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 機甲艦隊ダイラガーXV(1982) 各話レビュー

 第26話「地獄惑星の罠」

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フッフッ、、今に奴らが蟻地獄に落ちた
アリのようにもがき苦しむ姿が見られるぞ、、

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地獄惑星
 ガルベストン前線基地への航路の途中にある惑星。地球に似た外見だが、まだ植物が光合成を始めたばかりで大気中の酸素濃度が極めて低い。ガルベストンのミサイル基地があり、ルチアーノがラガーチームを誘い出すために罠を仕掛けた。

あらすじ

 突然ミサイル攻撃を受けた戦艦ラガーガード、探査に向かった惑星で安芸たちは無人の基地を発見する。拍子抜けするほど微弱な抵抗に首を傾げる安芸たち。しかし、それはルチアーノの罠であった。

見どころ

 ある日のガルベストン前線司令部の光景。

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参謀 「地球攻撃、ラフィット艦隊発進しました。なお、地球艦隊との接触を避けるための航路変更で、地球到着は2日の遅れが見込まれます。」
ルチ 「やむを得ん、ラガーガード攻撃、チャーチ艦隊の配置は。」
参謀 「はっ、すでに戦闘準備を整え、迎撃態勢を取っております。」
ルチ 「フッ、今度こそこの大作戦で一気に叩き潰してやる。フッフッ、、今に奴らが蟻地獄に落ちたアリのようにもがき苦しむ姿が見られるぞ、、よし、全員第一次作戦行動開始!」

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 トンデモ司令官ルチアーノ編第2弾、これだけ見ればいつもの悪の軍団の日常風景ですが、今週の言葉はルチアーノ司令。「変だ」と思うのは説明している参謀、実は彼もチャーチである。テレスの参謀でドレイクにお株を奪われたが、ルチアーノ政権でも参謀をやっている。チャーチがチャーチ艦隊の作戦を説明する。これはやっぱり変だ。で、問題の惑星に移り、ラガーガードを迎え撃つチャーチさんの顔を見ると、、

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 スゲー凶悪そうなチャーチさんが画面に映っています。人品骨柄がまるで違い、共通点なんかどこにもないじゃありませんか(顎の形違うし)、他のサイトではかなり強引な解釈をして、「実はズラだろう」と、彼らを同一人物にしていますが、ぜんぜん違う人です。では、「フッフッ、、今に奴らが蟻地獄に落ちたアリのようにもがき苦しむ、、」、企画ルチアーノ、出演チャーチのこの大作戦、新司令ルチアーノのお手並みをとくと拝見しましょう。

 前線基地に向かう途中、長距離ミサイル攻撃を受けた戦艦ラガーガード、ミサイルの発射点を探り、伊勢はラガーチームを発射した惑星に向かわせる。惑星で待ち受けていたチャーチ隊長は無人基地と囮の偵察艦を犠牲にしてラガーチームの油断を誘う。「偵察艦は囮になってもらう」、味方を犠牲にする凶悪な作戦にガルベストン兵士も戦慄しています。何かすげえ悪い奴なのですが、親戚の美形チャーチさん、こんなのが従兄弟では前線基地でも肩身狭いでしょう?

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 で、まんまと騙されたリックラガーチームは地上に誘い出され、あろうことかヘルメットを脱いでしまいます。「酸欠で脳細胞をやられてしまうぞ」、ドクター・サーチの忠言はあったのですが、時すでに遅し、実はこの惑星は植物が植えられて日が浅く、見た目は地球ソックリなのですが大気の酸素が極めて少ない。5話の惑星改良実験を思い出してください。実はそういう惑星の一つだったのかも知れません。地味にやることはやっているテレス時代の前線司令部です。で、ヘルメットを脱いだ彼らなのですが、、

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 「お前らアホか!」、酸欠で地面を這う彼らに画面を指差して叫びたくなりましたが、これがルチアーノ司令の作戦なのでした。ウォルターらは入院、これまでクールなナイスガイと評判の良かったウォルターはこの回で一挙に「アホチーフ」の地位を不動のものにしてしまいました。しかし、何とか帰還できたウォルターらはともかく、人事不省でスイッチも入れられない長門とキリガッスはコクピットの中で倒れてしまいました。

安芸 「ええ! ここの大気は酸素が薄い?」
伊勢 「そうだ! 絶対ヘルメットは取るな! 他のチームにも連絡しろ!」
安芸 「了解、ウォルター! ウォルター! 応答せよ!」
ウォルター  「安芸、、、」
安芸 「うおっ! ウォルター、どうした!」
ウォルター  「基地を探索中、、苦しくなって、、」
安芸 「ヘルメットを脱いだな! この惑星の大気はまだ人間が行動するには適していないんだ。」
ウォルター  「うう、、そうだったのか、、うかつだった、、」

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「地獄作戦開始!」、地上に放置された2台のマシンを中心にラガーガード、地球艦隊までもが誘い出されたことを見たチャーチ隊長は全艦隊に出撃を命じます。ルチアーノの狙いは酸欠惑星でラガーチームを行動不能にして、救助にやって来るラガーガードや地球艦隊を次々と引きずり込んで二重、三重遭難させることにあったようです。作戦は成功し、身動きの取れないラガーチームと艦隊は苦戦を強いられます。

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「ムフフ、どうだ、ジワジワと地獄に落ちていく気分は」、地獄作戦というネーミングといい、酸欠惑星でヘルメットを脱ぐことに期待する作戦といい、視聴者は呆気に取られますが、ルチアーノさんとチャーチさんはご満悦です。「2機のマシンは放棄する!」、ラガーマシンの回収のために地表に釘付けにされ、次々と撃破されていく味方に司令の伊達は伊勢にキリガッスらのマシンの放棄を命じます。しかし、彼らを見殺しにしてしまったらダイラガーにはなれません。包囲された戦艦ラガーガードと地球艦隊はピンチに陥ります。仲間を目覚めさせるため、病室から抜けだしたウォルターたちはある行動に打って出ます、、

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 酸欠惑星はともかく、ラガーチームがヘルメットを脱ぐことに期待する作戦は司令官のやることじゃないだろうとツッコミを入れたくなりますが、トンデモ司令官ルチアーノの作戦はまだまだ続きます。「俺はテレスが一年掛かってできなかったことを短期間でやり遂げてみたいのだ」、こんな司令官のトンデモ作戦の犠牲になる隊長たちが不憫ですが、相手の伊達もかなりのトンデモですので、地球とガルベストンを代表するトンデモ司令官2名がヲチ、いや、智略の限りを競う、地球攻略ドタバタ大作戦はまだまだ始まったばかりです。

キャラクター紹介

 前回のレビューでも少し触れましたが、ガルベストンにはチャーチという名の高級将校は少なくとも3人います。この際ですので三者まとめて説明してしまいましょう。

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禿チャーチ

 地獄惑星で地球艦隊を待ち受けた人相の悪いガルベストンの隊長(タカ)、ラガーチームを誘い込むため部下を見殺しにするなど冷酷残忍な性格。前チャーチ2名とは異なり、ルチアーノが本国から引率してきた隊長と思われる。ルチアーノの計画に従いラガーチームと地球艦隊を追い詰めたが、土壇場でダイラガーに合体され、地球艦隊に反撃されて作戦は失敗する。「我が、、祖国よ」、辞世の彼の言葉は彼は彼なりにガルベストン本星の状況を憂慮していたことを示している。ラガーガードに特攻を仕掛け、ダイラガーのスピンカッターで旗艦を爆破されて戦死する。


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参謀チャーチ

 いちばん最初に登場したチャーチ名の参謀(日和見)、テレスの直属で、風呂上がりのテレスにバラタリアの暴走を報告する。その後しばらく登場しなかったが、ルチアーノの司令部で参謀を務めていることが確認されている。司令官側近という地位からして、前線基地の所属ではなく、ジゴローネらと同じガルベストン本星所属(参謀本部ないし軍令部)の軍人と思われる。他の隊長と立場が異なるため、ルチアーノ時代も司令部参謀を務め、32話の前線基地崩壊に巻き込まれて戦死する。


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美形チャーチ

 テレス麾下のガルベストンの隊長(ハト)で参謀チャーチとは別人、ルチアーノ時代でも司令部に在籍していたがそのうち見なくなる。地球艦隊と交戦したのは惑星Kでのラフィット退却戦のみだが、バラタリアの反乱ではグラモン同様テレス支持を最初に表明した将校の一人。また、テレス主催の数ある作戦会議でも彼の対話路線に異議を唱えなかったのでハト派の将校と見られる。ルチアーノ後も艦隊を率いていたが、その後艦隊も率いなくなり、姿も消してしまうので、ルチアーノにテレス派の将校とみなされて更迭されたものと思われる。しかし隊長としては有能で、惑星Kでの退却戦では優れた手腕を示した。

今週のバトルマシン(2分10秒)

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武器:ビーム砲

 チャーチ隊のバトルマシンは元は宇宙要塞攻撃に使用されたドレイク隊のマシンAである。マシンAは登場したマシンの中で唯一機ダイラガーや地球艦隊に撃破されなかったマシンのため、その行方が注目されていたが、後にルチアーノの司令部でバトルマシン「マービル」のテストに使われていたことが判明し、その後チャーチ隊に支給されたようである。要塞攻撃時にこのレビューで指摘された四脚の脆弱さは多少改良を加えられたようであり、脚も太くなっているが、レビューではマシンAは対要塞用の火力プラットホームで対バトルマシン戦には不向きである(1分で三枚下ろし)と指摘していた。案の定、ダイラガーとの格闘戦ではダイラガーキックやパンチに蹴られ殴られ、実質的な戦闘時間は30秒足らずで、ロクに抵抗らしい抵抗もできないまま、ラガーソードの露と消えた。

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バトルマシン語録

「クハハハハ、、バラバラのお前たちに何ができる。」
(正面からでは勝ち目ないので策を弄さなければいけない所が悲しい)

「よし! 今のうちに奴らのマシンを叩き潰すのだ!」
(酸欠で動けないマシンを襲う姑息さ)

 元々まともに戦える機体ではないため、大して活躍する間もなくラガーソードの露と消えたマシンAだが、実はガルベストンがこのタイプのマシンをダイラガーにぶつけたのはこれが初めてである。ガルベストンは艦隊戦・要塞戦用のマシンと対バトルマシン戦のマシンを使い分けており、艦隊戦用マシンとダイラガーが交戦することはあっても、それはダイラガーが自分から出ていった場合だけで、今回のように正面から戦う場合は必ず対バトルマシン用のマシンをぶつけていた。

dairugger 地獄惑星の戦いで、前線司令部がなぜこんなマシンを対ダイラガー戦が予想されるチャーチ隊に配備したのかは判然としないが、思うにルチアーノの作戦ではラガーチームは酸欠で動けなくなるはずで、残りは艦隊のみとして対要塞戦用のマシンを配備したのかも知れない。近接戦用の武器を欠き、構造も脆弱な機体はダイラガー相手には乗員虐殺用の機体以外の何物でもなく、犠牲になった搭乗員が不憫である。  

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