上でも以下でもないという説明だが、困ったことは2199は前の話がガミラス植物とか浮遊大陸というガミラス人移住説であり、それらの話と整合性が取れないことである。
他星と対等な関係を築けず、相手を滅ぼすことでしか自己を正当化できないメルダの論理はもとより脆弱さを孕んでいる。が、尋問した古代は彼女のその弱点に触れることはなく、もっぱら武門の娘である彼女の毅然さに感銘さえしていたのだから、筆者が見るに、2199ヤマトの乗員も彼女と同じ価値観、テクノロジーや武力の優越性と、自己優位の状況でしか他者を受け容れることができない欠陥人間の集まりである。古代が偏った思潮を持つ彼女を異なる論理や価値観で説得できなかったこと、それを描かなかったことには、この作品を作っているヲタク人間のバックボーンの貧弱さがモロに出ている。 (レビュー:小林昭人)
カオルのひとこと
メルダに殴り掛かる山本、メルダを追いかけ回して空中戦を繰り広げる山本、と山本祭りは続く…。で、島はお父さんが先制攻撃したと言われて猛反発。どうしてこうなった?!
★ 人を外見でしか見れないスタッフの浅薄さ、倨傲が現れている話。(小林)
★ メルダと一緒に、山本も追い出してくれたらよかったのに。古代の役柄を盗るな〜!(飛田)
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