MUDDY WALKERS 

An another tale of Z

 ATZ用語集

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シェリー酒

 スペイン・アンダルシア地方のヘレスという町の周辺で作られる白ワインの一種で、「シェリー」はヘレスの英語読み。白ワインを醸造する工程でブランデーを添加してアルコール分を高めるのが特徴で、ぶどうが発酵している途中でブランデーを加えると発酵が止まってぶどうの糖分が分解されずに残るため甘口に、発酵が終わってからブランデーを加えると辛口になるという。宇宙世紀時代の現在もスペインのヘレスと、ヘレスからの移民が入植したというサイド4の1コロニーのみでしか生産されていないため、希少な高級品となっている。

ジオニズム

「ガンダム」シリーズの本格SF性をアッピールするために大学生が考えた架空の思想。人類は宇宙に住もうというコントリズムと地球は聖地というエレズムの二つからなる。後に制作者自身が本気で信じるようになった。本作品ではほとんど取り合っていない。(小林)

ジオン公国

 サイド3にある主権国家で、1362基のスペースコロニーからなる。首都星はズム・シチ。前身はムンゾ自治共和国で、ジオン・ダイクンらの起こした独立運動によってジオン共和国へ、そしてジオンの死後は貴族主義を導入して公王制へ国家体制を変え、ザビ家を中心とした専制政治が行われるようになる。0079〜0080年の一年戦争を経て独立。しかし公王のデギン・サビをはじめ国家の中枢を占めていたザビ家の面々は一年戦争で戦死、または謀殺されたため、戦後はまだ幼かったミネバ・ザビが皇位を継承。デギン・ザビの妹カタリナの夫で首相であるマハラジャ・カーンが実権を握っている。高度な工業技術力を持ち、一年戦争時には新兵器「モビルスーツ」を開発。また戦前から外惑星にも進出しており、ヘリウム3の安定供給のため、木星圏にも艦隊を派遣していた。
 金モールを多用した豪奢な軍服に見られるように、貴族的で権威主義的な文化が特徴。経済は統制的で、言論・出版の自由も強い規制を受けているために、民主主義国家である地球連邦や自由コロニー同盟とは、生活文化や国民の気質にも大きく異なる部分がある。

ジオン正常化同盟

 一年戦争後、ジオン公国の公王ミネバの下で実権を掌握したマハラジャ・カーン首相に反発する軍人や高官によって組織された秘密結社で、古き良きジオン公国への回帰を標榜する。その黒幕にはハマーンの元婚約者、マチアス・フォン・フリッツがおり、ハマーンの皇位継承後、2回にわたってクーデターを起こした。

ジオン陸軍

 ジオン公国軍の一つで地上戦を担当するジオンの軍隊、一年戦争での花形は宇宙艦隊で、突撃機動軍や宇宙攻撃軍を擁したが、陸軍もこれに対抗して突撃地上軍や地球攻撃軍といった軍団を擁している。オデッサの戦いで双方とも壊滅し、戦後は災害救助などに活躍する以外はジオン軍の中でも地味な存在に甘んじている。本作ではコルプ将軍のほか、シン・マツナガ、ジョニー・ライデン、ゴットン・ゴー、エギーユ・デラーズなどが主要な陸軍将校である。

GM

「機動戦士ガンダム」に登場する地球連邦軍の量産型モビルスーツ、番組のタイトルであり最強のモビルスーツである「ガンダム」はこのプロトタイプ(試作品)と位置づけられることが多い。通常、簡素な構造にあれこれ計測機器を満載した「試作品」はクルマでも電気洗濯機でもその性能は量産機に劣るものだが、この機体の場合は同じ家電ルックでもプロトタイプのガンダムより遥かに弱い機体として登場し、ザクと並ぶいわゆる「雑魚メカ」の双璧となった。(小林)

シャア専用

 番組でシャアがいつも赤い(専用機と思われる)機体に乗っていたため、「全てカスタム品を纏う男」というファンの妄想が一人歩きした言葉。この言葉は放映30年後の現在でも神通力を持ち、ジャンバーや背広に「シャア専用」というシールを貼り、サイトのロゴを書き換えるだけでアニメについて何も知らなくてもヲタクとして公認される魔法のフレーズ。(小林)

自由コロニー同盟

 サイド5にある主権国家で、1624基のスペースコロニーからなる。首都星は「オルドリン」。一年戦争後にサイド5に建国された多数の独立国家が25の市国に統合され、その連邦体として成立した。戦後に勃興した新興国の一つであり、サイド5時代から培われた屈指の工業力を背景に、ジオン公国に次ぐスペースコロニー国家として頭角を現しつつある。ヘリウム3精製施設を持つことから木星圏にも進出。ガニメデにデルタ基地を建設し、派遣艦隊を駐留させている。初代首相はドン・ギラス。ジオン公国とは対照的な民主主義国家であり、国籍にかかわらず優秀な人材は重要ポストに登用するなど、自由で開放的な国家運営がなされている。そうしたことから、戦後地球連邦やジオン公国を離れて同盟に流れて来た者も数多い。主人公のマシュマー・セロもそうしたうちの一人である。0096年に統一条約が発効し、ソロモン共和国に名称を変更した。

修正

 一般的には、間違ったところや、良くないところを改めることを言うが、ガンダム世界では、人の考えや性格を自分が正しいと思う方向に変えることを言う。 手段はもっぱら、殴る、蹴るなどの暴行を加えることによる。「そんな大人、修正してやる!」とクワトロがカミーユに殴り飛ばされるシーンは「Zガンダム」 の代表的な迷場面である。主に反連邦政府組織エウーゴで使われた。ある意味では、エウーゴ自体がそのような組織であった。もちろん、本作では一般的な意味 でしか使われていない。

ジュピトリス

 Zガンダムに登場する全長二千メートルの超大型輸送船。木星まで数年掛けて航海し、ヘリウム3を運んで地球に戻ってくる。船長はパフテマス・シロッコ。 Z映画版では内部に万人規模の小都市を持つとされるが、船橋と発着デッキ以外その内部が明らかにされたことはない。本作では「宇宙ステーション」に分類され、直接航路としては通常より1ヶ月遅い3ヶ月で木星まで航海する移動する資源採掘ステーションとして描かれた。(小林)

食人植物(クロスボーン)

 クロスボーン・バンガードによって開発されたバイオ兵器。夜行性で暗闇の中を襲いかかり、蔓を延ばして人間だけでなく装甲車やモビルスーツまで襲い行動不能に陥らせることから、サイド2の首都星アルカスルではクロスボーンのモビルファイター以上に恐れられている。元々はガイア科学省が外惑星開発に必要な水と酸素の供給源として開発した巨大サボテン「ランタン」という有用植物だった。

照準器・リニアシート

 初代ガンダムのビームライフルの照準器はスターウォーズのXウィング戦闘機に似た眼鏡状の四角い箱が操縦席脇からせり出すものだったが、Zガンダム以降 は全天球モニタ(リニア・シート)に照準サイトが投影され、全方向への射撃が可能な方式になっている。リニア・シートを採用しない本作ではいわゆるヘッド アップディスプレイであり、射角は前方に左右30度程度に絞られている。理由は、速度が向上するにつれ、人間の視野角は狭くなり、方向変更の加速度も大きくなるため、仮に真横に照準サイトを投影できても、実用上はほとんど意味がないものだからである。

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