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 機甲艦隊ダイラガーXV(1982) 各話レビュー

 第10話「宇宙要塞奇襲さる」

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きっと戻ってくるよ、その時にはまた厄介になるさ。

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遺跡惑星(第6惑星)
 ラガーガードの探査予定先にあった可住惑星で一つの月を持つ。環境は地球とほぼ同じで理想的な惑星に見えたが、実は滅び行く星であった。独特の風土病があり、滅亡した先住民族の遺構が発見される。

あらすじ

 探査先の惑星で遺跡を発見したラガーガード、ラフィット艦隊の報告でラガーガードの通信を傍受したテレスはドレイクに地球の宇宙要塞攻撃を命令する。一方、遺跡を調査していたラガーチームのチャッカーは謎の熱病に罹患する。

見どころ

dairugger 惑星の地表に古代都市が発見され、初の知的生命体の存在可能惑星に沸くラガーガード、だが、地球以上に可住惑星を血眼になって探しているガルベストンがその発見を見逃すはずがなかった。ラガーガードから半歩遅れて到着したラフィットの艦隊から都市の報告を受けたテレスは有用な惑星と判断、さらなる地球側の増援を防ぐため、支援艦隊が集結している宇宙要塞攻撃をドレイクに命じる。しかし、惑星の遺構を調査したラガーチームは都市の廃墟に疑問を抱く。この星の住人はどこに行ったのか? 調査の中、リックラガーチームのチャッカーが突然錯乱し、ラガーマシンを遺跡に衝突させる。

 前回壊滅したサラ星・ミラ星艦隊の悲劇を受け、ようやく行政府から地球艦隊の出動許可が降り、警備軍本部は安堵する。しかし、それも束の間のことだった。妨害衛星で地球との通信を遮断したドレイクが要塞を急襲し、停泊中の艦隊を次々と撃破したのだ。バトルマシンの攻撃も加わり、この攻撃で地球艦隊はほぼ壊滅する。そしてラガーガードを監視していたラフィットの艦隊もバトルマシンを出撃させ、チャッカーの人事不省によるダイラガー合体不能も加わり、孤立無援のラガーガードは危地に陥る。

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「きっと戻ってくるよ、その時にはまた厄介になるさ。」

 今週の一言はマック・チャッカー、ラガーチームの中でも体育会系のリックラガーチームは隊長のウォルター(アメリカ人)を初めとして探査隊にしては粗忽者が多いが(疫病に掛かるとか、酸素のない惑星でヘルメットを脱いで酸欠に苦しむとかいうのは大抵このチームである)、突然錯乱したチャッカーは故郷のインディアン洞穴に似た洞穴でウィルスの宿主であるコウモリに襲われたのだ。キリガッスからその事情を聞いたドクター・サーチはチャッカーの不用意さに呆れつつ、特製ワクチンを彼に投与する。驚異的な回復力で意識を取り戻したチャッカーは病身を押してラガーマシンに乗り込み、合体したダイラガーはラフィットのバトルマシンを倒す。上の言葉はベッドから起き上がる際に彼が看護婦に掛けた言葉。

 視聴者には名前も覚えてもらえないクルーでも15人揃わないとダイラガーは強さを発揮できない。ポビーの商品戦略がもたらしたこのロボの欠点だが、本作ではこの欠点が意外と生かされていて、後には首の欠けたダイラガー、手足の欠けたダイラガーがバトルマシンと戦う回がある。ラガーチームはチームワークで敵と戦うのである。

キャラクター紹介

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マック・チャッカー(CV銀河万丈)

 リックラガーチーム、チャッカーマシン(左前腕)のパイロット、マナブやキーツ以外のその他大勢パイロットの一人であるが、黒人のカラテヤと並ぶ少数民族出身、ネイティブ・アメリカンの操縦士である。大柄な体に愛嬌のある言動でチームのムードメーカーとなっている。ダイラガーは合体時でも個々のパイロットの操縦装置は使えるので主操縦士のマナブが操縦不能の時にチャッカーが左腕を操作して岩を掴み、落下する機体を救ったこともある。。

今週のバトルマシン(マシンA:宇宙要塞、マシンB:2分0秒)

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マシンA 武器:三連装ビーム

 マシンAはドレイク隊の6番目のバトルマシンで宇宙要塞攻撃に活躍した。毎週ダイラガーに撃破されているのでガルベストンのバトルマシンはどれも同じに見えるが、実は攻撃用途ごとに仕様が違い、マシンAは堅牢な宇宙要塞と対艦攻撃に合わせてビーム砲座のプラットフォームに特化したマシンである。火力第一主義、大口径の三連ビーム砲はガルベストンのマシンには今までありそうでなかった装備であり、強力な砲撃力で要塞と地球艦隊を壊滅に追いやった。しかし、ボディの割に四肢が貧弱なため、ダイラガーと交戦すれば1分で三枚下ろしであろう。劇中でもこの4本足は砲座を支える以外には役に立っていない。

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マシンB 武器:二連装ビーム、4本指キャノン

 マシンBは探査艦隊ラフィット隊のバトルマシンである。外見は革新的マシンだったゲドに似ているが、戦いぶりを見るとむしろバルカム3以下惑星開発マシンの集大成といった機体である。バルカム3同様180度回転する上体を持ち、三本の長い足にキャノン砲付きの強力な二本の腕を持っている。火力は一見強力そうに見えるが安芸マナブを一撃で昏倒させたゲドのような強力なビームは搭載されていない。ビーム出力の低さはバルカム系の特徴である。目のように見える部分は単なる操縦席のカバーである。動きも鈍く、姿勢を制御するのにいちいち補助ロケットを点火しており、重い機体であることが伺える。電気ショック機能とバルカム3同様の挟みこみ(カニバサミ)機能を持つ多機能な4本指キャノンのテクノロジーだけは一級品だが、土建機型バトルマシンにこれ以上進歩の余地が無いことを達観させる機体になった。交戦開始後1分30秒でダイラガーに手足を切断されて胴体を三枚下ろしにされ、ラガーソードの露と消える。傾向の違うマシンが交互に現れることから、おそらくガルベストンの設計局は土建メカ派と戦闘メカ派の二派に分かれているのだろう。

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