◇MUDDY WALKERS
機甲艦隊ダイラガーXV(1982) 各話レビュー | ||||||||||||
■第40話「デノン少年と大鹿」 | ||||||||||||
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■あらすじ | ||||||||||||
先の戦いで損傷した地球艦隊の護衛を伊勢に依頼する艦隊司令アシモフ、損傷艦を狙ってハドラー艦隊も動き出す。が、艦隊が不時着していた第71惑星には惑星Kからの植民者がいた。 | ||||||||||||
■見どころ | ||||||||||||
別の宙域で敗走した地球艦隊の行方を巡って会議中のガルベストン探査基地司令部。二枚舌管理職ローチャー対テレスの第5ラウンドは、「修理中の地球艦隊」編。珍しくサークがローチャーの受け答えをしています。 ローチャー 「サーク、例の第29恒星系の戦いで敗走した、敵地球艦隊はどうしている?」 エンマ殺しの件で前話ローチャーに嫌味を言ったサーク、男性社会ガルベストンでは逆恨みを買いそうな話です。色々言われたのでしょうか、なぜかサークが参謀みたいな仕事をしています。しかし、元王宮警備隊の隊長は参謀仕事もサクッとこなしているようです。
ローチャー 「なにいっ! ということは奴らが我々の重点探査宙域に向かう可能性があるということか!」 ああ、またこのパターンかとテレスは思ったに違いありません。サークをローチャーに取られたテレスは面白くありません。顔に出ています。
ローチャー 「テレス司令、異存はありますまいな?」 何か不戦敗みたいな感じでローチャーに押し切られましたが、第5ラウンドはローチャーのうっちゃり勝ち、3勝2敗で二枚舌の優勢が続きます。「ヌハハハ、今度の作戦はまるで赤子の手を捻るようなものだ、ハハハハハ!」、意気揚々と初登場から1月半(6話)のブランクを経てバトラー氏は出撃していきますが、これでいいんでしょうか? しかし、この話はここで終わらなかった。
テレス 「また無益な戦いが、血が流される、、」 前線基地時代はこういうのはテレスは出ないと決まっていて、「進展なし」とか部下に報告させていたはずでは、相手あのカポネーロだし、話しても無駄では? 案の定、画面に出たカポネーロは開口一番詰問調です。 カポネーロ 「テレス司令! 何をやっておる! コルセール帝は大層ご立腹である! エンマ艦隊を失いながら、まだ可住惑星の発見ができんのか!」 ローチャーに舐められ、カポネーロに怒鳴られ、何も好んで中間管理職の悲哀を演じなくても、、しかもカポネーロがローチャー式詭弁術を使っているし、しかし、驚くのはこの次。 テレス 「カポネーロ総司令、間もなく朗報をお届けすることができると思います。」 驚いたのはカポネーロだけではありません。筆者も驚きました。実はすでに可住惑星発見の目処を付けていたんです。ローチャーに艦隊を削られながら、やるべきことはちゃんとやっていたテレス司令、彼が「朗報」というからにはただごとではありません。 テレス 「はい、先日未探査宙域に向かった艦隊より、有望な情報が届き、目下重点探査のため、支援艦隊がその空域に向かっている所でございます。」
目が点になったとはこのことで、そういうことならテレスが地球艦隊との戦闘を避けていただけでなく、時にローチャーの主戦論に乗っていた理由もわかります。彼はすでに可住惑星の目処を付けており、少なくともその方向には地球艦隊を導かないようにしていたわけです。そうなるとスコアは現在2勝3敗ですが、格上のカポネーロに勝ったということで3勝3敗に修正することにしましょう。
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■キャラクター紹介 | ||||||||||||
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今回登場するまで筆者も存在を忘れていたローチャー5人組の一人、おそらく最近顔を見ないベルトランの艦隊を引き継いで再登場したものと思われる。71惑星に不時着した地球艦隊の残存艦を屠ろうと試みるが、その動きはすでに惑星Kの生き残りであるデノンの祖父に探知され、伊勢に通報されていた。艦隊は地球艦隊に挟み撃ちを試みるも逆に挟み撃ちにされて1隻も残らなかったことから、ハドラーもおそらく戦死したものと思われる。 惑星Kの生き残りで71惑星の集落の長老、ダールから地球からの訪問者について連絡を受けていた。ダール同様見た目に騙されてはいけない老人で、ラガーガードも探知していなかったガルベストンの奇襲艦隊(無線封止していた)をはるか遠方から探知して地球艦隊に伝えたことから、ダール同様の移民第一世代で、高度テクノロジーを密かに保持しているものと思われる。 惑星Kの生き残りの第三世代でデノンの祖父の孫、惑星K時代の記憶はなく、おそらく移住後に71惑星で生まれた子供と思われる。祖父らの教育方針からテクノロジーには触れず、自然と共にする生活を営んでいる。仲良しの二匹の鹿の親子がいる。 リックラガーチーム、長門マシン(左足首)の操縦士、チームのムードメーカーで非番の時は同じチームの伊豆と将棋を指したりトランプをしたりしている。伊豆と並ぶラガーチームのコメディ要員。ハンサムを自称し女性に絡むことが多い。 リックラガーチーム、伊豆マシン(右足首)の操縦士、長門同様のコメディメーカーで、伊豆がボケで長門がツッコミの関係である。特技はいかさまトランプで、長門にカードゲームを教えた。長門とつるんで行動することが多い。 71惑星の少年デノンと一緒にいた大鹿、惑星Kから持ち込まれたものか、元々の原住生物かは不明だが、おそらく農耕用に持ち込まれた前者であると思われる。通例鹿は立派な角を持つのは雄鹿なのだが、地球の生物でないことは確実なので、惑星Kの鹿は両性具有なのかも知れない。子鹿を庇うなどその行動は極めて母鹿的である。おそらく71惑星の重力は母星の惑星Kよりかなり小さいため、この鹿は惑星では驚異的なジャンプ力を持ち、ダイラガーを守るため、高さ50メートルはあるバトルアタッカーのコクピットにジャンプして体当りするなど地球上では考えられない動きをした。鹿自体の自重が1トン程度あるので、その破壊力は7階建てのビルから飛び降りた衝撃に相当するが、鹿も無事ではなく、アタッカーを行動不能にした後に転落して死亡した。 | ||||||||||||
■今週のバトルアタッカー(2分50秒) | ||||||||||||
ハドラー隊のアタッカー「バルゲンZU」は、「鹿にやられた情けないバトルマシン」の印象が先行してしまい、無人スナイパーにやられたドレイク7号、イルカにやられた42話のノーラン1号と並ぶ汚名を斯界に残しているが、実はダイラガーを上回るパワーと敏捷性を持つ優秀なアタッカーである。その秘密は軽量化された下半身であり、スリムな両足は重量減とともに同機のアクロバティックで敏捷な機動を可能にしている。
「ダイラガーそこまでだ、止めを刺せ!」 デノン 「やめろっ!」(ダイラガーの危機に駆け出すシカ) シカ 「ヌヒヒヒーン! ギャアッ! ギャアッ!」 (アタッカーに向かって飛び上がる) 「な、何だっ!」(コクピットに衝突) シカ 「ヌヒヒヒーン!」 (そのまま転落して死亡、動揺するアタッカー乗員) キリガッス 「チーフ!」 (シカの尊い犠牲に驚愕するキリガッス)
安芸 「くそおっ! 仇を取ってやる! ダイラガーキルダー!」 | ||||||||||||
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