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 機甲艦隊ダイラガーXV(1982) 各話レビュー

 第31話「敵司令部を探せ」

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くそおっ、、デュカスめ! 己の功名心から
この作戦をブチ壊しにしおって!

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アステロイド
 ガルベストン前線基地の前方に拡がる遊星帯、ただの遊星帯ではなく高重力、高磁力、高密度の危険な空間である。

あらすじ

 デュカス隊の地球攻撃に衝撃を受けた戦艦ラガーガードと連合艦隊のクルーたち、決戦を目前に控え、前線基地の司令ルチアーノはアステロイドにラガーガードと艦隊を誘い込む作戦を立てる。

見どころ

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安芸 「我らが星、地球を攻撃したガルベストンめ! 今度という今度は絶対に許さんぞ! みんな! 地球の受けた苦痛と怒りを、この大決戦に叩きつけるんだ!」

 いよいよ中盤の大決戦、前線基地攻略ですが、トンデモ司令官ルチアーノ編第7弾は司令官の方も本気で作戦を立ててます。切り札は地球攻撃に成功したデュカス艦隊。

参謀 「地球艦隊はダイラガーを先頭に真っ直ぐこの基地に向かってきております。」
ルチ 「デュカス艦隊はどうしている?」
参謀 「は、現在補給のため全速で帰還中です。但し、敵艦隊との接触を避けるための迂回でいくぶん遅れる見通しです。」
ルチ 「よし、全て作戦通りだ、アステロイドベルトへの配置は?」
参謀 「は、既に機雷設置は終わり、その中にゾルゲル艦隊が待機しております。さらにその後方にはスパート艦隊がおり、迎撃態勢を取り、待ち構えております。」
ルチ 「フフッ、、これでアステロイドベルトは地球艦隊の墓場になる。よし、後はデュカス艦隊の到着を待って、一斉攻撃だ。全軍、戦闘態勢に入れ!」

 アステロイドに誘い込んで袋叩きという計画ですが、司令官、ダイラガーと地球艦隊にやられすぎてもう3個艦隊しか残っていないんですね。前の地球攻撃もこんな感じでしたし、、

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 そもそも地球攻撃と連合艦隊迎撃とに艦隊を二分しないで、最初から全部ぶつけていれば地球艦隊なんかやっつけられたんじゃないですかというツッコミはさておき、地球から戻ってきているデュカス氏はルチ司令官の作戦なんかには従うつもりはないようです。

副官  「デュカス隊長、このまま直進しますと、まともに地球艦隊と遭遇します、航路変更を。」
デュカス 「何を言う、俺たちの前にある邪魔者はその場で叩き潰す、それが戦いというものだ。」
副官 「でも、それでは基地からの命令違反に、、」
デュカス 「小心者よなあ、お前は。戦いは結果だ! 勝てば良いのだ!」
副官 「しかし、我が艦隊の弾薬エネルギーは残り僅かです。このまま戦いますと、、」
デュカス 「黙れ! 我々には初の地球攻撃に成功した輝かしい栄光がある。強力なバトルマシンもある。それだけで十分だ。我々が背後から襲えば、それだけで恐れをなしてアステロイドベルトに逃げ込むだろう。フフフフ、、そこに逃げ込めば、、」

「それだけで恐れをなして、、」、やっぱ先の地球攻撃はテロか、軍事目標をひたすらに避けるデュカス隊の攻撃には前話から疑問を感じていて、なんで銀河警備軍本部を攻撃しないんだろうと思っていましたが、ルチ司令官の作戦は地球を爆撃して地球艦隊の乗員をビビらせることにあったようです。冒頭の安芸を見る限り、逆効果だと思いますがね。そしてデュカスの作戦無視は司令の計画にも影響を及ぼします。

ルチ 「何? デュカス艦隊が攻撃に向かった?」
参謀 「はっ、全速で接近中です。」
ルチ 「バカ者が! すぐ呼び戻せ!」
参謀 「それが、、無線を断ち、連絡が付きません。」
ルチ 「ウグッ、、くそおっ、、勝手なことをしおって!」
参謀 「どうします? デュカス艦隊はほとんどの戦力を地球攻撃で使い切っています。基地防衛艦隊を支援に?」
ルチ 「ならん! そんなことをしたら作戦がガタガタになる。くそおっ、、アステロイドベルトに引き込み戦えば、いとも容易く潰せたものを!」

「策士策に溺れる」、デュカスに作戦を潰され、地団駄踏むルチ司令官を他所に、弾薬不足のデュカス隊はダイラガーと連合艦隊と戦いを始めます。戦いはこんな感じですね。ダイラガーをバトルマシンで絡め取って戦域(画面)外に放り出し、上機嫌のデュカスさんは地球艦隊に突撃です。

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 「やったぞ! そのまま地獄まで連れて行け! さあ、地球艦隊に突入だ! 撃てえっ!」

 威勢は良いのですが、ダイラガー抜きでも彼の艦隊はどんどん撃破されていきます。やっぱフィールド防御ですね、この作品の戦艦は。スター・トレックなんかと同じで(こちらの方が早い)、ある種のバリアーでビームやミサイルを防いでいるので(だからダイラガー胸のパティマシンはいくら啄かれても叩かれても壊れない)、エネルギー不足のデュカス隊では普通は簡単に撃破されない戦艦でも簡単に爆破されてしまうようです。デュカス隊は従来のガルベストン艦隊に比べれば戦艦が多いですが(12隻)、地球側のビームも強化されているようです。普段は滅多にやられないガルベストン戦艦がどんどん沈んでいきます。で、再び前線司令部。

参謀 「デュカス艦隊、苦戦です! このままですと、、」
ルチ 「オオッ、、」
参謀 「ルチアーノ司令!」
ルチ 「仕方がない、、ベルト内のゾルゲル艦隊に支援命令を出せ!」
参謀 「ハッ!」

 デュカス隊の苦戦にルチ司令官はゾルゲル艦隊の出撃を命じます。もう作戦はガタガタですね。そして場面は小惑星に落下したダイラガーに移ります。

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 「良くもやったな! ザリガニの化け物!」、画面外に放り出されたことの怒りか、小惑星の一角でダイラガーとバトルマシンの決闘です。ザリガニの化け物と言われてヒョオオオーッと吹く風が良いですね。時代劇の殺陣みたいです。実は戦闘シーンのアクションに数話前から新曲が使われていまして、これがまたカッコいい。そしてダイラガーが戦っている間、戦艦ラガーガードは40隻のゾルゲル艦隊相手に一歩も引かずに戦います。やっぱパワーアップされていますね。そして地球艦隊も負けてはいません、ザリガニを倒したダイラガーと共同してデュカス艦隊を殲滅します。そして返す刀でゾルゲル艦隊も殲滅、ルチ司令官の作戦計画は完全に瓦解しました。

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「くそおっ、、デュカスめ! 己の功名心からこの作戦をブチ壊しにしおって!」

 そう言いたくなるのも分かりますが、そういうわけで今週の言葉は壮大な作戦をデュカスにブチ壊しにされたルチアーノ司令。司令官の作戦タイムで両軍はしばし小休止、続けてはアステロイドの始末に掛かります。しかしこれが一筋縄で行かない。山本参謀の提案で大型艦を1隻突入させて突破口を作るという作戦ですが、遊星帯には機雷がウジャウジャいます。「不要の乗員は下艦させ、最小限度のクルーで突入します」、本人以外全員下艦とか自動コントロールとかじゃないんですね。立案した当人以外にも犠牲になる人間がいる。この辺キチンと書いている所がこの作品の良いところです。

dairugger「あなたは私たちの要です、もしあなたの身に何かあったら、、」





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 母親からもらったお守りだとペンダントを安芸に渡すハルカがいい感じです。ダイラガーはロボットと男ばかりの物語だと思われがちですが、意外とこういう場面もあるんですね。「ダイラガー! 後は頼んだぞーっ!」、自爆テロみたいな提案をした山本参謀は案の定戦艦ごと爆死しますが、彼の犠牲で前線基地への血路が開かれ、ダイラガーの安芸の前方に探し求めた前線基地の姿が現れます。

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「許さん! 俺はお前たちを絶対に許さん!」

 「どおりゃああああーっ!」、安芸がダイラガーソードを振りかざし、要塞に突撃する所で31話終わり、この話は結構組み立てが細かく、艦隊戦なんかもちゃんと作戦立てて動いていますし、多い時でデュカス艦、前線司令部、ダイラガー、伊達旗艦、ラガーガードと5グループも動いているのでまとめにくかったです。32話で一応の区切りになります。そこでこれまでのレビューをもう一度見直して、またレビューを再開しましょう。

キャラクター紹介

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山本

 銀河警備軍の連合艦隊参謀(隠れタカ)、伊達司令の直属であり、これまでの戦いでも司令を補佐してきたはずだが画面では31話が最初で最後になる。前線基地攻略の時間を稼ぐため、戦艦を盾にして遊星帯に突入する作戦を立案し、自ら戦艦に乗り込んで機雷源に触れて爆死する。彼の犠牲で前線基地への突破口が拓かれた。

今週のバトルマシン(1分35秒)

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武器:ビーム砲4門他多数

 30話で登場し、引き続き31話でダイラガーと対決したデュカス1号はドレイク隊などで発展した艦隊戦用マシン(マシンC、マシンG)の最終発展型でかつそれらの中で最も完成度の高い機体である。すなわち強力なビーム砲4門に加え厚い装甲と高い機動性能を持ち、さらにドールン隊の影響で対バトルマシン戦用の多彩な武器を装備している。

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2足歩行技術も完成されており、機動力と多彩な武器、戦術でダイラガーを苦しめたこの機体こそはバトルマシンの完成形、真のバトルマシンにふさわしい機体である。本機は艦艇搭載のバトルマシンとしては最後の機体であり、以降はバトルアタッカーにモデルチェンジする。デュカス1号は地球攻撃後のアステロイドの戦いで出撃し、ダイラガーと交戦してラガーソードの露と消えた。

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