キャプテンハーロック

第17話「白骨の勇者」

あらすじ
 宇宙空間で連邦軍の戦艦ブレーブス号の遭難の知らせを拾ったハーロックは山中艦長救出に馬の首星雲に向かう。山中は魔地機関長のかつての上官だった。

Aパート:子供好きの魔地、魔地の連邦軍時代
Bパート:マゾーンの妻、白骨の勇者

コメント

 ある意味ハーロックらしいエピソード、冒頭で夏休みにまゆを乗艦させるというイベントには、このところの怪エピソードもあり目的を見失っている感満々だが、妙に子供好きの機関長に何か曰くありげなものを感じる。そんな折、連邦軍の戦艦ブレーブス号からの通信筒が見つかり、艦と艦長の山中の名に魔地は動揺する。
 この時代の人類の行動圏がどのくらいかは定かではないが、台場がアンドロメダ星雲に言及したこともあるように探査艦や軍艦レベルでは太陽系外にも足を伸ばしているようである。第1話で資源が枯渇した地球が外惑星からの資源で繁栄している描写があるが、太陽系内の惑星だけでは農業生産は難しいと思われ、地球近郊の恒星系にはそういう惑星もあるのかもしれない。が、当時の天文学の知識も相まって、そのあたりの描写は実にあいまいである。
 魔地とその妻亜希(マゾーン)、山中との人間模様は心揺さぶる話だが、「なぜ宇宙人じゃいけないんだ!」という魔地の問いに作品は十分に答えてきたとはいえない。7話でハーロックたちが大量殺害したマゾーンの中にも魔地と同じような関係があったはずだからだ。話が進むに連れ、人類とマゾーンの間には互いに矛盾した感情が渦巻くが、マゾーンの暗殺者として魔地との間に娘まで儲けた亜希の本当の心情はどうだったのか、敵の正体も分からぬまま無念の死を遂げた山中艦長共々、17話は感情を整理できない人々の悔恨のドラマである。

評点
★★★★★ これこそキャプテン・ハーロックという好エピソード。



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