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機動戦士Zガンダム第29話「サイド2の危機」鈴木裕美子

あらすじ
 エウーゴに対する見せしめのため、サイド2に毒ガス攻撃を仕掛けるティターンズ、阻止に出たカミーユとアーガマは戦場でジェリドと相まみえるが、水面下ではサイド2市長がティターンズへの裏切りを画策するのだった。

Aパート:ティターンズ毒ガス作戦
Bパート:サイド2の戦い

サイド2への毒ガス攻撃、
すごい大作戦を簡単に決める人たち

 また無意味に残酷な話、「コロニーを一基落とせばエウーゴは降伏する」というわけのわからない前提のもと(あのエウーゴがそんなことで手を上げるわけないだろう)、アレキサンドリアのガディ艦長はサイド2コロニーへのG3ガス攻撃を敢行する。しかし、これほどの大量殺戮、一軍人が勝手に決めて良いことか?

 攻撃を受けるサイド2側ではヤクザを連れたガラの悪い市長がティターンズへの降伏を画策する。しかし、ガディはこれを黙殺するのであった。そして、コロニーにガスボンベを背負ったハイザックが着地したとき、Zガンダムが駆けつけてガブスレイとの戦いになる。しかし、ジェリドはこの甲虫みたいなカッコ悪い機体にいつまで乗っている気なのだろうか。次回でマウアーが死ぬのでその際に乗り換え時となるのだが。





カオルのひとこと:前話で撃たれたかに見えたヤザンが普通に出てきていたので、ちょっとびっくり。コロニーに毒ガスを注入して落とすという驚くべき作戦が、例によって有志数名という感じで決定され敢行されます。標的にされたサイド2の市長はいい迷惑ですが、25話でコロニー落としの標的になったエウーゴ本拠地グラナダ市長とは違い、ティターンズに降伏しようとする市長は腹黒い人物に描かれています。

 前々回でシャアが連れてきた二人の幼児、シンタとクム、さっそくファに懐いているが、構図こそ前作のホワイトベースに酷似しているものの、ファーストのホワイトベースは難民避難船であった。好むと好まざるとに関わらず女子供を乗せて航海せざるを得なかったのであり、カツ、レツ、キッカはこの二人とは事情が違う。彼らは無邪気だが、主としてスポンサーの都合による戦闘艦への幼児乗船はこの作品の殺伐とした世界では非人道性すら漂い、見ていて薄ら寒さを感じる。

カオルのひとこと:コロニー落としを阻止しようとサイド2に駆けつけるアーガマとラーディッシュ。ガス注入隊率いるジェリドは結局作戦そっちのけでカミーユと一騎打ち。ここまできても第1クールと同じパターンでもう飽き飽き。大量殺戮必殺コロニー落としも、すでにパターン化されそうで怖いです。

いまだに見えない、大戦争の構図
 それにしても、いつまで経っても見えないのがこの作品におけるこの大戦争の構図である。宇宙に住むスペースノイドと地球人のアースノイドという人類社会を二分しての大抗争なら、それは相応の戦いであるはずだし、戦いのための大義があって良いはずである。しかし、エウーゴ、ティターンズ双方共に何を目的に戦っているのか分からず、また、全体像も説明されない。結局ラストまで語られないのであるが、ポスト冷戦後の世界を描いたとされるこの作品、事象の解釈がことごとく見当はずれで的外れで、こと現在に至っては滑稽さすら感じると思うのは筆者だけだろうか。

 結局、Zガンダムの活躍でコロニーへの毒ガス攻撃は阻止されるが、同様のコロニー殺戮はコロニーレーザーを使った別の戦いで行われることになる。しかし、宇宙を恐怖を用いて支配するというのがティターンズの目的ならば、もっと利口なやり方は他にもあっただろう。
(レビュー:小林昭人)

カオルのひとこと:ジェリドがカミーユと毎度おなじみの死闘を繰り広げている間に、悟りを開いたのか妙に聞き分けの良いカツが、G3ガスのタンクを爆破して一件落着。ティターンズのコロニー落としは、またもエウーゴの手で阻止されたのでした。めでたし、めでたし。というわけで、最後にめちゃくちゃ場違いのクワトロの連れ子、クムとシンタを絡めたファのお色気シーンが登場。観ていると精神的バランスが狂ってしまいそうです。というのもティターンズに降伏しようとしたサイド2の市長がドス黒かったから。でも、市民の命を守るため、ティターンズに降伏することはそんなに悪いことだったのか? となんだかもやもやしたものが残るお話しだったからです。

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評点
 無駄に凶悪な作戦に辟易(小林)
 無理矢理悪者にされた市長と、存在価値の不明な子供二人が不憫でならない(飛田)


関連レビュー「ZZ第29話 ルーの逃亡」脚本:鎌田秀美

あらすじ
 妹リィナの死で落ち込むジュドー、グレミーはハマーンにカラバ討伐を命じられ、手下オーギュストのドライセンが出動する。一方ビーチャはルーを盾にして百式でバウを撃破する。ジュドーはルーの逃亡で元に戻る。

Aパート:移動する戦艦アーガマ、オーギュスト団出動
Bパート:ルーの逃亡、グレミー撃破される

コメント
 このドライセン三連星(トライスター)はUCのアレだなと思わせるオーギュスト隊、この江戸川賞作家はどこまで人のアイディアをパクれば気が済むのだろう(>福井晴敏)。隊長の声がガディ艦長なので艦長が死んだ気がしないのはこの番組ではいつものことである。百式が名前付きの敵を倒したのは多分これが初めてのはずだが、とりあえずビーチャはルーのコアファイターを盾にして百式でグレミーを倒す。それにしてもオーギュストのドライセン隊、無関係の街を襲ってガンダムを誘い出すとか、しょうもない悪を繰り返しているが、お子様向け悪の組織とはこんなもんである。それにしてもルー・ルカは冷たい。彼女に砂漠に置き去りにされたグレミーは砂漠を徒歩縦断である(これもあったな>UC)。まったくZZを見ていると「ガンダムUC」は見なくて良い作品である(こっちの方が良く出来ている)。福井がリメイクと称して抹殺しようとした理由も分かる。 (レビュー:小林昭人)

評点
★★★  シリーズ自体の中だるみパートに入りつつあるが、話は見られる話。


関連レビュー「ガンダムAGE第 29話 じいちゃんのガンダム」脚本:日野晃博

あらすじ
 ヴェイガン要塞による地球侵攻阻止から10年後、アセムとロマリーの間に息子キオが生まれる。それから13年後。再びヴェイガンは動きだし、イゼルカントは地球侵攻作戦の開始を宣言。キオは、目前に現われたヴェイガンのモビルスーツを前に、行方不明の父アセムの遺品であるエイジデバイスを握りしめる。そのときフリットがマシンとともに現われ、彼にガンダムの使い方を教えるのだった。

Aパート:キオ誕生、ヴェイガンの地球侵攻作戦開始
Bパート:フリット登場、キオを指導しガンダムを始動

コメント
「また振り出しに戻るのか」。それがこの1話を観た率直な感想である。前話から10年後、アセムとロマリーに息子キオが誕生する。アセムは生まれて間もないキオを病室に見舞ったあと仕事に出かける。恐らく、それきり帰らぬ人になったのだろうが、代替わりするとはいえあまりにぞんさいな扱いに驚いてしまう。そして画面に映るのは、見慣れない新主人公とその友達、というわけでまた一から、見る側も人の顔や名前や立場を憶えなくてはならなくなる。
 そんなわけで、キオという少年がどういう人間なのかも分からないうちにヴェイガンのモビルスーツが現われ、戦闘になる。迎撃する連邦軍の兵士たちも、そろいもそろって知らない人物ばかりで、ただ呆然と見るしかない。地球周辺に出現したヴェイガンの艦隊はビッグリングをビーム兵器の一撃で粉砕し、地上にモビルスーツが襲来する。やすやすとモビルスーツが地上に降りて来られるのは、前回の要塞落下の際にカプセルで地上にばらまかれ潜伏していたヴェイガンが活動を始めたということだろうと思うのだが、明確にそれをあらわす描写や説明がないので、観ている側が勝手に推測するほかない。
 前半はこうしてヴェイガンの攻撃が始まり、少年キオが何かを感じて動き出す。後半はキオ祖父のフリットが登場してキオにガンダム操縦指導をする話でほぼ終わる。パーツで運ばれてきたガンダムのそれぞれのパーツに、キオ、フリットが搭乗してドッキングさせ、ガンダムAGE3の完成〜!となるわけだが、正直いってそうなることは予定調和のごとく分かっているのだから、観ていてもだらだらとしていて全然面白くない。ちなみにキオが、はじめてでもガンダムを難なく操縦できたのは、フリット爺がそうとは知らせないまま、「ゲームとして」シミュレータを与えて遊ばせていたからだそうである。
「これもゲームでやったことがある!」意気揚々とキオは声を上げる。作者がこの1話を通して伝えたかったのは、どうもそういうことのようである。

評点
 三代目登場だが時間の流れと状況の変化がうまく説明されず、何の感慨も湧かない


その他のZレビュー
「機動戦士Zガンダム回顧録」 Z第29話レビュー
「パラレルユニヴァース」 Z第29話レビュー


関連リンク
An another tale of Z 第31話紹介
An another tale of Z 第31話「遠い記憶」(本編)
An another tale of Z 第32話紹介
An another tale of Z 第32話「アガスタの魔女」(本編)

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