キャプテンハーロック

第3話「紙のように燃える女」

あらすじ
 地球の危機に気づいた台羽博士は政府に侵略者に立ち向かうことを訴える。が、博士はマゾーンに殺され、博士の息子正はハーロックから謎の侵略者がマゾーンと知らされる。アルカディア号に乗り込んだ正はマゾーンとの戦いを目撃する。

Aパート:謎のペナント、台羽博士の死
Bパート:海賊戦艦アルカディア号、マゾーンとの戦い

コメント

 再びナレーションで30世紀の地球が語られるが、この時代の地球は地球連邦に統一されているが文化財保護の観念はないようである。自由の女神や凱旋門は打ち捨てられ、ラシュモア山の4人の大統領のうちルーズベルト(セオドア)以外の三人(ワシントン、ジェファソン、リンカーン)は顔も崩れかけている。空はスモッグが覆い、海はとっくに死滅して、もはや人の住める惑星ではなくなりつつあることが分かる。
 地球侵略を企むマゾーンは学者を危険視して密かに抹殺を続けていたが、調査を始めた台羽博士も刺客に命を奪われる。学者まで消されては市民に真実を知る術はなく、首都の中心に打ち込まれた直径2キロものペナントに見下された人類はマゾーンに取ってはまな板の上の鯉である。なお、この大惨事にあっても首相以下政府の面々は巻き込まれた被害者を慮る様子もない。
 これは後に分かることだが、マゾーンは人類を敵と思っておらず、女王ラフレシア以下マゾーンが敵愾心を燃やしていたのは人類ではなく、あくまでもハーロックとアルカディア号ただ一艦である。人類の中では例外的とも言えるほど高い戦闘力を誇るハーロックとその艦に乗り込んだ台羽は彼らの活躍に刮目するが、父の死と侵略者の狭間で揺れる彼にハーロックは同志参加を働きかけるのだった。
 タイトルが「宇宙海賊」なので、次の話でアルカディア号に乗り組む台羽はハーロック率いる無法者集団の一員になったように見えるが、この「宇宙海賊」と呼ばれる集団、作者の松本が描きたかったのは言葉の意味とは少し違う集まりのようである。

評点
★★★ 被災のシーンはシン・ゴジラのスタッフならどう描くだろう?



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