■第8話「女王の宇宙艦隊」
あらすじ
ピラミッドからの次元波の方向を探索し、侵攻する大艦隊を捉えたハーロックは遠征の前にまゆに会いに行く。戦闘でマゾーンの高官ヒステリアスを捕らえた台羽は酸欠で退行現象を起こす。
Aパート:マゾーンの大艦隊、女王の使者
Bパート:ヒステリアスの死、初の艦隊戦
コメント
作品に登場するトチローの娘まゆはアニメオリジナルのキャラクターで、ハーロックはその保護者だが、ことアニメではストーリーに大きな影響を及ぼしており、彼女のためにアルカディア号の進路が変えられたことが一再ならずある。アルカディア号が地球近郊から遠くに行けないのもまゆがいるためであり、この海賊とイクメンの兼業は作品に少し歯がゆいブレのようなものを感じさせるが、実はいないよりいた方がずっと良いキャラである。
マゾーンの使者メゾールを処刑したハーロックは同行していた司令ヒステリアスを捕らえ、簡単な尋問の後に釈放する。ピラミッドに続き奇妙な寛大さだが、助命されたヒステリアスがハーロックに一礼したことに注意。後に台羽に宇宙艇を撃墜されるが、ビームを避けもせず従容と死を受け容れる。それが彼女が望んだ死に様であることをハーロックは理解していたが、彼が望んでいたのは別の結末だった。
ハーロックとマゾーンとの戦いは台羽が乗り組む前から続いており、マゾーンについてはアルカディア号の乗員にはある程度の理解があり、一部では共感もあるように見える。ヌレームのように自爆しなかったヒステリアスが台羽に殺されずにそのまま去ったらどうなったかは興味深い。
ハーロック自身が台羽に諭している内容からすると、彼はマゾーンに現在の地球人類より優れた部分があることは認めているものの、個より集団に偏りすぎ、智勇を備えながら仁(思いやり、恕す心)に欠けていることについては批判的な見方もしているようである。
評点
★★ メゾールとヒステリアスの扱いを今ひとつ。
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