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 機甲艦隊ダイラガーXV(1982) 各話レビュー

 第8話「二連星の亡霊」

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あっちが先にダメになったんだ。そして向こうが死ぬ時
こっちも同じ運命を辿っていく、
それが二連星の自然の掟だ。

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謎の二連星
 ラガーガードが航路途上で発見した二重惑星、地球とほぼ同じ大きさだが一方は地球同様の青い星で、もう一方は赤錆びた死の星である。強力な腐食バクテリアに侵され、両星ともいずれ滅び行く運命である。

あらすじ

 次の恒星系に向かう航路上で偶然二重惑星を発見したラガーガード、大発見に沸くクルーたちだが、同時に謎の亡霊艦隊に遭遇する。一方ガルベストンではテレスが対ラガーガードの恐るべき作戦を立案していた。

見どころ

 久々のテレス直接指揮の回、彼の立てる作戦は3話の光子ミサイルといい、いつも心底恐ろしいものなのだが、「ケガの功名」で先に惑星に到着したローラン艦隊を亡霊艦隊に仕立て上げ、彼はラガーガードを二連星の一つ、青い星に着水させる。実はこの星には腐食バクテリアが生息しており、船の鋼板を食い破ってしまうのだ。一方、ラガーチームは二手に別れて惑星の探査を開始する。死の星である赤い星と豊かな自然のある青い星、双方の探査結果を見たドクター・サーチは安芸たちに彼らがいる青い星の運命を予言する。

「あっちが先にダメになったんだ。そして向こうが死ぬ時こっちも同じ運命を辿っていく、それが二連星の自然の掟だ。」

 原因は分からないが、一見美しい青い星も赤い星と同じ運命を辿るはずだ。その後もサーチは試料の分析を続けるが、ガルベストンは彼らに状況を理解する時間を与えなかった。テレスの命令を受けたドレイク艦隊が上空を封鎖し、先に着水して腐食バクテリアに侵されていたローラン艦隊も亡霊の仮面を脱ぎ捨ててラガーガードに迫る。そして戦闘の最中、ドクターの分析結果が艦橋に届けられる。

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「ローラン隊長、我々は地球探査隊の艦を頭から抑えこむ。ローラン隊長、君の艦隊は、もう捨てても惜しくはないだろう。もう一度海へ入り、奴らを入江に封じ込めてくれ。」

 着水を続ければ艦はバクテリアに侵され、上昇すれば艦隊に撃ち落される。「ローラン、君の艦隊はもう捨てても良いだろう」、亡霊艦隊を演じる隊長に会心の笑みを浮かべるドレイク。惑星の入江に閉じ込められたラガーガードに赤錆びたローラン艦隊が捨て身の攻撃を開始する。起死回生の策として伊勢はダイラガーの出撃を命じ、ドレイクもバトルマシン・ゲドを出撃させる。辛うじてゲドを屠り、ダイラガーミラクルパワーで惑星から脱出したラガーガードだったが、艦は鉄喰い虫に侵されていた。「ここまで痛めつけておけば、奴らは鉄喰い虫でボロボロになりましょう」、ドレイクの副官ロシェは敵艦は逃したが作戦の目的は達したと上官に報告する。彼らの上に立つテレスの本当の狙いは戦闘の勝利ではなく、地球側の探査活動を頓挫させることだったのだ。追手は逃れたが、大気圏外に離脱したはずの艦の鋼板が次々と腐食して剥げ落ちていく。「ラガーガードを亡霊艦にしてはならない」、艦長アシモフは全乗員にラガーガードの大掃除を命令する。

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 作話の前提として、この人物はああいう感じ、あの人物はこんな人という基本設定は話を書く人には頭に入っていると思うが、キーマンであるテレスについてはやはり他の将星とは別格という意識なのだろう。前回は惑星一つ、今回は艦隊一つを犠牲にしてラガーガードを死地に追い詰めた彼だが、こんな犠牲で地球の銀河進出を排除できるなら安いものである。司令官として大局を見ている彼にとって一戦場の勝敗は重要なことではない。後に地球との和平を主張し、平和主義者に転向するテレス氏だが、地球側と相対している時の作戦はどれも容赦なく凄みのあるものである。両軍中で最も優秀な将星がハト派であることは、戦中世代も多いこの作品の制作者には別に不思議なことではないだろう。真の武人は戦いの狂気と恐ろしさを知っているのだ。

キャラクター紹介

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ディック・アシモフ (CV矢田耕司)

 初代ラガーガード艦長、伊勢の上官でラガーガード計画に従い銀河の諸惑星の探査の任に就いている。一見ハトだが実は隠れタカ派。銀河警備軍には副長の伊勢を初めハト派の将校が多く、アシモフのようなタカ派はごく少ないため、日常は伊勢に合わせてハト艦長を装っている。同じ隠れタカ派には要塞司令の伊達がいる。2話にしてラガーガードを敵艦隊に特攻させるなど探査艦を危険に晒す過激な戦術指揮を行うが、なぜこんな危ない艦長が探査艦の指揮官に選ばれたのかは不思議である。5話でもドレイク艦に突撃を目論み、今話でもローラン艦隊の艦にラガーガードをぶつけて強行突破している。17話以降は艦長の座を伊勢に譲り、出羽総司令の参謀として上官にタカ思想を吹き込む。参謀時代の特技はビデオ編集で、ラガーガードから送られた映像を編集してドキュメンタリーを制作し、警備軍で反ガルベストンの教化活動を行う。このアシモフビデオは長官若狭の判断にも影響を与えた。33話で新連合艦隊の司令として再登場し、ガルベストン撃滅に活躍する。


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ローラン

 ガルベストン帝国軍、テレス麾下のローラン艦隊の隊長(ハト)、探査活動中に二連星の鉄喰いバクテリアに艦隊を侵され、そのほぼ全艦を失う。しかし、錆朽ちた艦隊を逆用したテレスの作戦で朽ちた戦艦に乗ったまま、探査艦ラガーガードを二連星に誘い込む作戦に従事する。艦隊を失ったため、以降の活躍場面はないが、その後もテレスに用いられており、バラタリアの反乱や再起用されたテレスの探査基地に在職している姿が見られる。

今週のバトルマシン(1分45秒)

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武器:リング状ビーム、6連ビーム

 ドレイク隊のバトルマシン第5号「ゲド」は、超合金の売れ行き好調から番組の制作予算が潤沢になったため、透過光をふんだんに使った洗練されたルックスのバトルマシンである。特徴は肩の2枚のフレームに2本づつ生えている4本の腕である。4本足のバトルマシンは従来にもあったが、ゲドは2本足で腕が4本という異形のマシンである。4本の腕の動きも、ただ付いているだけだった従来のマシンに比べ、空中から飛びついてラガーガードの艦首にしがみつく、砲座を叩き潰す、落下した際に受け身を取るなど、飛躍的に器用で精密な動きが可能になっている。中央の目に当たる部分からはリング状のビームを放射し、さらに強力な6連装の電撃ビームはダイラガーを一時戦闘不能に追い込んだ。

 最近は1分以下で撃破されることの多かったガルベストンのバトルマシンにおいて、1分以上(1分15秒)もダイラガーを向こうに廻して戦うなど、全般的に戦闘メカとして完成度の高かったゲドだが、弱点は腕が分散したために個々の腕力が弱く、剣やカニバサミなど近接戦闘用の兵器が無かったことであり、その弱点を付いたラガーソードの刺突で爆散して撃破された。バトルマシンとしては画期的なモデルであったが、その革新性が後のモデルに引き継がれることはなかった。後の機体では再び強力な腕とハサミ、ハンマーの装備が行われている。早すぎた戦闘マシン、真のロボット兵器であったゲドの長所を生かした戦闘メカは後のバトルアタッカーの登場まで待たなければならなかった。

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