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機動戦士Zガンダム第20話「灼熱の脱出」遠藤明吾

あらすじ
 香港を離れたアウドムラをスードリが追う、アウドムラを落とせば記憶を返してやるというウッダーの言葉に出撃したフォウはカミーユと再会し、強い頭痛で戦線を離脱する。一方、モビルスーツ隊を失ったウッダーはスードリでアウドムラに特攻を仕掛ける。フォウはサイコガンダムでスードリに突入し、カミーユを宇宙に逃す。

Aパート:スードリの攻撃、フォウ対アムロ
Bパート:ウッダー特攻、カミーユ宇宙へ

 アムロがリックディアスに乗る最終回、アムロ登場以降、予想外に活躍していた同機だが、やはり脆く、最初はザクのビームライフルで手が飛ぶ足が飛ぶ、話が進むとザクマシンガンやスードリーの機銃座でも腕が飛ぶ、コクピットが壊れ(アムロ負傷)という感じで、最初のガンダムが360ミリマシンガンやバズーカ弾を受けてもビクともしなかったのとは対照的で「ホントに最新鋭機か」といった感じであった。が、この話のメインはこんな話ではないのだった。

ドラマを盛り上げる
フォウの決意とウッダーの特攻

 フォウと「分かり合った」カミーユはアウドムラを追う彼女との戦いに苦悩する。サイコガンダムのコクピットで過去を発露する彼の場面は前回同様感動的だが、これがコントロールを失って墜落するサイコガンダムの中ということを考えると、何かすごい強引というか、大丈夫かよこれといった感じだが、このカミーユの告白のカットは最初の彼女とのデート時間よりも長く続くのだった。いいかげんに落ちろサイコガンダム。
 記憶のないフォウにはカミーユに語る昔の思い出がなかったが、この邂逅で彼を宇宙に帰すことを決意した彼女はスードリのブースターでカミーユをマークIIごと宇宙に逃がそうとする。その最中、彼女はウッダーに撃たれて負傷する(映画ではフォウは頭を撃たれて確実に死んだことになっている)。そして、ニュータイプ能力でフォウの真意を知ったアムロはウッダーの機銃弾を受けてコクピットで負傷しつつ(脆いなリックディアス)、ビームライフルをカミーユに突きつけて彼を宇宙に脱出させるのだった。

カオルのひとこと:ホンコンを離れてニューギニアを目指すアウムドラご一行、ところでニューギニアには何があるんだっけ?ということは見たしりから忘れてしまいます。登場人物同様にしばしば視聴者は健忘症に陥るようです。いずれにせよ、カミーユを宇宙に打ち上げるのが目的、それを阻止しようとウッダー大尉は「記憶」をエサにフォウを強請り、カミーユはこの美少女戦士とニューギニア上空で相見えることになるのです。

裏事情を勘ぐりたくなる悲哀の場面
 この回である意味、カミーユとフォウの感動的な場面より印象的だったのはスードリーで特攻するウッダー大尉、特攻の命令にティターンズの兵士は全員逃げ出すが、最後まで彼に付き従ったのはファーストではおなじみの地球連邦軍の制服を着た士官たちだった。ウッダー大尉は連邦正規軍からティターンズに転籍した人だったのである。こういう吸収合併の場面(地球連邦軍→ティターンズ)については以前の回でも度々触れられているが、何か消滅会社社員の悲哀みたいな話に監督富野氏が執着するのは同時期のサンライズ社の経営変更(日本サンライズ→株式会社サンライズ)に理由があるのかもしれない。が、彼がホントに血を見るのはそれよりもっと後の話、株式会社バンダイによるサンライズ社の買収があるのである。

カオルのひとこと:お互いの考えていることがわかる「人間通信機」のカミーユとフォウですが、顔を合わせて話すと別の効果があるようで、彼は墜落するサイコガンダムのコクピットを開けて彼女に第1話からこれまで自分に起こったことを話します。アーガマ艦内ではいつも尖っていた彼の心情の吐露には心打たれるものがあるのは確か。この話は、ほとんどそれだけで持っているようなものです。

 しかし筆者は思うのだ、香港からの一連の話はこのシリーズにしては例外的にロマンティックな話だが、フォウ・ムラサメがあれほど美形でなかったら、声を担当した島津冴子の好演がなかったら、これらの話は果たして見られるものであっただろうか、と。
(レビュー:小林昭人)

カオルのひとこと:強化人間+サイコガンダムをもってしてもアウムドラを仕留められなかったウッダー大尉、自分以外のクルーを降ろしてスードリでアウムドラに特攻しようとします。そんな大戦末期のような追いつめられた戦いではなかったような気がするのですが、小林さんのレビューにあるように、追いつめられているのは物語上の人物ではなく富野監督、あるいはサンライズという会社自身だったのかもしれません。カミーユの心情の吐露とあわせて、いろいろと裏の事情を勘ぐりたくもなるストーリー運び。だって闇の組織に頼らなければ補給もままならないカラバと地上に取り残された少年+ガンダム1機、巨大組織のティターンズと連邦軍が必死になるような相手にも思えず。結局ストーリーを動かしているのは、展開上の必然ではなく制作者の心情なのだ、というところでしょうか。

評点
★★★ アムロがいなくなるのが残念(小林)
★★★ 少し感動、ニュータイプが分かり合う話だから?いえ、単純に「恋」のなせる技だから(飛田)


関連レビュー「ZZ第20話 泣き虫セシリア(前編)」脚本:鈴木裕美子

あらすじ
 アクシズ攻撃作戦を成功させ、グラナダに寄港する戦艦アーガマはゴットンのスパイ(いつ作ったんだ)、セシリアに狙われる。実はセシリアはアーガマ操舵手トーレスの幼なじみだった。一方、ジュドーはエウーゴの出資者ウォンと面会、彼を殴り倒して逃走する。

Aパート:グラナダに寄港したアーガマ、セシリア登場
Bパート:ガンダムチーム出撃

コメント
 エウーゴの拠点でティターンズやネオジオンに狙われているグラナダ市は物騒らしく、住民がどんどん逃げ出していく。ピザ屋でアーガマ撃沈の相談をしていたゴットンの部下らは同室していたジュドーらと乱闘になる。ピザ屋のトイレでスパイの相談とか、陰謀のザルっぷりはともかく、早々にスパイとバレたセシリアを中心に話が進む。一方、前作では暴虐ぶりが評判だったウォンだが、今作ではジュドー相手に少々手こずっているようである(逆に殴られたりしている)。
 これは大人の理屈だと思うが、ZZの第1クールは実はそんなに悪くなかったのである。当時の評判の悪さは大部分が前作によるもので、この辺でファンの不満に耐えかねた制作陣が原因を前半のコメディ路線に求めたことは想像に難くない。次の回でゴットンが死ぬが、こういう後先考えずに(中身をロクに見ずに)次に続く芽を摘んでしまうというのは、ある意味、団塊世代特有のやり口であって、最近では原子力発電所の爆発事故で見られたものである。 (レビュー:小林昭人)

評点
★★★  富野のせいで話自体が意味不明になりつつある。


関連レビュー「ガンダムAGE第 20話 赤いモビルスーツ」脚本:加藤陽一

あらすじ
 ゼハートの兄デシルがコールドスリープから目覚め、ゼハートは兄に自分が地球制圧軍司令官になったことを告げる。ガンダムの進化を止めるべく、ゼハートはAGEシステムを奪うか破壊するために、岩礁宙域をゆくディーバに戦闘を仕掛けることを決め、赤い新型モビルスーツで出撃する。友達だったゼハートが敵だったことが信じられないアセムだったが、敵が出現しウルフ隊としてガンダムAGEで出撃する。そこで3倍の速度で現われた赤いモビルスーツに、1対1の戦闘へと誘導され、相手がゼハートであることを知る。ゼハートはアセムを圧倒するが、なぜかとどめを刺さずに去ってゆく。

Aパート:兄デシル登場、新型モビルスーツ披露、アセム出撃
Bパート:ゼハート対アセム、見逃されるアセム

コメント
 見るからに性格の悪そうな兄が登場、ゼハートが潜入工作をしている間、のほほんとコールドスリープでお休みしていたらしい。のっけから「潜入工作など雑魚の仕事」と大きな口を叩くが、弟が司令官になったことを聞かされてガビーン!俺より上に立つのかー、とショックを受ける。なんだか面倒くさそうな人である。
 Xラウンダー能力、という耳慣れない言葉が語られる。どうやらこの能力を持っている人は雑用免除でのんびり寝てすごすことが出来るらしい。兄にはあって弟にはなかったのか、しかし兄が寝ている間にいろいろ変わってしまったようだ。何のことやらよく分からないが、どうやらその能力があると、モビルスーツを思うまま自在に操れるようだ。言葉は違えど、ガンダムにはお約束の設定である。彼らが恐れるのは、自動的にガンダムを進化させるAGEシステム、ということらしい。ゼハートはガンダムのAGEシステムを奪うと宣言して戦場へ出てゆく。それならなぜ前々回にアセムを追いつめたとき、そうしなかったのだろう。どうも、コイツの言うことにはウラがありそうである。
 岩礁宙域で戦闘を仕掛けるゼハート、相手になるのは隊長以外は新兵ばかりのウルフ隊、しかしゼハートの狙いはガンダムAGEのみである。「3倍の速度で接近する敵が」というのも、はいはい、お約束、お約束という感じで何の新鮮味もなく、どうせまた主人公はやられはしないのだろうから、後半の大半を占める戦闘シーンは盤石の安心感で見ることができた。案の定、ゼハートはとどめを刺すことなく「二度と私の前に現れるな、と言い残して去ってゆく。屈辱のあまり自室にひきこもるアセム、そういえば前回の終わりで自室謹慎処分になったはずだったが、そんなことはすっかり忘れ去られていたようである。
 戦闘中心になったせいか、スクリーンセーバー演出がないだけでも随分マシになったように感じる。しかし残念なことに、友達と思っていたゼハートが強敵だった、というショックがあまり伝わってこない。なせならそれまでの話でのゼハートとの友情を育んだ場面がスクリーンセーバーだったからだ。だからゼハートと戦うなんて信じられない、というアセムの言葉に、実感が伴わない。信じられないといったって、まだアセム編がはじまってたったの5話だし、こっちは最初からゼハートが敵だと知ってたし、友情シーンはスクリーンセーバーだったし、で落ち込むアセムがただのヘタレに見えてしまう。やはり、エピソードの積み重ねは重要である。
 それと、どうもキャラ名やメカ名が聞き取りにくいのか、紹介の仕方がまずいのか、どれもこれも名前がわからないままのものが多すぎる。いちいちウィキペディアなどで調べたくないから、ちゃんと話の中で分かるようにして欲しい。

評点
★★★ 話の展開はまずまずだが、これまでの積み重ねがないので薄っぺらい印象が否めない。


関連レビュー
「宇宙戦艦ヤマト2199第20話 七色の陽のもとに」
脚本:森田繁

あらすじ(人類滅亡まで245日・七色星団あたりで1日)
 イスカンダルへの最短距離を進むヤマトの目前に立ち塞がるドメル老朽艦隊、恒星風の吹き荒ぶ複雑な空間でドメル機動部隊とヤマトの決戦が行われる。一方、ザルツ人特務部隊を載せたフラーケンの潜宙艦は損傷したヤマトの背後に迫りつつあった。

Aパート:ドメル艦隊の攻撃、ザルツ特務部隊の潜入
Bパート:森雪誘拐、ドメル自爆

コメント
 つくづく余計なことをしてくれたというのは、ヤマトとドメル艦隊のこの大決戦、デスラーが戦闘中のヤマトからユリーシャを拉致しろなどという余計な指示をしてくれたおかげで話が間延びしてしまったことがある。そもそも拉致が目的ならヤマトは撃沈せずに拿捕すべきだし、そうなればドメルとドメル部下たちが「チャレンジ」よろしく、あの手この手でヤマト撃沈に勤しむ必要もなくなる。ドリルミサイルも原作ではドメルに散々やられてほぼ戦闘不能の時にとどめとして使われた兵器だが、この拉致プロットのせいでまだヤマトが健在のうちに投入され、爆撃機は撃墜され、古代に「何なんだ」と言われる体たらくである。そして、この大決戦にもかかわらず百合亜の「保科くん、いやーっ!」で話はいつものGdGdモードに突撃していく。誰もこんな話見てえんじゃねえ。
 戦闘シーンは金が掛かるので思いの外短い、一応、宇宙戦艦ヤマト最大の戦いなのだが、第一空母は話の半分までに撃墜され、また、空母の壊れ方の安っぽいことちゃちいこと。ポリゴンをパラパラ飛ばすなんざ、まるでプレステのゲームである。前半部分も半分はザルツ特殊部隊の活躍の場面で占められ、後半も出撃する雷撃機のキャノピーが閉まる場面は絵がカクカクしていてローコストを感じる場面である。ホントは制作者たち、原作準拠のこの話はお義理で実はあまりやりたくないんじゃないだろうか。
 ヤマトの戦闘能力が失われていないので、ドメルが艦隊で総攻撃と言ってもヤマトはあまり追い詰められておらず、一応ヤマトより強いはずのドメラーズIIIも以前の強さはどこへやら、ヤマトとの砲撃戦で大破して沈んでしまう。さらにドメルは自爆するが、復旧した波動防壁のおかげでヤマトは大して傷つくこともなく戦場を後にするのだった。
 沖田と対面したドメルの台詞が棒読みで、これは「ホントはこんな話じゃないんだけどな」と思いつつ、仕事だからしゃあないという大塚明夫のため息が聞こえてくるような熱のない場面である。そして、最後にメガネを光らせたり、美少女がポツリと漏らしたり、ユリーシャが名乗ったりして締めるのは、もう見飽きたいつもの2199のパターンで、これは中学生の書く、ラストになると夕日が沈む小説と同じような陳腐な作劇である。筆者もそういうのを添削したことがあるが、ハッキリ言って初心者レベルの演出であって、こんな作品に付き合わされる声優やアニメータが気の毒である。
(レビュー:小林昭人)

カオルのひとこと:一番盛り上がるはずの七色星団の大決戦、なのにユリーシャと間違えて森雪誘拐がメイン。松本零士の女性キャラがワンパターンというのをこんなネタにするなんて、ヒドイわ。

評点
 絵にも演技にも力が入っていないので、見ていてもそんなに感心しない。18話の半分でも力を入れてくれれば。(小林)
★★ 地球人とイスカンダル人の見分けもつかない特務部隊隊員に、−1点。(飛田)


関連レビュー
「Gのレコンギスタ第20話 フレームのある宇宙」

あらすじ
 ジット団にハイジャックされたクレセント・シップ、ビーナス・グロゥブに到着したベルリたちはその隙にビーナスの指導者ラ・グーとの面会を画策する。

Aパート:ジット団乗船、Gセルフ脱出
Bパート:ビーナス・グロゥブの戦い、シーデスク突入

コメント
 冒頭でフラミリアがヘルメス財団の手先であるのみならずジット団の手先でもあることが判明、最初のナレーションがなければ分からないのはZガンダムみたいである。で、今日のパクリはジット団のキアが搭乗するジャイオーンだが、どう見てもスター・ウォーズのグリーヴァス将軍にしか見えない。戦いの最中ベルリはグリーヴァス(キア)を追ってシー・デスクの海に突入する。そこは青い空に白い雲、カモメの舞う地球と変わらぬ世界だった。
 と、いうのは良いとして、これまで見た印象はつくづくこの作品は「国際空港アニメ」だなということ、各々の勢力の描き分けがきちんとできておらず、服装も似ていて見た目も見分けもつかないため、どこに行っても、何をやっても平板な印象しかないのである。一介のバックパッカーならそれでも良い。しかし、公共の電波を使って作品を放送するクリエイターなら、そこにはより鋭い人間観察、気質の描き分けが必要だろう。国際空港はどこに行っても同じような外観、同じような設備のため、あまり考えないと外国旅行といっても外国にいる感じがしない。そもそもザンクト・ボルト、トワサンガからして説明不足も甚だしかった。その上、第5勢力まで出されても、見ているこちらは散漫な印象しかない。
(レビュー:小林昭人)

ビーナス・グロゥブ:ヘルメス財団の本拠ロザリオ・テンのあるダイソン球に似た人工惑星の集合体。一見球体状の物体を中心に一個あたり数キロの金色の球体多数が取り囲む構造に見えるが、なぜこのような配置が可能であるかは明らかでない。おそらくは金星のトロヤ群(L4、5)ラグランジュ点に所在し、放射状に見える人工惑星の群れは各々太陽を巡る軌道を公転していると思われる。フォトン・バッテリーや宇宙生活に必要な空気の球、水の球の製造地であり、その供給はラ・グー総裁のヘルメス財団が一手に管理している。いわばこの時代の資源地帯。

評点
 またわけのわからないものが出てきた。


その他のZレビュー
「機動戦士Zガンダム回顧録」 Z第20話レビュー
「パラレルユニヴァース」 Z第20話レビュー


関連リンク
An another tale of Z 第20話紹介
An another tale of Z 第20話「つかの間の休日」(本編)

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