◇MUDDY WALKERS
機甲艦隊ダイラガーXV(1982) 各話レビュー | ||||||||||||||
■第16話「二つの反逆」
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■あらすじ | ||||||||||||||
第5惑星で地球軍に敗戦したバラタリアはテレスによる粛清の悪夢にうなされる。一方、ラガーガードと支援艦隊では地球政府が萩艦隊に駐留と基地建設を指示、ガルベストンとの約束を反故にすることになると伊勢らは反発する。そこにドレイクの戦艦が到着し、地球軍に惑星からの退去を勧告する。 | ||||||||||||||
■見どころ | ||||||||||||||
惑星滞在3週間、探査艦ラガーガードのクルーは気まずい雰囲気に包まれていた。艦長アシモフの判断で「機関の点検と修理」の名目で惑星に着水したラガーガードだったが、後に萩艦隊が同惑星で合流し、基地を建設したことでガルベストンとの戦闘が行われ、さらに地球の行政府が彼らに惑星の確保と艦隊の駐留を命じてきたからだ。「それでは我々が言っていたことは、全て嘘になってしまいます」、ガルベストンとの関係悪化を懸念して抗議する伊勢とアシモフだが、司令の萩は「行政府の命令には逆らえない」と彼らを拒絶する。そして地球艦隊の退去を求めに、ドレイクの艦がラガーガードの直前に着水する。
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■キャラクター紹介 | ||||||||||||||
テレス麾下の極右のガルベストンの隊長、初期の前線司令部ではタカ派は故ラッカルを除けば彼しかいなかったが、それは上官テレスが筋金入りの「ハト」のため、ドレイク以外の他の隊長が深層心理を隠しつつ、表面的にはハトないし日和見を装っていたためである。その点、「自分はテレス司令以上にガルベストン帝国に尽くしている」と広言し、毎週打倒ダイラガーを叫んでテレスの顰蹙を買っていたバラタリアは軍人としての職務には忠実な人間だったのかもしれない。そのタカ思想と好戦性が災いし、会議からはつまみ出される、隊長職は剥奪されるなど、テレスに白眼視されていたバラタリアだったが、ドレイクと伊勢との会談をぶち壊すなど相応の仕返しも上官にしている。第5惑星での敗戦による粛清を恐れテレス殺害に動いたが、結局反乱に失敗し、テレスの投降勧告を拒んで自決する。 ガルベストン帝国軍前線基地の警備隊長、いわゆる憲兵隊の将校であり前線基地の治安を統括している。反逆を起こそうとしたバラタリアを捕らえようとして逆に捕らえられる。その後の消息は不明だが、テレス解任以降は全く姿を見せないことから、同時期に解任され、本国に帰国したものと思われる。 | ||||||||||||||
■今週のバトルマシン(0分) | ||||||||||||||
今週もバトルマシン戦はなかったため、ダイラガーの装備を紹介する。ハンドビームは合体したダイラガーの両手に装備されている、いわゆる「手からビーム」で、この種ロボット物ではおなじみのものである。ただ、合体前の右手はキリガッスマシン、左手はチャッカーマシンのため、両マシンのデフォルト武器(ビーム、ミサイル)をそのまま合体後も使っているだけである。そういうことなら、すでにキーツマシン(腹)が合体したまま爆雷を使用した例があるので(ダイラガー爆雷)、劇中には登場しなかったがハンドミサイルも可能だろう。あと、同じく伊豆マシン(右足首)、長門マシン(左足首)はキリガッスらとほぼ同等の装備を持ち、彼ら同様ほとんど変形しないで装着されるため、ダイラガーは設定上は足ビーム、足ミサイルも可能である。ハンドビームは初期の戦いではしばしば用いられたが、ダイラガービーム(目ビーム)同様、後にはほとんど使われなくなる。 | ||||||||||||||
■ガルベストンの銃器 | ||||||||||||||
ガルベストン軍兵士の持つ標準的なアサルトライフル。有機的な造形にマズル付近にガルベストンの国章があしらわれているなど凝った作りで、高価だったらしく、後にガルベストン突撃銃に取って代わられ、王宮警護隊など一部にしか用いられなくなる。 ルチアーノ後に制式採用された新型アサルトライフル。前型のような装飾性は鳴りを潜め、より簡素で実用的なフォルムになっている。性能は前型の方が良さそうだが、大量に生産され全軍に配備された。 反帝国勢力、「コルセール帝に反対する市民のグループ」が独自に調達した小型の突撃銃。ガルベストン突撃銃同様簡素な作りと思われ、サークらにより大量に配布されて帝政打倒のツールとなった。 ガルベストン軍士官の携行する大型の軍用拳銃、普段から携行している様子は見られないため、使用時のみ携行しているものと思われる。フレーム部分にガルベストンの国章が刻印されている。後により簡素で携帯も容易な新型拳銃に取って代わられる。 士官用に後半から採用された中型拳銃。以前の士官用拳銃と比べると簡素な作りが特徴である。この銃や新採用のガルベストン突撃銃はコストダウンのため、ブルーイング処理された金属地肌剥き出しの簡素な作りとなっている。親衛隊長ドランの銃。 ゲリラが用いていた中型拳銃。新型拳銃に類似しているが、さらに簡素な作りで、マズル部分の造形がより角張っている。この銃はテレスの銃。 元王宮警護隊でテレスの副官サークの使う銃、彼女の場合はなぜかゲリラ組織に属した後もゲリラ兵の武器を用いず、新型拳銃(テレスは民生用)にガルベストン突撃銃と制式採用の武器を用いている。これは軍の武器がゲリラに流れていたことと同時に、彼女の属する警護隊の一部がガルベストンの末期に反帝政勢力に合流したことを示唆している。 | ||||||||||||||
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