キャプテンハーロック

第22話「宇宙の墓場・デスシャドウ」

あらすじ
 デスシャドウ島に寄港したハーロックらはゾルの遺したコスモグラフ記憶器から無限に近いマゾーンの戦力を知り驚愕する。アンドロメダ星雲に出撃したアルカディア号は宇宙の墓場、反物質重力星デスシャドウに捕らえられる。

Aパート:デスシャドウ島、マゾーンの大艦隊
Bパート:アンドロメダに出撃、宇宙の墓場

コメント

 ゾルの遺した記憶装置でマゾーン艦隊の規模を知ったハーロックは再び出撃を決意する。とはいっても目的地はM31、地球から250万光年離れたあのアンドロメダ大星雲で、やれ馬頭星雲だのプロキオンだのという、今までのチマチマした航海とは次元が違う。どうやって行くのだろうと思ったが、本気モードのハーロックが多段点火などと言っているので、これはニューホライズン方式、急加速で艦の速度を秒速630キロの銀河間移動速度に一気に加速するものだろう。最初の5分でも220Gの加速度で中の人間は潰れるが、この時代は重力制御が可能なのでハーロックらは超々光速でもせんべいにならずに銀河の涯に到達する。ずいぶん遠くまで飛んだので銀河もアンドロメダも全体が見える距離である。
 スピードの出しすぎで反物質重力星、つまり全ての運動エネルギーがマイナスに作用する星に捕まったアルカディア号を見た女王ラフレシアはほくそ笑み、撃破に反動高速艦隊を派遣する。これも一回限りのすごメカなのでどんな動力か分からないが、反物質星でも自在に動ける艦のようである。が、艦隊の破壊ビームが到達する直前、デスシャドウ星が作用を停止してハーロックらは危地を脱出する。
 距離もすごいが出てくる武器もすごい。女王が消した反物質星は今までのマゾーンの武器とは違う天体レベルの兵器であり、これまでも天体を攻撃に用いた例はあったが、1億年も前に金星に到達していたマゾーンの科学力は想像を絶する構築物を宇宙に遺していたようだ。これに比べると現マゾーンは少し劣るようであり、ラフレシアも全能と言いつつ思い通りにならないのはハーロックだけではないようである。
 ここでは絶対危機の状況にあって、状況の変化を辛抱強く伺うハーロックが印象的である。あれがマゾーンの兵器ではなく、本当に天体だったら彼は山中艦長と同じ運命を辿ったはずだが、そういうことはあまりないことを不死身人間のこの男は知っていたのである。

評点
★★★★ 「どんなものを見ても、驚かない自信はあるか」、ハーロックの渋さが光る。



>>第23話へ


since 2000