◇MUDDY WALKERS
機甲艦隊ダイラガーXV(1982) 各話レビュー | ||||||
■第21話「立て、銀河警備軍」 | ||||||
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■あらすじ | ||||||
惑星K基地の壊滅を受け、銀河警備軍本部は動揺する。それまでの戦いを分析し、総司令出羽は全艦隊を宇宙要塞に集結させる。一方、長官若狭はガルベストンの危機を訴えるため、行政府のパーティーに出席していた。 | ||||||
■見どころ | ||||||
戦艦ラガーガードが惑星Kに到着し、基地の壊滅が銀河警備軍本部に報告される。しかし、その地球では行政府が第一警戒態勢の解除を指示していた。行政府の決定に惑星Kの悲劇がいつ地球に降り掛かってくるか分らないと警備軍幹部は不満を露わにする。「結論を出すまでは慎重に、結論を出したら一気に、それが私の主義だ」、主戦派の幹部たちをなだめつつ、出羽は行政府のパーティーに出席する長官若狭にパーティーで警戒解除の再考を呼びかけてもらうことに一縷の望みを託す。
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■キャラクター紹介 | ||||||
それまで「長官」と呼ばれていた若狭長官(ハト)だが、21話で「銀河警備軍長官」と彼の肩書きが明らかになる。銀河警備軍がシビリアン・コントロールの軍隊だということは艦隊の出撃に行政府の許可が必要など、これまでの描写で明らかになっているので、おそらく彼は文官で政権与党の政治家と思われる。その割にはいつも軍服みたいな服(略綬まである)を着て登場しているので誤解を招くが、この文官(首相、大統領)の軍服ルックは80年代の作品では特に珍しくもないものである。ただ、軍人の宇宙軍大臣がおり、統帥権のある三惑星連合は嫌だという向きには彼の服装はスーツに置き換えて視聴することをお勧めする。それでも、この若狭長官の作中での描写は「コマンダー・イン・チーフ」というよりは文官の軍事大臣であるセクレタリーやダイレクターに近いものであり、少なくとも戦前ではないという制作者の見識は感じさせる。 銀河警備軍総司令で、伊勢やアシモフの上官(ハト)、作中では「総司令」と呼ばれている。最初から総司令の上に長官がいるというダイラガーは二人の位置関係を理解するのに少し苦労する。続く作中での描写で「長官」の若狭が司令「長官」でないことは分かってきたので、銀河警備軍の制服組のトップはこの出羽で、自衛隊でいえば統幕議長、米軍なら作戦部長の地位にある軍人である。若狭と異なり自ら指揮を取ることもあり、27話では宇宙要塞でラフィットと対決してこのガルベストン右翼のチート男を葬り、52話ではアシモフの第二連合艦隊に続く、第三連合艦隊を率いてガルベストン本星に向かっている。 若狭が出席したパーティーの出席者たち。一応会場には銀河警備軍のシンボルが掲げられており、話題を見ても行政府の関連だが、国防委員会など国防関係の議員、有力者たちだと思われる。国籍、人種は多様だが、サラ星人、ミラ星人の姿は見られない。その危機感のなさで若狭を呆れさせる。 | ||||||
■今週のバトルマシン(0分) | ||||||
今週もバトルマシン戦はなかったので、スーパーロボ・ダイラガーの驚異の機能をご紹介したい。今回ご紹介するのはリミットワープ機能である。ワープというのは知っての通り超光速飛行のことであるが、前回ガルベストン快速艦を紹介した通り、この意味でのワープならダイラガーも含め、銀河警備軍の諸艦艇もガルベストンも普通にやっている。数日、数時間での恒星間移動はこの作品の宇宙船では標準なのだ。
■量産型ダイラガー 21話では銀河警備軍の科学技術研究所で開発中のマシンとして量産型ダイラガーが登場する。とはいうものの、このメカは最終回まで一台も出ない。理由は21話で出羽が説明している通りで、銀河警備軍が開発したこの機体はとにかく性能が低く、ダイラガーはおろか、ガルベストンのバトルマシンにすら対抗できないような性能機能しかなかったためである。では、同じ地球のメカでありながら、なぜ警備軍開発のマシンはダイラガーより性能が低いのだろうか? その謎に筆者なりに迫ってみたい。
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