■第7話「海底のピラミッド」
あらすじ
スクリーンに地球が割れて見える現象が起こり、アルカディア号は調査のためバミューダに向かう。太古のピラミッドでハーロックは眠る謎の美女を見つける。マゾーンの種が地球全土に蒔かれていることを知った台羽らはマゾーン掃討作戦を実施する。
Aパート:割れた地球、謎のピラミッド
Bパート:マゾーン掃討作戦、舎監の正体
コメント
太古のピラミッドで眠るマゾーン美女を見たハーロックは死者に敬意を表し、攻撃せずに立ち去る。感慨にふける彼を台羽は手緩いと批判する。父を殺された彼にとっては全てのマゾーンが敵であった。
作品のハーロックは「無法者」で誰にも縛られない存在だが、一方で彼には組織も母国もなく、「使命」というものはそもそも持ち得ない存在である。戦争では敵弾に斃れる一兵士でさえ死ねば称揚され、死者には名誉が贈られる。
強大な海賊戦艦を操り、完璧な戦闘技量を持つ彼にも求めて得られないものはある。死んだマゾーンは仲間に弔われ、生前の功績を讃えた荘重な墓に葬られた。ハーロックがそのように葬られることは彼が海賊である限りありえない。死んだヌレームも忠誠を捧げるに値する女王と命を賭した使命があった。何よりそれが認められている点、彼にとっては羨むべき存在なのだ。
死者への敬意とは裏腹に、地球上に拡散しすぎているマゾーンを斃すためにハーロックらは掃討作戦を開始する。しかし、そのやりようといえばカップルの女は撃ち殺す、モデルは舞台の上で射殺、怯えるマゾーンの姉妹は容赦なく撃ち殺すといった様子で、マゾーンが曲がりなりにも知的生命体で、その美貌を生かして女優やモデル、資産家の妻として地球社会に溶け込んでいたことを見れば、やりすぎと言えるほどの乱暴さ残虐さである。結局数が多すぎて頓挫するが、「美人を見ればマゾーンと思え」というほどの手段の乱暴さに、切田でさえハーロック阻止に動き出す。この作品で彼が正しいことはあまりないが、この場合は切田の方が正しいだろう。
評点
★★ いくら異星人とはいえ、皆殺しはやりすぎ。
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