◇MUDDY WALKERS
■クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲
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スト−リ−野原一家の暮らす春日部に「20世紀博覧会」なるテーマパークがオープン。1970年代に少年時代を過ごしたしんのすけの父ひろしと母みさえは、このテーマパークに夢中になる。このテーマパークを運営している秘密組織イエスタデイワンスモアのケンとチャコは、ノスタルジックな町並みや遊びに夢中になる大人たちに目を細めていた。ある日、彼らは作戦を開始する。春日部の大人たちを全員拉致して、20世紀博の中に封じこめてしまうのだ。大人たちはすっかり童心に帰って、子供たちのことを忘れ、邪魔者扱いに。ケンとチャコは、日本全体から21世紀の未来を奪い、20世紀に戻すことを企んでいたのだ。しんのすけと仲間たちは、大人たちを取り戻すため、そして21世紀の未来を取り戻すために戦い始める…。 | ||
レビュー 映画は万博の会場を周遊するみさえ、しんのすけとひまわりの3人の前に、怪獣が。ひろしがウルトラマン風に現れて怪獣退治、という奇妙なシチュエーションから始まる。そこから家族の会話だけで「20世紀博」を観客に分からせる脚本が実にうまい。高度成長期の昭和のノスタルジーを描いた、と評価されているけれど、この作品がユニークなのは、単にノスタルジックな世界を描写したからではなく、昔を懐かしむ心情のウラに潜む、現在に対する失望をも余さず描ききっていることだ。TVでクレヨンしんちゃんを見ている年齢層でなく、むしろその親の世代にフォーカスを当てた脚本で、日本の映画史に残る名作となった。 | ||
MUDDY WALKERS◇