MUDDY WALKERS 

パトリオット・ゲーム Patriot Games

パトリオット・ゲーム 1992年 アメリカ 117分

監督フィリップ・ノイス
脚本
ドナルド・スチュワート
W・ピーター・イノフ
原作トム・クランシー
「愛国者のゲーム」

出演
ハリソン・フォード
アン・アーチャー
ジェームズ・アール・ジョーンズ
ショーン・ビーン
パトリック・バーキン ほか

スト−リ−

 英国を訪れていたジャック・ライアンが偶然、IRAのテロリストが英国王室の要人を襲撃するところに居合わせ、テログループの一人を殺害して未然に被害 を食い止めたことが、物語の発端となる。このことでテロリストの恨みをかったジャック・ライアン。妻と一人娘が標的となり、執拗な復讐にCIAの組織力、 このテロとの戦いに立ち向かっていく。

レビュー

 トム・クランシーの小説「ジャック・ライアン」シリーズの第二弾。本作から、ジャック・ライアンが地味めのアレック・ボールドウィンからアクションスター として確固たる地位を築いているハリソン・フォードに変更された。ある意味で、ハリソン・フォードらしい映画に仕上がっていると言えるが、逆にいえば、ハリソンらしさを出すためにバランスが崩れてしまった感もあり、面白いもののあとに残らない作品となった。  

 冷戦時代が幕を閉じ、時代はテロの時代へと移っていく。そうした時代の趨勢をとらえて、いち早くスクリーンに反映させていく企画力は素晴らしいと思う。 残念なのは、そうでありながら、テロリストとジャック・ライアンの対決が、テロ組織対CIAというよりも、肉親を殺された恨みを晴らそうとする個人の復讐 にフォーカスされてしまったことだ。結果として、テロリスト対ジャックのガチ対決は盛り上がったが、タイトルになっている「パトリオット(愛国者)」、つまりそれぞれの背後にあるものが、二人のガチ対決とうまく結びつかなくなってしまった。クライマックスのライアン邸襲撃も今一つ。停電させて真っ暗になっ てしまったので、せっかくのアクションなのに場面が暗くて何が起こっているのかよく分からなかった。というわけで、全体的にやや物足りなさが残る出来ではないだろうか。

評点 ★★★  

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