MUDDY WALKERS 

An another tale of Z

 Zガンダム 比較レビュー →ZZレビュー →ガンダムAGEレビュー
 →ヤマト2199レビューGのレコンギスタレビュー

機動戦士Zガンダム第23話「ムーン・アタック」鈴木裕美子

あらすじ
 月にある宇宙の重要拠点フォン・ブラウン市、連邦政府総会の前にここを奪取しようとティターンズが攻撃を開始する。エウーゴは戦艦ラーディッシュが戦列に参加し、ティターンズ側はジオン共和国軍がZガンダムに戦いを挑む、双方が交戦する中、シロッコはドゴス・ギアを月に降下させる。

Aパート:ティターンズ集結、アポロ作戦開始
Bパート:フォン・ブラウン攻撃

    ホント、この人(富野)戦争ドラマが下手だわ、と、思わせるのがこのフォン・ブラウン攻略作戦。事前に何の前振りもなく、作戦会議もなく、いきなり現れた大部隊同士の戦いが始まるが、見せようによってはかなり面白い戦いのはずがこの小物感は何だろう。

大作戦には見えない「アポロ作戦」
 理由の一つが、これは他の回にも共通するが、作戦に参加する兵士たちの表情がほとんど描かれないことにある。実はこの戦い、Ζガンダムはジオン軍と戦っていて、これらはムサイとかチベとかザク(ハイザック)とか、かつての公国臭満載の美味しそうな敵なのだが、画面であのジオン軍の制服や将校が一つも描かれないだけに、実は結構善戦しているのだが、これがティターンズ艦隊に見えてしまうのだ。
 少しはあったブリーフィングにしても、同席しているのはいつものパイロットたちで、これがジャブロー作戦に匹敵する大作戦の光景にはとても見えない。そして、この回で特に強調したかったのが、ジオン軍、ティターンズ、百式、そしてZガンダムを囮に使いながら、自らは悠々と都市を占拠するシロッコの狡猾さなのであるが、これは事前に意図を開陳してもそんなに問題なかったんじゃないかと思えるほどつまらない狡猾さである。

カオルのひとこと:どうやらティターンズは月の都市フォンブラウンを侵攻する「アポロ作戦」を実施するようです。ティターンズ艦隊が集結しているのを察したエウーゴも動いています。冒頭でそうと伺わせる会話が少しあって、メインはなぜかアーガマの個室を掃除するカミーユとエマの会話。作戦前に身ぎれいにしておきたい心境なのでしょうが、そもそも大作戦が目前だということが良くわからないので、この場面も単なる日常の一場面に見えてしまいます。そうこうしているうちに、ティターンズはフォン・ブラウン攻撃を開始。アーガマでは、レコアとファでメタスのシート争いが繰り広げられ、これに勝ったファが初出撃です。

作り手と視聴者の間の
深くて暗い溝は埋まらない

  カミーユが今まで殺した敵兵のために仏壇を作って祀っていることが分かるのもこの回なのだが、ひょっとしたら死んでしまうかもしれないという大作戦に参加しているにしては緊迫感に欠ける(一応、スタッフの認識ではそうだろう)。そもそも戦艦アーガマは登場以来一度もフォン・ブラウン市に寄らなかったから、そんなに重要拠点だとはナレーターに説明されるまで分からなかった。

 リックディアスの在庫が尽きたので、今度は百式が出撃するたびに壊される番である。ハイザックやマリンザク相手に見せた圧倒的な強さは影を潜め、ライフルは効かないので素手でガブスレイを叩く、逆にフルボッコにされバインダーを外して逃げるなど姑息な戦いぶりが際立っていた。流れる腕に「カミーユ!」と助けを求めるシャアが哀れである。
 フォン・ブラウン市は占拠され、エウーゴは再戦を期して撤退する。しかし、指揮官はいない。エウーゴの司令ブレックスは地球に出かけていて、とどのつまりはこの戦いには司令官もいなかったのだった。それじゃ負けるはずだ。
(レビュー:小林昭人)

カオルのひとこと:視聴者にとってはなんだか良くわからないまま始まったフォン・ブラウン攻防戦。グラナダ(なんだろう、多分)から出てきたラーディッシュとクワトロの百式はティターンズと、そして月に向かいつつあったアーガマは何かわからないけど昔懐かしいザクみたいなのと戦っています。小林さんのレビューによれば、Zガンダムはジオン軍と戦っているらしいのですが、うーむ、そんなの聞いてないよ、という感じです。敵といっても宇宙に出てから、シロッコ他数名とジャマイカンその他1名ぐらいしか見かけていないので、そんな連合軍がいつのまに結成されたのやら、この敵は一体どこから沸いてきたのか、と謎は深まるばまりです。
 話のキモは、ティターンズ艦隊とエウーゴがフォンブラウン周辺で戦闘を繰り広げる間にフォンブラウンに降下して占領しちゃう漁父の利シロッコ、というところにあるのですが、なんだか始まったと思ったらクワトロが窮地に陥って、ジェリドがやられてあっという間に終わっちゃった、みたいな戦闘にしか見えず…。ラストのナレーションではじめて、フォンブラウンという拠点の重要性がつけたしのように語られて大いに白けて終わるのでした。

評点
 この重要な場所でこんな話しか作れないんじゃアニメ作るの止めたら?(小林)
 宇宙に出てからの展開のマズさもあって、大作戦とは思えないショボい話に。(飛田)


関連レビュー「ZZ第23話 燃える地球」脚本:遠藤明吾

あらすじ
 地球に住む腐った人間を追い出すために地球に向かうアーガマ、何か目的が変わっているような気がするが、その間に連邦首都ダカールがネオジオンに制圧されてしまい、話がサダラーン撃沈どころではなくなる。そしてジュドーは洗脳されたプルと対決する。

Aパート:プルの洗脳シーン、ネオジオンのダカール制圧
Bパート:ジュドー対プル、アーガマ大気圏突入

コメント
 作品のゼータ化が進んでいるため、ついに冒頭の「悪の作戦会議」まで復活したようである。冒頭はグレミーに洗脳されるプルの場面。ガンダムのお面を被った大人たちが集団でプルを襲うらしい。同じような場面は福井のガンダムUCにもあった。福井がマネしたんだろう。ええと、そうすると続くは戦艦アーガマでのホームドラマか、ああ、やっぱり、制作の主導権が富野になるとこうも変わるものか。さてその次は、ウソみたいに次の展開が読める、私もニュータイプなのだろう。そういえばかなり久しぶりの大気圏突入のお話だ。この種の話はイベントてんこ盛りなので、誰がやっても「見れる話」は書けるのだが、さて、どうなるやら。しかし、ゼータを吹っ切ったはずのZZで三枝の暗いBGMは聞きたくないからやめてくれ。結局、この話はシスコンジュドーにプルが助けられる話で終わる。
 旧い監督のくたびれた演出と新進気鋭の若手のカラーが交互に入り交じるZZ中盤だが、そのせいか作風に迷いがあるような印象を受ける。こんな感じで当面行くのだろう。話が本当にどうしようもなくなるのはマシュマー復活のあたりからである。 (レビュー:小林昭人)

評点
★★  このネタならばもっとやれるんじゃない?


関連レビュー「ガンダムAGE第 23話 疑惑のコロニー」脚本:兵頭一歩

あらすじ
 先の戦いでヴェイガンのモビルスーツを捕獲したフリットは、その部品の供給元が地球連邦の企業、テクノソロン社であることを知り、戦艦ディーバを会社のあるコロニーへ向かわせる。艦長とウルフ隊長は調査に乗り出しヴェイガンのモビルスーツを発見。フリットの命令で連邦軍はテクノソロン社を攻撃する。この作戦に、民間人が犠牲になると反対するアセムだったが、ロマリーを守るため、AGEで戦う。

Aパート:ソロンシティ入港、ヴェイガンのモビルスーツ発見
Bパート:父に反対して逃げ出すアセム、コロニー内戦闘

コメント
 22話で手痛い敗北を喫したゼハートは、Xラウンダーの特殊部隊のパイロットたちから責められるものの、思った通り、特に責任を問われることもなく次の機会を狙っているようである。今回はゼハートの登場は以上、あとは疑惑のコロニーをめぐる戦艦ディーバの戦いである。
 先の戦いで捕獲されたヴェイガンのモビルスーツに、地球連邦の企業、テクノソロン社の部品が使われていた、というので、証拠を掴んで成敗してくれる!という総司令官のフリット。そんな彼の指揮で戦艦ディーバはコロニー「ソロンシティ」へ向かう。思った通り、テクノソロン社内にはヴェイガンのモビルスーツが陳列されており、見つかったと思ったら戦闘になる。そしてガンダムAGEが出てきて雑魚キャラの操る敵モビルスーツを片付け、チャンチャン!というだけの話である。
 それだけでは話がもたない、と思ったのか、前の話がほぼ戦闘シーンで終わったから今回は人間ドラマを、と思ったのかはしらないが、前半ではメガネっ子のメカニックに惚れているらしいお椀頭との会話、後半では父フリットに歯向かって逃げ出すアセムと彼を追いかけて説得するロマリー、というエピソードに時間を費やしている。相変わらず単調でどうでもいい会話が続き、思わず寝入ってしまいそうになる。
 敵方に味方する企業、という話自体はありがちだが悪くはない。けれども、そういう疑惑を、1話で急いで解決しないといけないものだろうか。敵は攻撃すれば済む話だが、敵に味方する連邦の企業となるとそう簡単にはいかない。証拠を押さえる必要があるだろうし、合法的に事を進めなければならない。逆にいうと、連邦政府とはどういう組織なのかを示すためのエピソードになり得るのだが、この作品の製作陣にはそういう頭はなかったようだ。それよりも、ヴェイガンをやっつけるためなら何をやるのも許される、というフリット親父のある主の特権のようなものが感じられる。こうなると二代目主人公のアセムは完全にオマケ状態で、攻撃を強行する親父のいいなりになるしかなくなるのである。命令に従えず飛び出した街中で、追ってきたロマリーに対して「今は君を守る」という言い訳で戦闘に入るが、守るもなにも、彼女だってディーバの乗組員である。とってつけたような台詞が浮きまくりである。
 要するに、敵が引っ込んでしまったので戦闘シーンはどうしよう、それじゃ味方に敵を作っちゃえ、ということで出来たような話だと思うが、ゼハート以外にこれといって目立った敵将キャラのいないヴェイガン、敵の面子が揃っていないだけに、今後も付け焼き刃の展開になるのは必至であろう。

評点
 何の疑惑もなく話がトントン拍子に進んでいくので、全然面白くない。


関連レビュー
「宇宙戦艦ヤマト2199第23話 たった一人の戦争」
脚本:森田繁

あらすじ
 サレザー太陽系にワープアウトした戦艦ヤマト、目前に二重惑星ガミラスとイスカンダルを見出したクルーだが、すでにその時デスラーは究極兵器デスラー砲の射程にヤマトを収めていた。

Aパート:デスラー砲の攻撃、ヤマトバレラス突入
Bパート:森雪の破壊工作、バレラス2崩壊

コメント
 旧作で言うガミラス本星決戦だが、2199のスタッフは心優しいせいか、旧作のあのヤマトが惑星の火山脈を撃ち抜き、星そのものを崩壊させる大決戦は「残虐すぎる」ということでやりたくなかったようである。旧作と異なり、ガミラスの諸将校についても応分の尺を割いている2199の場合、個々のキャラにはスタッフの側にも感情移入があり、旧作のように善人も悪人も共に滅ぼしてしまう決戦はやりたくなかったという気持ちは分かるが、旧作でも2199でもデスラーを権力の座に着けたのは他ならぬガミラス国民なのである。デスラーの帝国はその後宇宙の所々に侵略の手を伸ばし、地球などは半ば滅亡されかけた。国民がその暴虐のツケを支払うことは当たり前のことで、旧作はこの場合説明になっていたが、2199の場合はデスラー一人にツケ回しをしてガミラスはほぼ無傷という、これはこれで納得の行かない筋立てである。2199の大決戦の生ぬるさ、煮え切らなさの原因は大部分この場所にある。生き残ったヒスを含むガミラス国民は戦争の被害者ではなく、デスラー共々侵略に加担した当事者なのである。
 それは置くとしても、ヤマトがデスラービルに突入する場面は、第一話では東電に配慮して放射能設定を無理やり除去したスタッフだが、この場面はどう見ても911同時多発テロ事件における旅客機突入の場面にしか見えない、別の意味で無神経な映像である。実のところ、筆者はこれを見て気分が悪くなった。放射能が東電への配慮から除かなければいけない設定だというなら、同様にこのテロで肉親を失ったアメリカ国民の痛みにも配慮すべきなのである。これではアメリカでも売れないだろう。ヤマトがビルに突っ込む場面で思うのは、制作しているスタッフが過去にテロの映像を見て、「これカッコイイだろ」というバランスの欠けた自己満足である。この映像は話の中の位置づけはともかく、視聴者にそう思わせてしまうからダメなのだ。
 動けないヤマトにデスラーは宇宙要塞バレラス2の633工区を落とし、首都もろともヤマトを破壊しようと目論むが、これは波動砲で阻止され、要塞も一人潜入した森雪の破壊工作であっけなく破壊されてしまう。要はこれだけであり、これでヤマト最大の敵は話から退場してしまう。本当にこれだけのお話である。
 あと、冒頭のデスラー砲の攻撃で巨大惑星エピドラが破壊されるが、惑星系でこんなことをした場合、ガミラスもイスカンダルも軌道が狂い、仮にヤマトが星を救っても、その後の両星には恒星サンザーに呑み込まれるか、軌道を外れて宇宙の放浪者になるかの悲惨な運命が待ち受けているはずである。ストーリーでは全く触れられていなかったが、少なくも現代の惑星科学の知見を持っているなら常識として知っていなければいけないことで、ここでも見せ場重視のスタッフの歪んだ心証が垣間見えて気分が悪い。
(レビュー:小林昭人)

カオルのひとこと:デスラーのご乱心と、突然ガミラスを救う使命?に目覚めたヤマトに驚愕。ガミラスのビルに突っ込むヤマトにも、突っ込まれてもびくともしないガミラスのビルにもびっくりするが、そのあと波動砲をぶっ放すなら、突っ込む前に撃てば良かったのに?! 支離滅裂さに、もう、ついていけません!

評点
 デスラーの変心も変なら、話も変、これで決戦と言われても、、(小林)
 ここまでのヤマトの旅を全否定するようなお話。悪を描けない気弱な制作陣に失望。(飛田)


関連レビュー
「Gのレコンギスタ第23話 ニュータイプの音」

あらすじ
 孤立したマスクの動きに諸勢力は神経を尖らせる。ジット団の船フルムーンとの接触を図るマスクにマッシュナーとアメリア軍が動き出す。

Aパート:死亡フラグ(ロックパイ、グシオン)、諸勢力動く
Bパート:ガイトラッシュ大暴れ、ロックパイ死す

コメント
 最初の戦いはマスク軍のシャダムとクリムの交戦、続いてマッシュナー隊が突撃してクリムとベルリ、ロックパイの戦いになる。Gセルフのアサルトモードでロックパイが戦死し、マッシュナーを退ける。その間にマスクはジット団に接触する。グシオンのアメリア、ガード連合軍はカシーバ・ミコシを確保し、マスクはカシーバを放棄する。
 ロックパイはあっけなく死んだが、次の死者はグシオンだろうという展開、ほとんどロックパイの新型ガイトラッシュの大暴れという感じだが、あと、マスクに新恋人マニィができたため、捨てられたバララも死にそうなムードである。
 あと、ベルリが金星で何かに目覚めたらしく、今日の彼は「戦争の根を断つ」とか、Zガンダムっぽい台詞を連発である。が、そういう動機形成の話が皆無に等しいので、パーフェクトパックで大活躍する彼の変貌もほとんど分からない。で、この新装備、いつかどこかで見たようなという見てくれ造形だが、あまり似てないが、ガンダム00の00ライザーのようである。確かにレイズナーとは別方法の背負式バックパックはこれくらいしかなく(それ自体ZガンダムのGディフェンサーのパクリだが)、全身貼り付けの不細工な高トルクパックからまた背負式パックに戻っている。
(レビュー:小林昭人)

ニュータイプ:ガンダム諸作品のお約束である、主として主人公に発現する根拠不明の超能力。ファーストガンダムで主人公アムロが敵の女戦士ララァと感応し、さらに小説版が微に入り細に入り解説したことで(クスコ・アルが連邦軍兵士に強姦されて一家惨殺とか、ララァが「ひどい暮らし」をしている情景とかがアムロに見えるという描写で)、ある種の読心術、テレバシーであることが定説化した。元はと言えば冷戦時代にソビエト共産党書記長が核ボタンを押す邪悪な波動を検知するため、当時のアメリカCIAがその適性のある少年少女を呼び集めて行ったESP研究に遡る。もちろんこんな実験は成功しなかったが、独り歩きした「エスパー」の概念は当時のSF諸作品に強い影響を与えた。が、元を正せばスペースコロニー同様、L5協会の研究に触発された富野の半可通の世迷い言と言え、コロニー同様不正確な描写である。それを検証もせずガンダムUCや00ガンダムまで用いるサンライズの馬鹿さ加減には視聴者の多くが呆れている。結局、ガンダムシリーズではこの概念につき説得力のある回答はできなかったので、ニュータイプの概念は拡大を続け、言葉自体も人類の新しい姿というよりは「無理難題」、「不可能事」の同義語として用いられている。

評点
★★ ロボットバトルはサンライズのお家芸。


その他のZレビュー
「機動戦士Zガンダム回顧録」 Z第23話レビュー
「パラレルユニヴァース」 Z第23話レビュー


関連リンク
An another tale of Z 第23話紹介
An another tale of Z 第23話「救出」(本編)

<<BACK  NEXT>>

 MUDDY WALKERS◇