キャプテンハーロック

第10話「謎の惑星に迫れ」

あらすじ
 南米でマゾーンが植物生命体であることを確信したハーロックたちは分布の広大さと数の膨大さから地球での戦いを諦める。アレルギアス隊との交戦でローラの顔を見た台羽は隙を突かれて撃墜される。敵機の破片から金星にマゾーンの根拠地があることを知ったハーロックは艦を金星に向かわせる。

Aパート:作戦変更、母艦との戦い
Bパート:衝角(ラム)戦、金星に向かえ

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 ヤッタランの凍結メカで動きを停めたマゾーンを台羽は爆弾で殺戮するが、虐殺はハーロックに制止される。台羽はマゾーンを父の仇とみなしており、皆殺しを公言しているが、ハーロックはマゾーンの数が多すぎ、女王が到着する前に総決起されたら抑えられないことを危惧していた。「全体を見る目」、殺戮を止めたハーロックは台羽に考えて行動することを促す。
 ポレット戦闘艇で出撃した台羽と対峙したのはスタッフが腕によりを掛けて描きこんだ「美少女系」マゾーンのローラ、数あるマゾーンの中でも一二を争う冷血女で「人の心を弄ぶ」マゾーンの悪徳を体現しているキャラである。
 この回ではアルカディア号の得意技、以降のアニメ戦艦では誰も真似しない体当たり戦法「衝角(ラム)」戦が披露される。艦首から突き出た抜身の刃で敵艦を突き破る豪快な戦法だが、衝角は前ド級艦の時代までは軍艦の標準装備で、日露戦争の戦艦三笠も艦首に衝角を装備している。当時は大砲の威力が船を沈めるにはやや不足で、いっそ船腹に穴を開けて沈めてしまえというもので、艦船マニアの松本零士の面目躍如だが、二代目アルカディア号ではなぜか廃止され、この戦法は以降の松本アニメでは見られないものになっている。
 ハーロックの敵マゾーンは全員スーパーモデル級の美女軍団で魔地機関長のようにかつて妻にしていた者もいるが、これだけ美女に恵まれながらアルカディア号の乗組員は誰も誘惑されないあたり、この集団のストイックな性格が垣間見える。

評点
★★★ ハーロックごっこの必殺技、衝角(ラム)戦の初披露。



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