キャプテンハーロック

第42話「さらば宇宙の無法者」

あらすじ
 マゾーンを撃退して地球に凱旋したアルカディア号だが、彼らを待っていたのは地球からの追放命令だった。地球に潜伏していたマゾーンが決起し、地球の諸都市は廃墟になる。マゾーンの残党を打ち破ったハーロックは地球再建に乗組員たちを残し、ミーメ、トリと共に宇宙の深淵に去る。

Aパート:地球追放命令、Zナンバーの烙印
Bパート:マゾーン残党決起、さらばハーロック

コメント

 ラフレシアを退けて意気上がるアルカディア号だったが、ハーロックは乗員たちに海賊の解散を申し出る。が、地球再建を期して意気揚々と地球に降り立った彼らに対する政府の対応は地球からの追放命令という冷淡なものだった。せめて若い乗員だけでもと懇願するハーロックに首相はアルカディア号の乗員は全員Zナンバー(死刑囚相当)として市民権を剥奪されていると告げる。
 手詰まりとなったその時、ペナントが作動を始め、全世界のマゾーンが決起して破壊活動を始める。地球のみのマゾーン残党でも連邦軍を圧倒するには十分で、各地の遺跡から出現したマゾーン兵器の攻撃で地球の諸都市は廃墟となる。被災者の中にまゆの姿を見つけたトチローは主砲を撃ち、先の戦いで大破していたアルカディア号は残った砲門で敢然と戦闘を開始する。次から次へと出現する敵に、戦いは無限に続くかと思われたが、台場が首都に鎮座したペナントの異変に気づき、全砲門で攻撃したアルカディア号はペナントを破壊してマゾーン残党を滅ぼす。
 前話ではラフレシアを殺さなかったハーロックだが、マゾーンとの戦いはほとんど彼とアルカディア号のみで行われ、連邦軍が正面切って戦ったことは一度もなかった。マゾーン残党の決起を止めなかったラフレシアは約束を違えたように見えるが、彼女が試したのは一般の地球人類であってハーロックではなかったように見える。
 マゾーン残党にエネルギーを供給していたペナントは降着した時にはアルカディア号のパルサーカノンも受け付けないほど強固だったものが、本話では砲撃で破壊されるほど防御力のレベルが落とされていた。ハーロックが地球から追放されていれば、脆化したペナントとマゾーン残党でも連邦軍が対抗できたかどうかは疑わしい。ペナントの防御を外したことで、彼女はハーロックとの約束との釣り合いを取ったのである。
 宇宙に去ったラフレシアがまず取り組んだのはテシウス処刑で離反していた市民との和解だったように思われる。強敵相手に正々堂々と戦ったことは彼女の誇りだが、約束した地球は手に入らず、軍団も壊滅して女王の権威も地に堕ちた。全てを失った女王がその後どうなったかは作品は語る所がない。

評点
★★★★★ 大団円として順当なラストだが、作者コメントと実朝のせいで追記しなければいけなくなった。



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