◇MUDDY WALKERS
機甲艦隊ダイラガーXV(1982) 各話レビュー | ||||
■第46話「探査基地陥落」 | ||||
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■あらすじ | ||||
ガルベストン本星を探索中の戦艦ラガーガードと連合艦隊はガルベストンの基地らしい小惑星を発見する。探査基地を発見されたことを悟った新司令ローチャーは増援が到着するまで基地の死守を命じる。 | ||||
■見どころ | ||||
前回の前線基地は移動基地だったが、探査基地は赤色矮星の周辺を巡る惑星基地である。当然、ワープなどできず、断片的な手がかりからどうも第3惑星の近辺にあること、ガルベストン本星からそう遠くないこと、本星への航路上にあるらしいことは分かってはいた。つまり、本星発見を目指す地球艦隊にとって発見は時間の問題だったが、やはり発見され、テレスを追い出して新司令となったローチャーは増援到着まで基地の死守を命じる。
ザイデル 「ガーロ艦隊は左右に散開、防御ラインを敷き、攻撃せよ。敵艦隊を惑星内に突入させるな。」
地球艦隊の戦法は第2話で赤城司令が行い、伊達艦隊の得意技で、もはやお家芸となった中央突破・背面展開戦法。ガルベストンは包囲殲滅戦や挟み撃ち戦法を得意とするが、最近では地球艦隊がガルベストン戦法を使うこともあり、両者の実力は個艦レベルでも伯仲している。ゾルゲル艦隊が先に砲門を開く中、アシモフ艦を先頭に距離を詰めた地球艦隊は反撃を開始する。
ローチャー 「総司令! 地球艦隊が来ます! もはや基地が敵の手に渡るのは時間の問題です!」
「残る方法はただ一つ、、」、上司(カポ)にゴマを擦り、ご注進すること数十回、天然君の司令官テレスを物陰で誹謗讒謗、二枚舌三枚舌四枚舌を使い分け、下には厳しく上には甘くをモットーに、多数派(タカ)こそ正義、「地球のテレス(筋金入りのハト)」伊勢シンジ暗殺未遂に加え、地球との和平を目指す司令官の足を引っ張り続け、頓挫させ続け、ようやく手にした司令の座、竹馬の友ザイデルも戦死し、こんなことなら司令はテレスのままにしておけば良かったと後悔するローチャー氏だが、このままではおかない。典型的なゴマスリ管理職であった彼がその真の力を示し、テレスを超える時がいよいよ来た。
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■キャラクター紹介 | ||||
ガルベストン探査基地、ローチャー麾下の隊長(タカ)、テレスとの会談の際には無傷だったノーランと艦隊の姿が司令部に見られないので、ザイデル艦隊はおそらくローチャーの司令官就任で探査任務を中断したノーラン艦隊を解体再編成したものと思われる。探査基地の前哨戦と上空戦で2回地球艦隊に戦いを挑むが、兵力で負け、戦術で負けと一方的に撃破される展開が続いた。最初の戦いで副将ガーロを失い、2度目の戦いで地球艦隊に包囲されて戦死する。ザイデルは司令官に就任したローチャーを「隊長」と呼ぶ唯一の将校だったことから、両者は気心の知れた仲だったと思われる。ただ、ガルベストン艦隊も少なくなってきた折、彼の艦隊はこんな場所では戦わず、いっそ本星に後退させて首都防衛隊に編入した方がむしろ良かったかも知れない。以降ガルベストン本土決戦までまとまった規模の艦隊は登場しないので、ザイデル艦隊はガルベストン太陽系外で地球艦隊と交戦した最後の艦隊になる。 | ||||
■今週のバトルアタッカー(1分40秒) | ||||
未完のままローチャー司令の強請で出撃したローチャー2号は新理論を具現化した洗練されたバトルアタッカーだが、いかんせん問題だったのはローチャーの要求でエネルギーチャージ未了のまま、しかも、バトルアタッカーは通例3人以上の士官で操縦するものを単独操縦で出撃したことがあり、機体本来の能力を発揮できる状況がそもそもなかった。能力的にはダイラガーを上回る機動性とパワーの機体と思われるが、ダイラガーをソードで切り伏せながら角ビームを浴びせるなど陰険な戦い方には彼(ローチャー)の地の性格が出ていたが、フル装備のアタッカーなら容易にかわしたであろうダイラガーキルダーでビーム砲を破壊され、ソードを折られてコクピットにラガーソードを突き刺され、ローチャー共々ラガーソードの露と消えた。
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