◇MUDDY WALKERS
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スト−リ−江戸・元禄時代。赤穂藩は藩主、浅野内匠頭が殿中で吉良上野介に斬りつけるという刃傷事件を起こし、取り潰しとなる。浪人となった300人の藩士の生活を支えるため、家老の大石内蔵助(高倉健)は備蓄していた塩を換金し、城中の金銀とともに藩士に配るなどし、失業対策に奔走する。しかし、その真の目的は、浅野内匠頭が討ち損じた吉良上野介を殺害することにあった。吉良邸への討ち入りを計画する彼らは、それを正当化するため、吉良上野介が賄賂を受け取っており、賄賂を渡さなかった浅野内匠頭を嘲笑したなどのウワサを江戸城下に流す。対する吉良家では、家老の色部又四郎(中井貴一)が赤穂浪士の動きを察知し、討ち入り対策に奔走するが…。 | ||||
レビュー 「忠臣蔵」といえば、“松の廊下”と“義理人情”があってこそ、の物語であるが、そうした要素を廃してリアル視点で描かれる「忠臣蔵」である。吉良上野介は悪人ではなかったし、なぜ浅野が刃傷沙汰を起こしたのかは分からないし、大石内蔵助と赤穂浪士は復讐に燃える暗殺者である。こういう、ハードボイルドな解釈は、個人的には好きである。大石内蔵助が赤穂浪士たちに向かって「お主たちの命、使い捨てる」と言い捨て非情な感じも、悪くない。だけど、出来上がった映画はそんな「志」を貫き通せず、ブレブレになってしまった感があった。
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MUDDY WALKERS◇