◇MUDDY WALKERS
■テルマ&ルイーズ THELMA & LOUISE
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スト−リ−平凡な主婦テルマ(ジーナ・デイビス)は友だちのルイーズ(スーザン・サランドン)に誘われて、別荘地で過ごす一泊二日のドライブに出かける。テルマの夫ダリル(クリストファー・マクドナルド)は妻に対してまるで父親のように接する、自分勝手で愛情のない男。たった一泊二日の旅行のことも恐くて言い出せず、テルマは置き手紙をして家を出てくる。思いっきり羽目を外そうと盛り上がる2人。途中立ち寄った酒場でテルマはハーランという男に目をつけられ、2人で踊って楽しむが、酒に酔ったテルマを外に連れ出すと、態度が一変し、彼女をレイプしようとした。そこへルイーズがかけつけて難を逃れるが、ハーランの捨てぜりふに腹を立てたルイーズは彼を撃ってしまう。女2人の楽しいバカンスは、思わぬ方向へ走り出し…。 | ||
レビュー 「明日に向かって撃て」という70年代のアメリカン・ニュー・シネマのパロティのような映画。女どうしの友情を描いた女のロードムービーなどと言われるが、さすが巨匠リドリー・スコット。典型的なアメリカ映画の流れの中で、フェミニズムへの強烈な皮肉を語っていく。一見、これは男から女が解放され自由になっていくフェミニズム映画のように見えるが、実はそうではなくて、リドリー・スコットのいいたいことは「反フェミニズム」じゃないか。そんなふうに私は思った。そう思わせたのは、ハーベイ・カイテル演じる善良な刑事ハルの存在である。 | ||
MUDDY WALKERS◇