MUDDY WALKERS 

ワーキング・ガール Working Girl

ワーキング・ガール 1988年 アメリカ 114分

監督マイク・ニコルズ
脚本ケビン・ウェイド

出演
ハリソン・フォード
シガニー・ウィーバー
メラニー・グリフィス
アレック・ボールドウィン
ジョーン・キューザック

スト−リ−

 ニューヨークの証券会社に勤める30歳のテス(メラニー・グリフィス)。株式売買やM&Aの分野で実力を発揮したいと野心を燃やすが、学歴が災いして秘書どまり。上司から受けたセクハラの腹いせをしたせいで、別の部署に転属となる。新しい上司はボストンから転勤してきた部長だが、なんと同い年の女性だった。名前はキャサリン・パーカー(シガニー・ウィーバー)。積極的にアイデアを出して、と言う彼女をテスはすっかり信用し、尊敬するようになる。ところが休暇中にキャサリンは骨折。入院してしまい留守中の公私の雑用を任されたテスは、自分が出したある企業買収のアイデアをキャサリンが盗んでいることに気付き…。

レビュー

   「スター・ウォーズ」のハリソン・フォード、「エイリアン」のシガニー・ウィーバーとSFアクションの大スターが主演に名前を連ねているが、実は主人公はメラニー・グリフィス演じるテス。80年代のニューヨークを舞台に、秘書からキャリア・ウーマンにのし上がろうとする女性の姿をコミカルに描いた秀作だ。

 ニュージャージーから船で通勤するテスはやたらと強気だが、いざとなったらトイレに駆け込む弱さをあわせ持つ。上司のいない間に抜け駆けで自分のアイデアを売り込むが、家の雑用を任されたことをいいことに服も借り物、話し方も上司をまねる。思いっきり背伸びしてキャリア・ウーマンを演じるメラニー・グリフィスが、かわいいのだ。
 一方のシガニー・ウィーバーは「エイリアン」からは想像もつかないようなエレガントな女性部長。テスに親しげにアドバイスしたりしていい人に見えるが、羊の皮をかぶったオオカミといったところか。松葉杖をついて怒鳴り込んでくるシーンはド迫力。個人的には、下着姿で彼氏を誘うシーンがこわかった。
 二人の間で板挟みになるビジネス・パートナー役がハリソン・フォード。主演なのになかなか登場しなくてやきもきするが、気障なプレイボーイと思ったら意外にいい人、でも何だか頼りなかったりして、その中途半端ぶりがなかなかいい。なんせメインは女と女の戦いだからね。

 典型的なサクセス・ストーリーで頭が爆発したような80年代ファッションは今観るとちょっと恥ずかしかったりするが、当時の空気を知る意味ではいいかも。ラストの見せ方も意外にしみじみ感があって、見終わったあと「私もがんばろう!」と元気づけられる一本。

評点 ★★★★

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