◇MUDDY WALKERS
機甲艦隊ダイラガーXV(1982) 各話レビュー | ||||
■第47話「姿なき超兵器」 | ||||
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■あらすじ | ||||
探査基地で本星の場所を確認し、一路ガルベストン恒星系に向かう地球艦隊、太陽系の外縁にまで達した敵艦隊に総司令カポネーロはスペースインパルス作戦を発動する。 | ||||
■見どころ | ||||
先の地球爆撃以降、戒厳下の地球、戦艦ラガーガードが探査基地でガルベストン本星の位置を掴んだことはまだ警備軍本部には伝えられておらず、艦隊を送った長官若狭は戒厳下の街並みの殺伐さに嘆息しつつ、本部でアシモフ艦隊の勝利を祈る。
老隊長A 「困ったことだ、、」
久方ぶりの現役復帰で、噂の地球軍について戦々恐々と話す老隊長たちの後方から、いかにもバツが悪そうに退出したカポネーロを夫を亡くした寡婦のような陰気な声で副官の任を解かれたサークが呼び止める。これは切り出し方もタイミングも悪かったように見える。「ガルベストンは非常事態である!」、お宮よろしくテレス復帰を哀願するサークを金色夜叉の一高生のように一蹴し、さらに苛立ったカポネーロは防衛局に向かう。青年のテレスが用いられずに軟禁され、すでに戦士として老いぼれた老人たちが掻き集められて戦場に赴くガルベストン帝国。「外宇宙防衛隊長ガレイを呼べ」、防衛局に赴いたカポネーロはガレイにスペースインパルス作戦の発動を指令する。
サーク 「あなた方は?」 長い名前だが、この「コルセール帝を倒すために立ち上がった市民のグループ」の存在をサークは知っていたと思われる。44話で彼女はテレスにこういう組織の存在を話している。しかし、テレス抜きの自分が彼らにマークされていたとは思っていなかったようだ。いかにも北斗の拳なキャラのリーダーの筋肉質の男(バッキ)が彼女にテレスのことを話す。 バッキ 「司令が宮殿内に軟禁されたことはもう知っています。また、新たな情報によれば、地球艦隊は第11惑星も撃破してガルベストンを目指しています。行政府はその対応で混乱しているはずです。揺さぶりを掛けるのは今しかありません。どうか、決意してください!」
男の風体は北斗の拳だが、行政府内部の事情にまで精通している情報力はただごとではない。いずれにせよ、地球艦隊進撃による行政府の混乱は報告されても、新兵器スペースインパルスの大戦果が全く報告されていないことで、この兵器の戦果のほどが分かる。おそらくほとんど減らなかったのだろう。
バッキ 「コルセール帝とその配下どもに、我がガルベストンを崩壊させたくはないのです!」
今週の言葉はサーク副官、ガレイらのスペースインパルスの「大戦果(自称)」にも関わらず、地球艦隊は相変わらず本星に向かって進軍しており、ガルベストンは滅亡への道をひた走っている。にも関わらず戦争を止めない軍部の暴走を止めること、そしてテレスを救うため、サークは襟の徽章をむしり取って彼らに差し出し、王宮警護隊長の身分を捨ててレジスタンスに合流することを表明する。リーダーにサークを迎えたレジスタンスも加わり、銀河を二分する戦いはいよいよクライマックスを迎えようとしていた。
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■キャラクター紹介 | ||||
ガルベストン外宇宙防衛軍、第11番惑星守備隊長でガルベストンの石田純一の仇名を持つガレイは隊長らしからぬチャラい外見にケレン味のある策略を得意とする隊長である。地球側の誘導ミサイル「無人スナイパー」、「ピラニア―(改良型スナイパー)」を鹵獲してガルベストンが製造した「スペースインパルス」の運用を任されており、11番惑星で地球艦隊を迎え撃つ。兵士の報告で地球艦隊の3分の1を撃破したと報告したガレイだったが、すでにガルベストンは熟練した兵士の多くを過去の戦いで失っており、その戦果は事実誤認又は虚報の可能性が高い。ダイラガーにバトルアタッカー・ゴーヴァを撃破され、基地を放棄して逃走する。本土に逃げ帰ったのか、そのまま外宇宙に逃走を図ったのか、その後は不明である。 王宮で配膳係を務めるバッキは「コルセール帝を倒すために立ち上がった市民のグループ」のリーダーである。王宮の配膳係といういわば体制派そのもののような彼がなぜレジスタンスに加わったのか、その真意は不明である。職場を通じて王宮の警護隊長だったサークのことを知っていたが、サークは彼のことを知らなかった。レジスタンスの中心人物であり、秘密であるはずの第11惑星での敗戦の情報もつかむなど、その組織力、統率力は侮れない。彼の推挙でサークがレジスタンスのリーダーに収まった後はその片腕としてテレス救出に活躍する。このバッキといいサークといい、ガルベストン王宮は軍部とは折り合いが悪いのか、皇帝自身が主戦派であるにも関わらず、反抗者が多いようである。 | ||||
■今週のバトルアタッカー(50秒) | ||||
ガレイ隊のバトルアタッカー「ゴーヴァ」は本当にアタッカーか否か疑わしい機体である。まず、この機体はビームなど飛び道具を一切持っておらず、また、ソードなど格闘戦用の装備もない。アタッカーやバトルマシンと共通する点は二足歩行くらいで、運動性も特に傑出しているとは言いがたい機体である。頑強な装甲と特殊機能である氷柱構成機能はおそらく氷結した11番惑星の自然に合わせて開発されたものであり、基地建設用の作業マシンをアタッカーに仕立てたものと見ることもできる。もちろんこんな機体でダイラガーに歯が立つはずもなく、氷柱による棍棒攻撃はラガーマシンをそれなりに苦しめたが、合体後は空中戦で敗れ、スピンカッターは突き刺され、最後はラガーソードに袈裟斬りにされて氷床から転落して爆発し、ラガーソードの刀の錆となった。 | ||||
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