キャプテンハーロック

第14話「スフィンクスの墓標」

あらすじ
 まゆが切田にさらわれ、ハーロックはアフリカに切田を追う。エジプトで切田の養父ハッシ老人と面会したハーロックは切田の指示で砂漠に誘い出される。

Aパート:さらわれたまゆ、ハッシ老人の村
Bパート:切田の過去、隠された超兵器

コメント

 中盤の怪エピソードの一つ。幼児を連れ出して砂漠を彷徨する切田も切田なら、呼出状に応じて単身砂漠に迷い込むハーロックもハーロックである。
 ハーロックは砂漠の熱波で熱中症に、切田はサソリにやられて倒れ、揃ってまゆに介抱される中年二人が情けない。あのハーロックがマント姿で砂漠に井戸を探したり、薬草を石で擂り潰す珍しい場面も見られる。そして防衛隊全軍の指揮権を持つはずの切田が砂漠を横断してまで持ち出した古代マゾーンの超兵器はパルサーカノンにあっけなく撃破される。
 この話だと切田は少年時代からマゾーンの存在を知っていたことになり、今までの行いやその後の描写と齟齬が生じる。切田ビームで谷底に埋められたアルカディア号は前話に引き続き謎の自動操縦で脱出し、五千年前の武器ではアルカディア号に勝てないことを証明した。技術進歩の止まったマゾーンには五千年も一万年も大した違いはないが、アルカディア号に簡単にやられる現行マゾーンの母艦や戦艦を見ると昔の方が進んでいたような気がしないでもない。
 それにしても、最近はルパンを追う銭形警部のような役回りだった切田長官が結構スパルタンな生い立ちであったこと。一家がファラオの呪いで殺されたことなどは日中国交正常化でブームになったシルクロードや古代エジプト展の影響だと思うが、こういう生い立ちの人物がなぜ地球政府の高官になりおおせたのかは、後に彼自身の口から語られることになる。

評点
★★★ 世界遺産(スフィンクス)をパルサーカノンで撃つな。切田の生い立ちで一つ。



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