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 機甲艦隊ダイラガーXV(1982) 各話レビュー

 第50話「ガルベストン攻防」

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崩壊がここまで進んでいるとは、
それなのになぜ
指導者たちは戦いを止めようとしないんだ!

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ガルベストン本星
 ガルベストン太陽系の第5惑星であるガルベストン本星はかつては地球に似た温暖な星だった。しかし現在はバン・アレン帯の破壊により地表には放射能が充満し、大地も干上がって居住不可能な状態にある。各々性質の違う3つの衛星と広大なアステロイドを持つが、これらが元々あったものなのか、何らかの理由で本星の公転軌道が狂い、回遊する遊星を個々に引き寄せたものかは明らかでない。本星は地殻変動が進み、遠くない将来に崩壊すると言われているため、惑星を支配するガルベストン帝国は銀河の所々に探査艦隊を派遣して可住惑星を探している。地表が居住不能のため、全住民は皇帝や行政府も含め、地下都市に避難して生活している。

あらすじ

 絶対防衛圏を突破した地球艦隊はガルベストン本星への進撃を再開する。ついに本星に降り立ったダイラガーは迎撃に出た3機のバトルアタッカーと対決する。そして、テレス救出を目論むサークはついに決起してテレスが囚われている宮殿に乗り込む。

見どころ

 絶対防衛圏が破れ、今や本土決戦を待つばかりとなったガルベストン星、、

ヘリコプター 「ガルベストン市民の諸君、希望を捨ててはいけない、、我々ガルベストン政府を信用して欲しい、、諸君らの協力があってこそ、我々ガルベストン政府は成り立つのである。我が有能なるガルベストン市民の諸君、今こそ、一致団結して地球艦隊を撃破して地球を制圧し、地球を第二のガルベストン星にしようではないか! 市民の諸君、今こそガルベストン政府に協力を! 、、第二のガルベストンにしようではないか、、市民の諸君、今こそガルベストン政府に協力を!」

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「偽善者どもめ!」、政府のプロパガンダを流すヘリコプターにハンドミサイルを向けたゲリラの一人が吐き捨てるように言う。彼らを軍部の計画でさんざん搾り取り利用しながら、今さら信用しろとはどういうことか。地球艦隊を撃滅して地球を制圧というが、絶対防衛ラインが敗れた今のガルベストンにそんな力はないことは明白である。地球を第二のガルベストンに、第3惑星の発見以降もしぶとく流されているプロパガンダは地球に迷惑であるのみならず、非現実的ですらある。この星はいつまで持つのか、不安げな表情のサークの頬を、一陣の風が吹き抜ける。

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絶対防衛ラインが破れた後も戦いはなおも続いていた。再び進軍を開始した地球艦隊にカポネーロはサザアキの防衛艦隊を出動させる。伊勢はラガーメンバーに出撃を命じる。

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とはいうものの、これでもフルバージョンではなく、ラガーマシンが格納庫から出る場面が省かれている。ラガーマシンは最近では最初から合体して飛んでくることが多かったため、かなり久しぶりのこの出撃シーンをしっかり描いたことには感慨深いものがある。最近はシナリオが詰まっていたため、出撃だ合体だでいちいち何十秒も取っていられなかったのだ(出撃シーンは省かれ、合体シーンもかなり前から10秒短縮されている)。シリーズにおける、ラガーチーム最後の出撃である。

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 すわ戦いかと思いきや、戦艦ラガーガードの何でも博士、サーチ博士がガルベストン星のバン・アレン帯の異常を報告する。ガルベストン星のバン・アレン帯は破壊されており、有害な宇宙線が直接地上に降り注いでいるのだ。「彼らが必死で可住惑星を求めている意味が分かった」、ガルベストン本星の惨状を思い、伊勢は戦いを終わらせる決意をする。本星政府を降伏させ、一刻も早く国民を他の惑星に移住させなければいけない。そして地球艦隊とガルベストン防衛隊は戦いを開始する。

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「総司令、第3武器庫がゲリラに襲われました!」、戦いの最中、カポネーロはサークたちのゲリラが蜂起した報告を受ける。小規模だった今までの活動とは異なり、市民を巻き込んだゲリラは規模を拡大している。「くそうっ、、」前方からは地球艦隊、足元にはゲリラ、地球艦隊と連携した反政府勢力の動きにカポネーロは呪詛の言葉を吐く。絶妙のタイミングでの襲撃に、内務長官であるテスの助力があったか否かは定かではない。

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 「王宮の警備が手薄になっている」、バッキからの連絡で王宮の様子を知ったサークはゲリラ戦を拡大して警備隊を引き付けることを指示すると、自ら仲間を率いてテレス救出に向かう。「今夜の卵料理は一味違います」、王宮ではバッキが卵料理に偽装した発振器をテレスに手渡す。そしてテレスの発振器を頼りに仲間と共に王宮に潜入したサークは銃撃戦の末、ついに軟禁されていたテレスと再会し、二人は王宮を脱出する。

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一方、本星の上空では地球艦隊と本星防衛隊のサザアキの艦隊が交戦を開始していた。戦闘機隊を突破され、艦隊同士の戦闘が始まるが、伊勢はラガーチームに艦隊の援護から離脱してガルベストン本星に到達するように命じる。そして防衛隊を突破し、本星上空に到達した彼らは予想以上に荒れ果てた本星の光景を見て、この期に及んでもなお戦争を続けるガルベストンの指導部に憤る。

安芸 「ついに俺たちはガルベストン本星に辿り着いたんだ。」
ウォルター 「しかし、想像以上に崩壊が進んでいるな。」
キーツ 「一刻も早く可住惑星に移住しなければ! このままではこの星の人間は全員破滅する! それが奴らはなぜ戦うんだ!」
安芸 「早く司令部を探し、戦争をやめさせるんだ。それしかこの星を救う道はない。」

「ガルベストンの指導者、出てこい! もういい加減にバカバカしい戦いは止めたらどうだ!」、迎撃艦隊と地表の対空砲火を蹴散らしたダイラガーは着陸してカポネーロらに呼び掛ける。しかし、それで戦争を止めるような彼らではなかった。地中からバトルアタッカーが出現し、突如現れた3機のアタッカーにダイラガーは苦戦を強いられる。

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 その時、崩壊しつつある星の地面が裂け、アタッカー2機が地割れに引きずり込まれる。さらに磁気嵐が吹き、戦闘不能になったダイラガーは分離してガルベストンの地下都市を目指す。「しつこい奴らだ! まだ戦おうっていうのか!」、地上部隊をウォルターとキーツに任せ、地表の進入口から地下都市に飛び込んだ安芸が見たものは、想像を絶する地下都市の惨状だった。

「崩壊がここまで進んでいるとは、それなのになぜ指導者たちは戦いを止めようとしないんだ!」

 今週の言葉は安芸マナブ、ついにガルベストン本星に到達したダイラガーと地球艦隊、しかし、ガルベストン星の崩壊は刻一刻と近づいていた。果たして彼らと地球艦隊は全てが終わる前にガルベストン政府を降伏させ、戦いを止めることができるのか、三惑星連合とガルベストン、銀河を二分した戦いはいよいよクライマックスを迎える。

キャラクター紹介

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サザアキ

 ガルベストン本星防衛隊司令官、ホルテス同様の老司令官で、禿頭に老班の浮いた顔などホルテス以上に高齢に見える。やはり予備役から召集されてきたと思われ、絶対防衛線の崩壊後、地球艦隊相手に絶望的な戦いを挑む。

今週のバトルアタッカー

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武器:ビーム剣、胸部キャノン砲

 本星1号はカポネーロが本土決戦用に配備していたアタッカーの1機である。強力な盾とラフィット6号の武器であったビーム剣を装備している。盾の装備はジャクソン2号以来である。ダイラガーとの対決中に地割れに落ちて生死不明(おそらく撃破)となる。なお、1〜3号は個々の仕様は異なるが基本骨格は同じで、おそらく同型機ないし兄弟機と思われる。


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武器:大型ライフル、鉄拳ハンマー、胸部キャノン砲

 本星2号は1号同様ダイラガーを迎え撃ったアタッカーである。ラフィット3号譲りの巨大なハンマーとアタッカー初の手持ち式の大型ライフルを装備しており、エンマ艦隊のアタッカーの系譜を継ぎ、単独でもダイラガーを上回る能力の機体と思われる。1号、3号同様交戦中に地割れに落下したが自力で脱出するが、地下都市の戦いで撃破される。おそらくリーダー機と思われる。


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武器:触手、胸部キャノン砲

 本星3号はドレイク1号以来のバトルマシン/アタッカーの標準的な武器、電撃ショックを内蔵した触手鞭を自在に操るアタッカーである。1号同様地割れに落ちて生死不明(おそらく撃破)となる。


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バトルアタッカー語録(本星2号)

「ウハハハ、そこまでだダイラガー、とどめを刺せ!」
(3対1でダイラガーを追い詰める)

「何をこしゃくなあっ!」
(鉄拳ハンマーでダイラガーを殴りつける)

「とどめだあっ!」
(磁気嵐で動けなくなったダイラガーに照準)

「おおっ! うおっ! おわあああーっ!」
(地割れに巻き込まれる)

「おのれダイラガーめ!」
(地割れから這い上がる)

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