レビュー
警察庁の室井管理官が、ある事件の捜査上のミスで被疑者を死なせてしまったことから逮捕されるというお話。容疑者となって自身の弁明をしなければならなく なる。そこには、これ以上事件を捜査させたくない何者かのワナがあり、何とか真実を明らかにしようとする室井はどんどん追いつめられてゆくわけだ。
これまでの「踊る大捜査線」とはうってかわって舞台は新宿。そしてメインは法廷劇ということになるのだろうが、残念ながら、どちらも中途半端という印象におわってしまった。新宿といいながら、ロケ地はクレジットを見るとおそらくいわき市なのだろう。東京に2回ぐらいしか行ったことがない私の印象でしかないのだが、その風景は新宿という感じがしなかった。そこで起こる事件も拍子抜けするほどくだらない事件だ。法廷劇の方も、対決する弁護士が新米の女の子とゲーム機を片時も話さない法律オタクで、まるで真実味がないうえ、法廷劇といえるほどきちんと対決していない。で、結局いろいろあったけど、落ち着くとこ ろに落ち着いたねえ、で終わってしまった感がある。今回は室井が主人公ということで、心理劇ふうに創り上げたかったのかもしれないが、室井はやはり、現場 を走り回る青島刑事がいるからこそ引き立つキャラだとわかった。青島なしで成り立たせるには、警察手帳を取り上げられた室井をもっと自由に動き回らせた方 が良かったのではないか。「事件は現場で起こっているんだ!」の名台詞を生んだこのシリーズだが、今回は肝心の現場がどこかへすっ飛んでしまったように思う。
評点 ★★ |