■第20話「死滅のジュラ星」
あらすじ
地球への帰路、アルカディア号はミーメの故郷ジュラ星に立ち寄る。再生していた星にミーメは親友フーレの姿を見つけるが、彼女こそはジュラ星人を滅ぼしたマゾーン戦士ジョジベルだった。
Aパート:ジュラ星の滅亡、巨大植物の襲撃
Bパート:ジョジベル対ミーメ、孤独のミーメ
コメント
恒星アンタレスの近くを通過中のアルカディア号は途中ミーメの星ジュラに立ち寄る。これも困った話なのだが、先に訪れた馬頭星雲は地球から5時の方向で1,300光年、通りかかっているアンタレスは16時の方向で550光年の距離にあるので、実はアンタレスは馬頭星雲からだと地球よりもずっと遠く、アルカディア号は地球を通り抜け、実に1,800光年をひた走ってきたことになる。
往路でもプレアデス星団(4時の方向・440光年)を経由したことで20光年ほど寄り道しており、復路ではなんと千光年以上も遠回りして地球に帰ったことになるのだが、そういったことを気にしてはこの番組は見ていられない。それにアンドロメダ星雲の彼方から迫ってくるラフレシアに取っては千光年、百光年などという距離は路傍の小石を蹴飛ばすようなものである。思うに高度にテクノロジーの発達した未来では、時間と空間についてはある程度自由になるのではなかろうか。なお、ジュラ星の滅亡については前述した。
ジュラ星人が全員ミーメのような超能力者だったらマゾーンの侵略など意に介さなかっただろうが、松本作品に良くある滅びた星の生き残りという女性が滅びていない時代にどういう生活をしていたかは描かれたことがなく、ミーメはその特殊能力から神官など何か特別な職に就いていたように思われる。また、地球ではその美貌でモデルや女優で引っ張りだこのマゾーンがジュラ星では平凡な花屋の娘というのも、滅びる前のこの星の価値観を知る上で興味深い。
評点
★★ 話は良いが天文学的矛盾がいかんともしがたく。
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