◇MUDDY WALKERS
■ナチュラル THE NATURAL
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スト−リ−父親に野球の才能を見出された少年ロイ・ハブス。父親とのキャッチボールが日課だったがある日、父は急逝してしまう。父が倒れた場所にあった木に雷が落ち、真っ二つに裂けてしまう。少年はその木を削って1本のバットを作る。20歳になった彼はメジャー・リーグのスカウトの目に留まり、幼なじみの恋人アイリスと結婚の約束をして、シカゴへと旅立つ。長距離列車に同乗していたメジャーリーガーとの対決で早くも才能の片鱗を魅せるロイ。しかしその列車に乗り合わせた謎の女に誘惑された彼は、誘い出されたホテルの一室で撃たれ、瀕死の重傷を負ってしまう。それから16年の月日が流れた。35歳になったロイ・ハブスはルーキーとして弱小チーム、ニューヨーク・ナイツに迎え入れられる。何の実績もなく、あまりに年を食った新人を、監督はなかなかゲームで使おうとしない。しかしある日、チャンスが巡ってくる。打撃練習を命じられたロイ・ハブスは、大切に持ってきたバットを手に、バッターボックスに立った。雷の落ちた木を削って作った、あのバットだ。その一振りから、奇跡の快進撃が始まる。と同時に裏の世界からどす黒い手が、彼に伸びてきた・・・。 | ||
レビュー「まだどこかに、すごい才能を持ったまま埋もれている選手がいるかもしれない」・・・スポーツの世界に隠れた、ある種のファンタジーがある。今は高校野球や高校サッカーにまで国内のみならず海外からもスカウトが目を光らせる時代。そして世に出た若い才能が、お金やマスコミ、様々な誘惑や野望、欲望によって潰されていく時代だ。夢が現実に押しつぶされていく今だから、こんな寓話が成り立つのかもしれない・・・「ナチュラル」はそんな、現代のおとぎ話である。 | ||
MUDDY WALKERS◇