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 機甲艦隊ダイラガーXV(1982) 各話レビュー

 第41話「新大陸惑星発見」

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力と力の対決では、
あの惑星を手に入れることはできない!

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第37恒星系第3惑星
 ついに発見されたガルベストンの可住惑星の最有力候補惑星、ほぼ地球の洪積世に相当する発展段階の惑星で高度な生態系も発達し、可住惑星として理想的な環境を持つ。地球側には当初、ガルベストン本星と勘違いされた。

あらすじ

 ガルベストン艦隊の活発な動きから安芸たちはガルベストン本星の可能性のある第3惑星を探査する。それはテレスにとっては希望の大地、絶対に渡してはならない星だった。

見どころ

 今週も二枚舌管理職ローチャーとテレスの対決の第6ラウンドと行きたいところだが、司令官と隊長の胃に悪そうな狐と狸の化かし合いも、実は先週までの話である。司令官テレスの隠し玉、ガーロ隊の調査の結果、ついに理想的な可住惑星が彼らの前に姿を現す。

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 ただ、今まででも水が存在したり、人間が呼吸可能な惑星だったら割とザラに登場してはいた。慎重な探査の末発見された第3惑星は何が他の惑星と違うのだろうか。これまで言われていた基準によると右の他、@大きさ(直径1万〜1万5千キロ程度、重力も含まれる)、A軌道の安定(惑星として存続しうること)、 B動植物の発展段階が挙げられていたが、ガーロによるとC太陽の安定、D食料供給の可能性があるようである。他にも多数の項目がありそうだが、全ての条件を満たすという報告に地獄落ちした探査司令部も祝賀ムードである。が、ちょうどその頃、惑星にはラガーチームが接近していた。テレスの懸念通り、ローチャーの攻撃策が地球艦隊を問題の星に近づけていたのである。

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「それじゃ、ひとっ飛び偵察してみるか」、今までの惑星の中で今回ほどこいつらの存在がうっとおしく恨めしく見えたことはないが、ラガーチームの接近を探知したガーロ探査本部もそれは同じであった。彼の探査艦隊は少数で将兵も戦いに不慣れである。「やっと発見した可住惑星だというのに!」、奥歯を噛み締めつつ、ガーロは探査基地を爆破して惑星からの撤収を決める。ガーロが惑星から撤退したことを知ったローチャーは独断でジャクソン艦隊の出撃を命じる。住む家がないと困るのは彼も同じである。

「サーク、文句はあるまい。第3惑星を確保するためにも、地球の連中に負けない戦力を送らなければならないのだ! ノーラン艦隊では無理だ!」

 いつの間にかサークが参謀席に位置を占め、司令官代理のような立場になっています。最初はテレスのお付きのような立場だったが、テレス(ハト)とローチャー(ガルベ右翼)が剣呑にいがみ合っている間にその狭間にいる彼女の株がどんどん上がっていったようです。やっぱ美人で頭が良くて自立した女性(天は二物を〜なんてウソである)は強い。で、テレスが入室し、突然始まったテレス対ローチャーの第6ラウンド。

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テレス 「どうした。」
ローチャー 「ガーロの艦隊が地球の連中に追い出されました。」
テレス 「なにいっ!」

 あんた報告受けるの遅いんじゃ、、テレスの職場放棄で事実上サークが仕切っている基地の様子が目に浮かびます。

ローチャー 「あの第三惑星を失ったら、我々の未来は閉ざされてしまいます。」
サーク 「しかし、ジャクソン艦隊ではまた新たな紛争の火種を作ってしまうかも、、」
テレス 「なぜノーラン艦隊を行かせなかった!」

 重役出勤の上役をさりげにフォローするサークがいい感じです。ガーロからの報告を受け、テレスはノーラン艦隊の派遣を決めていました。ジャクソンは5人組(現在3人組)の中でも凶暴(激タカ)な人物です。

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ローチャー 「奴はこの所考え方が優柔不断です! こういう時は向きません。」
テレス 「確かに話し合いは難しい。しかし、その気持ちを忘れてしまってはならんのだ!」
ローチャー 「司令!」
テレス 「力と力の対決では、あの惑星を手に入れることはできない!」

 今週の言葉はテレス司令、これは微妙なところですがドローという感じでしょうか。ジャクソン艦隊を派遣した事でローチャーが1ポイント先取していますが、その後の勢いで言い切ったテレスが主導権を奪い返した感じです。結局ノーラン艦隊も派遣されますので、これは引き分けでしょう。現在テレス司令は3勝3敗1分。

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「ここは可住惑星としてかなり有望だぜ」、場所は変わって惑星に上陸したラガーチーム、第21恒星系での捕虜の話から、ガルベストン本星に危機が迫っていることは彼らも薄々知ってはいる。安芸はガーロが残した基地の調査を命じ、ラガーチームはガーロ基地跡に集結する。戦艦ラガーガードも到着し、地球側の本格的な探査が開始される。「我々の太陽系と同じような星が、まさか銀河の中心部あたりにあるとはな」、未探査宙域はペルセウス腕の銀河中心から2万〜3万光年くらいの範囲ですので、第3惑星は腕の外縁、やや銀河中心寄りにある星のようです。

で、近くの宇宙空間では惑星から逃げ帰ってきたガーロ艦隊。先方には探査基地から発進してきたジャクソン艦隊がいます。ジャクソンはローチャー5人組(現在3人組)の中では札付きのタカ派です。

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兵士A 「ジャクソン隊長! ガーロ艦隊が来ます!」
ガーロ 「ジャクソン隊長、残念だ!」
ジャクソン 「ガーロ隊長、おまえもガルベストン軍人だろう。敵に後ろを見せるとは情けないな。」
ガーロ 「しかし、、我々の戦力ではとても、、」

 ジャクソンの髪色が違う(茶→白)ような気がしますが、自毛は白で染毛と思えば気にもなりません。あと、戦闘艦隊と探査艦隊は艦色が違うようで、探査艦隊は旧ガルベストン艦の青紫色で戦闘艦隊は赤紫のようです。ただその辺はあまり厳密じゃないです。

ジャクソン 「たとえ不利と分かっても死守すべきだ! あの第3惑星を発見したのは君たちだろう? 大殊勲を放棄するつもりか?」
ガーロ 「我々は戦闘隊ではないのだ、やむを得ん。」
ジャクソン 「とにかく、このまま我々と第3惑星へ引き返すのだ。」

 引き返してどうせ総攻撃だろうと思いますが、そこにテレスからの通信が入ります。

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兵士A 「隊長! テレス司令からの緊急通信です!」
テレス 「ジャクソン、第3惑星はどうしても手放せん! ガルベストン本星からも絶対に手に入れろという命令が来ている。」
ジャクソン 「私も同感です。」
テレス 「だが、戦闘を交えては、その希望を叶えることは困難になる。第3惑星に行っても、決して攻撃的姿勢を見せるな!」

地球とガルベストンの大艦隊が星の上空や地上で戦っては折角発見した惑星もアキレウス星みたいになってしまうかも知れません。テレスの見立てでは地球とガルベストンの戦闘力はほぼ互角、彼らが奪取にこだわればこだわるほど、戦いの長期化は必至です。

ジャクソン 「しかし、、地球が我々を黙って受け入れるとは思えません!」
テレス 「今までに、再三に渡って話し合いの努力をしてきたが、その度に私の試みは心ない仲間によって壊されてしまった。地球が我々に警戒心を持つのもやむを得ん。しかし、これ以上は!」

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 愚痴っぽいですが、バラタリア、ラフィット、ルチアーノ、錚々たる顔ぶれが浮かんできます。バラタリアやラフィットはまだ率先して打倒地球艦隊と言ってましたから分かりやすいのですが、彼らに同調する隊長たちもいるのでタチが悪い。本星もタカばっかでテレスの味方はテスくらいしかいません。

ジャクソン 「司令、お任せ下さい。いずれにしても第3惑星に我々の足場を作ることに全力を挙げます。」
テレス 「ウム、、くれぐれも慎重にやってくれ、、」
ジャクソン 「ハッ! 分かりました!」

 ジャクソン(声・麦人)が意外と物分りが良いので実は良い奴ではと思ったのもつかの間、そこはダイラガー、ああ、やっぱりの展開になって行きます。テレスが通信を終えた直後、副官が惑星上空にいる地球艦隊を報告します。

副官 「隊長! 惑星宇宙空間に地球の艦隊がいます!」
ジャクソン 「よーし、やるか!」
副官 「ええっ?」
ジャクソン 「何をボヤボヤしている。バトルアタッカーを出撃させろ! 話し合いなど手緩いことをしてきたために、地球の銀河進出を許し、すべての作業を停滞させてしまったことをまだテレス司令は分かっていないのだ。」

隊長10人戦死のルチアーノの悲劇が脳裏に浮かびます。相も変わらず懲りないタカ派。まあ、皇帝と総司令(カポ)が超タカですから、どうしようもありませんね。

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副官 「し、しかし!」
ジャクソン 「フハハハハ、、俺とローチャー隊長の後ろにはカポネーロ総司令がついているのだ、心配するな。」
副官 「ハッ! 分かりました!」
ジャクソン 「バトルアタッカー、出撃!」

 ジャクソンよ、お前もかといった感じで、バトルアタッカーがジャクソン艦から出撃していきます。せっかく見つけた第3惑星、テレスの願いも虚しく、ここも地球とガルベストンの戦場になってしまうのでしょうか。

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 最終回まであと僅か、突如として両軍の前に姿を現した壮麗な可住惑星、地球とガルベストンの運命を決めるこの星での戦いを契機として、戦いは最終局面を迎えていく。

キャラクター紹介

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ガーロ

 ガルベストン探査隊、テレス麾下の隊長(ハト)で少数の探査艦隊を率いて第3惑星の調査に当たっていた。その探査は慎重かつ長期に行われ、第3惑星に関する貴重な資料を提供したが、基地の破壊により一部が地球側にも渡ることになった。いわばガルベストンの救世主的活躍をした隊長だったが、その後は報われず、地球艦隊の探査基地攻撃の際にザイデル麾下の艦隊に組み入れられて戦死する。本質的には学者肌のガルベストン軍人で、戦闘にはあまり向いていない性格だったと思われる。

今週のバトルアタッカー(3分30秒)

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武器:角ビーム、ネーブルミサイル、ソード、鎖鎌

 ジャクソン隊のバトルアタッカー第2号は新型アタッカーに次々と採用されている新理論を具現化した機体である。重量のある動力部や武器をできるだけ中央に集め、比較的軽い四肢を駆動させる方式はエンマ隊の各機ですでに有用性が実証されているが、同機もその系列に加わる機体である。そのパワーと機動性はダイラガーを凌ぎ、宇宙空間で緊縛したダイラガーを引きずったまま大気圏突入を行い、なおかつ、その状態でもダイラガーを上回る飛行性能を示していた。

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 そのまま海中戦に持ち込んでも水中での運動性もダイラガー以上であり、空中戦でも優位、地上でのソード戦でようやく撃破に持ち込んだ機体だが、この時期になると機体性能ではもはや差がなく、操縦者の優劣でようやく決着がつく感じになっている。

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ただ、新理論の欠点として、ダイラガーは旧来のバトルマシンと同じく全身に充実した防御装甲が施されているが、新マシンは重甲なのは胴体部だけで、四肢の防御は明らかに意識的に軽視ないしは無防御に近いものになっている。ソードの重量さえ軽量化されており、その弱点を突いたダイラガーのキルダー攻撃により左腕を破壊され、剣を折られてラガーソードの露と消えた。

 装備している盾はフィールド発生器内蔵のものと思われ、ビーム砲などの攻撃はよく防いだが、実弾攻撃であるキルダーには破壊され、以降の戦闘能力も低下したことから、同機の動力システムは機体のそれと盾の二重構成になっていると思われる。この多重動力システムは15体合体のダイラガーと同じものである。光波エネルギーをシンクロさせることにより実機体の2倍、3倍の防御能力を実現する方式はダイラガーの十八番だったが、すでにエネルギー実体剣であるラガーソードがコピーされ、多重動力システムもコピーされるなど、ガルベストンのアタッカーは異母兄であるダイラガーを凌ぐ性能を手に入れつつある。

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