◇MUDDY WALKERS
■SPACE BATTLESHIP ヤマト
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スト−リ−西暦2194年、地球は突如謎の敵・ガミラスからの攻撃を受け、地球は放射能に汚染された人類の大半が死滅してしまう。滅亡の危機に瀕した地球に、イスカンダルから放射能を除去する装置があるという希望のメッセージが届く。このメッセージに人類の存亡を託し、地球防衛軍の司令長官、藤堂平九郎は残された地球市民に、蘇らせた宇宙戦艦ヤマトの乗組員となって、地球を救うための旅に志願するよう呼びかける。かつてエースパイロットとして活躍していた古代進は軍を離れ、今は放射能に汚染されて危険な地表でレアメタルを回収する仕事をしていたが、この呼びかけを聞いて、志願の人々の列に加わるのだった。 | ||
レビュー
アニメのデザインをヘンに踏襲しようとするとこうなってしまうのか…という典型で、映画そのものが役者のみなさんによるコスプレ大会になっているのはいたしかたあるまい。地割れとともに飛び立つヤマトなど、CGの出来は感涙ものだが、第一艦橋をはじめとするヤマト艦内は戦隊モノの特撮のようなチープな出来で、こうした衣装や美術の完成度が、たとえば時代劇などに比べてまだまだ圧倒的に未熟な点、経験不足は否めないであろう。それでも脚本は、ヤマトの骨子の一つとなる艦長沖田を乗り越える古代の葛藤と成長のストーリーを軸に、映画ならではのオリジナル設定を加味して、娯楽映画ならではの出来に仕上がっており、意外にストーリーに引き込まれるところもあった。キムタク主演というある種のハンディをプラスに変えたことは、評価に値すると思うし、その2年後にスタートしたアニメリニューアル版「宇宙戦艦ヤマト2199」のあまりにオタク的な(オタクにしかウケないような重箱のスミをつつく設定など)脚本演出に比べれば、さすがに万人向けのエンターテイメントとして、それなりにツボをおさえた出来と言っていいだろう。 | ||
MUDDY WALKERS◇