◇MUDDY WALKERS
機甲艦隊ダイラガーXV(1982) 各話レビュー | ||||||
■第32話「前線基地撃破」 | ||||||
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■あらすじ | ||||||
ついにガルベストン前線基地に到着したダイラガーと地球艦隊、怒りのラガーソードをかざしたダイラガーとルチアーノの前線司令部との最後の戦い。 | ||||||
■見どころ | ||||||
「ダイラガー・ソード!」、山本参謀の決死の作戦で、ついにガルベストン前線基地への血路を拓いたダイラガーと地球艦隊、前話に引き続き安芸マナブがアップで登場です。参考までに前話の冒頭をリプレイしましょう。
参謀 「地球のバトルマシンが突っ込んできます!」 と、言ったのは良いのですが、あれよあれよという間に切り札のバトルマシンが撃破されてしまいます。
参謀 「これでいいのですか! 司令!」 何か余裕かましていますが、「策士策に溺れる」、これからルチアーノ氏の表情がどう変わるか楽しみです。申し遅れました、トンデモ司令官ルチアーノ編第8弾、最終回の今日は「前線基地撃破」です。ある意味、彼がトンデモ司令官の座を不動のものとした記念すべき回と言えるでしょう。
ルチ 「見ろ、いよいよ奴らは全てのメカを捨てなければならなくなった。これで我々の勝ちだ、奴らを包囲して全滅させろ!」 余裕かましている場合じゃないと思いますが、外では地球艦隊が戦っています。しかし、優雅に監視カメラを眺めるルッチー司令官の関心は艦隊戦には無いようです。 ルチ 「フッフッ、流石は地球のバトルマシンのメンバーだけあって考える。この基地の中枢にあるエネルギー炉に向かって確実に歩を進めている。しかし無事にたどり着けるかな? フッフッフッフ、、」 敵の包囲を脱し、パトロール艇で基地のさらに奥に侵入するラガーメンバー、最初は何しに来たんだろうと思っていたのですが、どうやら動力室に爆弾を仕掛けて宇宙要塞を内部から爆破するようです。ダイラガーでやれば良いと思うのですが。どうもこの作品の要塞は地球もガルベストンも動力室を破壊しない限り陥落しないのがお約束のようです。そしてついに安芸たちは動力室の近くに辿り着きます。 安芸 「この大きな仕掛けと突入してからの方向と距離から判断して、この先に目的の心臓部のある可能性が高い。 何気に安芸が頭良いような気がしますが、何か火の玉みたいな仕掛けと、お約束で後ろから閉じられたドアで彼らは火の玉と鉄扉に阻まれ、通路の一角に閉じ込められます。で、先ほどのルッチーのお言葉。 ルチ 「そう慌てることはない、我々にとってはかすり傷だ。奴らがこれで勢いに乗って突っ込んでくれば、それだけ地獄に近づくのだ。ハッハッハッハ!」 ついでに26話の地獄惑星でのお言葉。 ルチ 「フッ、今度こそこの大作戦で一気に叩き潰してやる。フッフッ、、今に奴らが蟻地獄に落ちたアリのようにもがき苦しむ姿が見られるぞ、、よし、全員第一次作戦行動開始!」 彼が「地獄なんとか」と言った作戦はロクなものだった試しがありませんが、どうもこれ(入口前の火炎放射器)がルチ司令官の秘策だったようです。大決戦の最中に姑息な罠を仕掛けるのがいかにもルッチー。「開けろ!」、ドアを叩いているのは甲斐シノブ、やっぱりハルカ同様山梨県出身なんでしょうか、デブのクウラガーメンバーでカッツ、カラテヤと並ぶ背景メンバーの一人です。まあ、カッツ、カラテヤの無言キャラ二大巨頭に比べると後半ではまだ喋りますが。カッツとカラテヤはここにいるはずですが気配さえ感じさせません。なお、外では地球艦隊とガルベストン艦隊が戦っています。
伊達 「よし! もう一息で敵の艦隊を撃滅できる!」 こちらもルチ司令に勝るとも劣らないトンデモ司令(伊達)ですが、一応たった15人で破壊工作させる理由は考えていたようですね。このように外では艦隊戦が戦われています。ルチ司令官はホントはこっちがメインのはずです。で、ルッチーの策略で火あぶりになっているラガーメンバー。
カラテヤ 「クソッ、、太陽に飲み込まれるみたいだぜ、、」
カラテヤの一言でラガーメンバー1のベビーフェース(20超えだがハルカより背が低い)、多分一番頭がいい陸奥ヤスオが仕掛けの仕組みに気づきます。第1話以外台詞が無いと思われていたカラテヤのまさかの一言がチームを救います、マイナーキャラ2名の夢の競演で危機を脱するラガーチーム、火あぶり装置を粉砕してついに動力室突入です。
ルチ 「ぐううっ! これは何としたことだ! うう! 守備隊は何をしている! 早く奴らを殺せっ!」 爆弾を動力炉に取り付け、ラガーチームは颯爽と脱出していきます。取り外しを防ぐため、爆破までの時間は僅か1分、彼らホントに探査マシンのパイロットでしょうか? 脱出しようとするラガーチームを銃撃する兵士に怒鳴るルッチー。 ルチ 「バカ者! 奴らに構っているヒマはない! 早く爆弾を取り外せ!」 さっき殺せって言ってませんでした? 司令官の厳命にラガーチームを放り出して兵士たちが動力室に駆け込みます。
兵士A 「早くしろ!」 動力室、爆発。
参謀 「司令! 早く脱出を!」 こうしてルッチー司令官は死んでしまったのですが、もうあの姑息な策略や、心が洗われるような身内に優しく外様に厳しい人事管理は見られないと思うと一抹の寂しさが、まあ、この人に司令官やらせていたらガルベストン本星に着く前にガルベストン軍全滅してしまいますからね(隊長戦死10人、含む参謀チャーチ)。しかし、この話はこれで終わらなかった。 伊達 「しまった! 脱出口が塞がれてしまったあっ!」 これがあったんですよ、第32話「前線基地攻略」残り5分でもう一山ドラマがあります。
安芸 「ダメだ! このままじゃ脱出できない!」 先に伊達戦艦の艦長が予測した通り(ドック壊したのもこいつらだが)、彼らは上部のドックを目指します。後ろからは爆発、前方からも爆発、なんだかスターウォーズのデススター破壊のようなスペクタクルです。しかしタッチの差で上ドックのドアも閉まってしまいました。
伊達 「いかん! このままではラガーメンバーも全滅してしまう! 脱出させなくては!」 ルッチーも死んだのに、何やら変なことを始めそうなもう一人の「司令」です。この司令も結構トンデモだったが、相方(ルッチー)が死んだのでやっぱりこっちもか。凱旋モードから一転死亡フラグ立ちまくりの伊達司令官です。「見殺しにはできないっ!」ってあんた、地獄惑星でキリガッスと長門見殺しにしたじゃありませんか。 伊達 「もし私に運命の女神が微笑むようなことがあったら、また会おう。」 伊達のくせに妙に良い人になっていて(ケール司令官は? 護衛なしで進発させたネグレ艦隊は? 萩司令が死んだのもこいつの通信文のせい。索敵しなくてやられた宇宙要塞とかキリガッス事件などなど)、ムダにカッコつけてますが、上官も上官なら部下も部下、艦長が司令官が差し出した手を取らずに要塞を指さします。
艦長 「私の行く先はあそこです!」 残り3分でこういうドラマをやるのがダイラガーのダイラガーたる由縁で、艦長の覚悟を見た「司令」はジーンと目をうるませます。その前に扉をビーム砲で破壊とか手段有りそうな気がするんですが。というわけで、今週の言葉は伊達戦艦の艦長さん。
艦長 「では、至急救出に向かいます! 全速前進!」 とにかく一刻(残り2分)を争いますので伊達戦艦は早々と体当りしてドックの壁を突き破ります。すかさずラガーマシンに脱出を指示する司令。論より証拠、有言実行という感じですね。しかし、あんな長尺物(戦艦)、突き破ったはいいがターンが出来ません。
安芸 「司令!」 鎮座した伊達戦艦を後ろ目にラガーマシンがギュンギュン脱出していきます。ラガーソードで斬るという手もあったと思うが、、何も旗艦が突っ込まなくても、、で、その旗艦では脱出はもう無理らしいと迫る爆発を見た伊達司令が微笑します。
艦長 「司令、、」 伊達戦艦、爆発。
安芸 「司令ーッ!」 「いったいこんな犠牲をどれだけ出せば、銀河は平和になると言うんだ、、」、山本参謀に続き伊達司令も戦死し、勝ったものの虚しさを感じる安芸マナブとラガーメンバーです。しかし、前線基地は抜いたものの、ガルベストン本星までの道のりは未だ遠い、、 | ||||||
■キャラクター紹介 | ||||||
ラガーメンバーは15体合体のダイラガーにはもちろん15人いるが、数が多すぎるので中にはほとんど紹介されない、喋らないメンバーもいる。特にカイラガーチームはカラテヤとカッツという二大背景キャラ、無台詞キャラの二大巨頭がおり、今回はこの二人を紹介する。むしろ紹介されない事で名前を覚えられているという奇特な二人組である。 第1話以外まとまった台詞があるように見えないカラテヤはカイラガーチーム、カラテヤマシン(左足下)の操縦士である。人柄といっても推測されるような描写は作品に何もないが、32話の前線基地の戦いでは陸奥ヤスオに基地の警備装置突破のヒントを与えた。 バーロスのように字幕で紹介された気配さえ無いカッツはカイラガーチーム、カッツマシン(左足)の操縦士である。字幕で紹介されないので初セリフは第4話「地獄への救助命令」で同じチームの出雲と会話している際に名前が出たくらいである。アップの場面も極端に少なく、上の画像は下の画像の一部である。 15名もいるラガーメンバーはそのまま覚えようとしても覚えることは難しい。レビューを書いている筆者はもちろん全員の名を記憶しているが、その記憶法を紹介しよう。 | ||||||
■今週のバトルマシン(40秒) | ||||||
お子様番組なんかいらねえ!というノリで40秒で片付けられてしまった前線基地マシンだが、次回からはバトルアタッカーが登場するので、バトルマシンとしては最後の機体になる。が、鎌首のように伸びた首と巨大なエンジン、躯体に比較して貧弱な四肢はバトルマシンと言うよりも29話で登場した前バトルマシンの歩行戦車を想起させる。武装もビーム砲のみで、大きさも規格外(ダイラガーの2倍強)、格闘戦をほとんど考慮していない装備、形態からして、おそらく前バトルマシンのガルベストンの宇宙アーマーの改良型と思われる。艦隊戦の最中ダイラガーと揉み合いになり、より小型で小回りの利くダイラガーにラガーソードを突き刺されて爆発する。艦艇搭載のできないこれは当サイトの基準ではバトルマシンではなく、当サイトでは最後のバトルマシンは前話に登場したデュカス1号である。 | ||||||
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