◇MUDDY WALKERS
■プリンス・オブ・エジプト THE PRINCE OF EGYPT
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スト−リ−紀元前1500年ごろのエジプト。この頃エジプトには多くのヘブライ人(イスラエル民族=ユダヤ人のこと)が奴隷として生活していた。ときのファラオは増え続けるヘブライ人を脅威に感じ、生まれたヘブライ人の赤ん坊のうち男の子はすべて殺すよう命じる。そんな中、ある母親が男の赤ん坊を隠し育てていたが、3か月になって隠しきれず、籠に入れてナイル川に流した。籠はやがてファラオの王宮に流れ着き、王妃に拾われる。そしてその赤ん坊はモーセと名付けられ、王宮で王子の一人として育てられた。何不自由なく成長したモーセは兄ラメセスを補佐する立場として期待されていたが、ある日、自分が奴隷であるヘブライ人の子であることを知ってしまう。神殿の建設現場で奴隷につらくあたる現場監督に腹を立て、誤って死なせてしまったモーセは王宮を飛び出し、一人荒野をさまよう…。やがて羊飼いの娘ツィッポラと出会ったモーセは結婚し、自分も羊飼いとして平和な日々を送っていたが、ある日、燃える柴を通して神の声を聞く。神はモーセに、ヘブライ人たちのリーダーとなってエジプトを去り、カナンの地(現在のイスラエル)を目指せと言うのだが…。 | ||
レビュー 世界的に有名な旧約聖書の「出エジプト記」。その中でも特に物語として知られるモーセの出生から出エジプトまでの出来事を、聖書に忠実に、そして詳しく書かれていない部分は大胆に脚色してアニメ化したのが、この作品である。日本でいえば大河ドラマ的な定番の歴史もの。話がどうなるかは観る前からわかっているのだ。よって見どころはストーリー展開よりも、有名な物語のシーンをどのように演出し、見せるかというところにある。壮大な物語を、モーセの葛藤という視点をメインに再構築した。それを具体化するキャラクターとして、ラメセスを兄に据えたのは実にうまいと思う(聖書ではモーセはエジプト王宮で育てられたが、王子の兄弟として育てられたという記述はない)。 | ||
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