■第24話「純愛流れ星」
あらすじ
航行するアルカディア号はマゾーンから脱走したゾルバとルシアの二人を保護する。ゾルバはゾルの息子、ルシアはマゾーンの看護兵だった。これまでの経緯から二人を疑う台場。現れた女王ラフラシアはハーロックに二人の引き渡しを命ずる。
Aパート:マゾーンの大艦隊、ゾルバとルシア
Bパート:ルマーニの死、消えた流れ星
コメント
先の魔地の話で人間とマゾーンの間には子供は生まれないことが明らかになっているので、人類に似た種族であるトカーガ人のゾルバがマゾーンと駆け落ちという話には違和感があるが、それを書いた脚本家と今回は違うので、何かの手違いがあったのかもしれない。かなり浪花節色の強い話である。
監督に指導力がなく、脚本が現場レベルでバラバラで、放映される度に競作みたいになっていたのはあの機動戦士ガンダムで、ククルス・ドアンみたいに、今だにあれは認める、いや認めないとやっていたのはモビルアーマーのザグレロもそうだが、バラけようと思えばかなりのレベルまで分解できるのが当時のアニメーションのようである。
出会えばハーロックらに撃ち殺され、紙のように燃えていたマゾーンに葛藤のようなものが描かれ始めるのもこのあたりで、彼らなりに人類を理解し、一部では同化したような場面が描かれていく。考えてみればペットの犬猫にも愛情はある。忠犬ハチ公も上野教授と「できることなら合体したい」わけではなかっただろう。ましてや高等生命体のマゾーンである、ゾルバとルシアのような関係はプラトニック・ラブの究極としてあって良いかもしれない。
ルマーニは息子ゾルバのために、ゾルバとルシアはハーロックのためにそれぞれ命を落とす。別に彼らの間に大した関係があったわけではなかった。彼らは自己犠牲で相手を救うが、こういった人間性の琴線に触れる描写もまた、我が国では古い芸能の伝統を受け継いだ作話の一つであり、日本アニメが他国の同様の作品にない重厚な背景を持つ由縁である。
評点
★★ マゾーンの嫁に草葉の陰のゾルが涙。
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