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機動戦士Zガンダム第21話「ゼータの鼓動」大野木寛

あらすじ
 宇宙に出たカミーユはフォウのことが忘れられず茫洋としている。一方ティターンズは月攻略作戦を発動、新鋭戦艦ドゴス・ギアを与えられたシロッコがティターンズ幹部となる。シロッコの先鋒として出撃したジェリドはアーガマと接触、マークIIを撃破しかけるが、そこに謎の戦闘機が登場する。

Aパート:宇宙に出たカミーユ、シロッコ再登場
Bパート:ジェリド襲撃、Zガンダム登場

  再視聴しながら実は首を傾げているが、このDVD、どうも一部に改ざんの跡がある。後半のガブスレイ飛行シーンでも絵と効果音が合わない場面があるから、やはりいじっている形跡がある。声優までは変更していないようなので、この回のマウアーはハマーンと同じ榊原良子(テレビのニュース解説の人)である。なお、クワトロは出張中らしい。

説明もなしに女性キャラだけが増えて行く
 前半は怪人シロッコが登場するが、正義側同様、悪の戦艦の顔ぶれも華やかになっている。サラに加えマウアーが登場し、他にも女性隊員が山ほどいるらしい。ただ、このマウアーという女性、筆者としては「こんな出方はしてほしくなかった」的な女性である。12話(もう2ヶ月以上前だ)でジャブローの核からジェリドを救ったのがこの女性だが、このシーンはミステリアスなムード満点で、もっと違う役割での出演を期待していたからだ。しかし、この場面ではシロッコ麾下の一パイロットでしか無く、ジャブローを巡る事情も特に語られないまま話が進んでいく。

カオルのひとこと:無事宇宙にもどってアーガマ隊員に迎え入れられたカミーユ。ファが見当たらないことに気付きます。心はすっかりフォウのもとに、と思いきやそうでもないようで、やっぱり本命はファなのでしょうか。一方ティターンズはシロッコが再登場。マウアーにサラと美麗な女性隊員をはべらせてすっかりゴキゲンです。ジャミトフには血判状、マウアーには「戦後の地球を支配するのは女」と下心丸出し。ようやく本物のワルが出てきた感があります。

 しかし、ここでの会話で不穏なのはシロッコが明らかにしたエウーゴとティターンズの目的だろう。
 彼によれば、エウーゴもティターンズも目的は実は同じで、重力に魂を引かれた人々を地球から解放することだが、そのための手段として「戦争で地球上の人々を根絶やし」にする、とか、「経済を疲弊させる」という方法が取られることが語られる。冗談じゃないというのが本当の所だし、こういう目的を標榜する主人公サイドの組織を支持できるかといえばたいていはノーだろう。

カオルのひとこと:フォウと離れて寂しいカミーユ、代用ガールのファも見当たらずイライラが募るのか、ブリッジでクルーと殴り合いのケンカを始めます。ブライトから自習室行きを命じられるも、敵襲で水を得た魚に。タイトルからすると今回ようやくゼータガンダムなる主役機ご登場のはずですが、いっこうにゼータの鼓動は聞こえてきません。

周囲がショボすぎて主役機交代劇も盛り上がらず
 目的の不穏さはともかく、先行したジェリドはアーガマに接触する。ガブスレイは格好悪いが今回での彼はやけに強く、エマのリックディアスを撃墜し(またかよ)、マークIIを羽交い絞めにしてカミーユを窒息死させかける。戦艦並みのビーム砲を持つガブスレイはガンダムなんか一撃で撃破できるのだ。もっと弱い機銃弾で壊れるディアスなんかお茶の子さいさいだ。しかし、そこに「戦艦以上のビーム砲を持つ」モビルスーツが乱入したためにガブスレイは爆破され、ジェリドは命からがら逃走するのだった。マウアーの使い方といい、ガブスレイの中途半端なデザインといい、エマの作画の不細工さといい、全般的に体制変更の不協和音を感じさせる話である。
(レビュー:小林昭人)

カオルのひとこと:そしてジェリドが出て来るという、相変わらずのワンパターン。コンビを組んでいたカクリコンがいなくなり、女性の新人隊員を従えてのご出陣です。いつものごとくカミーユ成敗に燃えるジェリド、変形しても驚くのはエマさんだけ、というガブスレイでカミーユを追いつめ、ついにガンダムMk-IIを羽交い締めに。ところでガブスレイとの対戦って初めてだったんですね。初めて観た気がしないのは何でだろう? コクピットから投げ出されて宇宙を漂うカミーユですが、そんな彼を助ける謎のパイロット、カミーユ以外はみんな「ファだ」って分かっています。肝心のゼータよりも、あのファがパイロットになろうとしていることにびっくり。不穏な空気と痴話ゲンカは、アーガマ艦内から戦場にまで持ち出されてゆくのでしょうか。

評点
★★★ 気怠いガンダムが帰ってきた。(小林)
★★ ワンパターンの世界に戻ってきました(飛田)


関連レビュー「ZZ第21話 泣き虫セシリア(後編)」脚本:鈴木裕美子

あらすじ
 前回失敗したゴットンはグラナダの輸送船を買い占めてアーガマを襲う、その間にキャラがマークIIを奪ってアーガマから脱走する。一方、ゴットンは爆弾入りの金塊をセシリアに渡してアーガマ爆沈を目論む。

Aパート:キャラの脱走、ゴットンの攻撃
Bパート:セシリア死す

コメント
 なんだか無理やり悲劇を作ったようなエピソード、セシリアはたぶんファーストのミハルをモチーフにしたのだろうが、話の繋がり繋がりがいちいち強引で、また、飲んだくれの父親と老いた母を持つセシリアという女性もいちいち気弱でこれと女手一つで家族を支えていたミハルと比較されてもといった感じである。が、セシリアの家庭環境は当時よりもむしろ今の方がしっくり来るかもしれない。最終的にはこのセシリアの投げた爆弾で彼女はゴットン共々死んでしまうが、この辺のカットがくどいこと長いこと、音楽まで以前の曲に変わっており、まるで話がいきなりゼータガンダムになったような感じである(実際同じ演出家だ)。
 なんとなく理由は分かるのだが、前作のゼータが叩かれに叩かれたため、前作監督の富野はこの作品では自信を失い、「名前だけ監督」のような感じだった。しかし、若手に任せたこの作品のノリが(監督不要なほどに)前半はかなり良かったため、たぶん、ここらでムクムクと嫉妬心でも起きたのだろう。ちょうど後半主題歌も上がったことだしということで、いろいろ手も出し口も出し始めたことは容易に想像がつく。なお、主題歌はまだ変わっていない。 (レビュー:小林昭人)

評点
  わざわざ番組にするなら対象を吟味してもらいたい。


関連レビュー「ガンダムAGE第 21話 立ちはだかる幻影」脚本:木村暢

あらすじ
 連邦軍総司令部「ビッグリング」に到着した戦艦ディーバは、ヴェイガンの大規模攻撃に備えてビッグリングの防衛にあたることになる。ビッグリングで父フリットと再会したアセムは、次世代型パイロット訓練プログラムを受けるが、その結果Xラウンダー適性がDと低かったことにショックを受ける。そんな彼をウルフ隊長は連れ出して、特別な戦闘シミュレーションを受けさせるのだった。

Aパート:ビッグリング到着、次世代型パイロット訓練プログラム
Bパート:落ち込むアセム、マッドーナ工房訪問

コメント
 ここのところ何度か名前のあがっていたビッグリングだが、地球の周回軌道上にあることが分かる。これは連邦軍の総司令部だそうである。なんだか爆弾一発でやられてしまいそうだが、大丈夫なのだろうか。ビッグリングに到着した戦艦ディーバ、ここでアセムは父フリットと再会する。なるほど、「立ちはだかる幻影」とはこのことか、と思った通り、今回のテーマは二代目の苦悩である。世襲のお話しである以上、そういう展開になるのはある意味お約束だが、この位置でやるのはどうなのか、ヴェイガンはビッグリングへの総攻撃を計画し、もう動き出そうとしている時である。呑気に「次世代型パイロットを探せ!」なんて企画をやっている場合なのだろうか、と思うが、要するにアセムが父に比べて能力的に劣っており、ゼハートにも勝てそうにない、ということをアセムが自覚して落ち込むための仕掛けである。その合間に、ロマリーとの会話で彼女がいまだゼアートに思いを寄せていることが示される。いいとこなしのアセムである。
 後半は、そんな彼がウルフ隊長のお膳立てで奮い立つ話。こちらも二代目のエンジニア、ロディ・マッドーナ少年が登場してアセムを励ますのがなんとも白々しい。あとはスクリーンセーバー的戦闘シーン、しかし結局3分ばかりで撃墜されて、唐突にこのエピソードは終わりを告げる。
 ガンダムパイロットを世襲制にした以上、こういう話は避けて通れないようにも思うのだが、何をもって父を越えたとみなすべきなのか、見ている側にはさっぱりわからないので困るのである。世襲制にするなら、いっそのこと「AGEパーンチ!」とか「エイジング・ソード!」とかなんとか、必殺技でも設定しておけば良かったのではないか。それなら、どの技を繰り出せるからどのレベル、みたいにレベルアップ具合も分かりやすかった。一子相伝の秘技でもあれば、世襲の理由もわかるというものだ。
 しかし本当のところはむしろ、なぜ今になって世襲などという従前のガンダムにはなかった古くさい制度を取り入れなければならなかったのか、その制作者の意図の方が気になるところだ。ガンダムUCのときからそうだと思うが、これは富野監督から福井晴敏氏へ、あるいは日野晃博氏へガンダムという作品を創作する権利を継承した、ということに対するある種の特権意識みたいなものの表れではないか、と思う。それこそが、ここで描かれている「立ちはだかる幻影」の正体なのだ。
「父」とそれに象徴される「権威」「体制」は、対抗し、乗り越え、あるいは倒すべきものとして描かれてきたのがこれまでのガンダムだったが、ここへきてそれすら失われてしまった。そして私たち視聴者は、ただの傍観者として彼らがシリーズの息の根を止めようとしているのを、ただ呆然と見ているほかはないのである。

評点
 生温い父と子の葛藤ストーリーにただよう世襲の幻影。


関連レビュー
「宇宙戦艦ヤマト2199第21 第十七収容所惑星」
脚本:村井さだゆき

あらすじ(人類滅亡まで230日・収容所惑星で15日)
 ザルツ人特務部隊に捕まった森雪は収容所惑星レプタポーダに連行される。一方、損傷したヤマトは修理のためレプタポーダに向かい、古代が偵察に赴くが、その機上にはユリーシャの姿があった。

Aパート:収容所惑星、古代偵察に向かう
Bパート:収容所の反乱、伊東の死

コメント
 ヤマト2199はメカの精密さとかスケールが原作より正確と思い込んでいる人がいるが、冒頭の宇宙葬の場面でのスケールは明らかに狂っている。沖田の背後にあるヤマトはデカすぎ、とても設定通りの宇宙戦艦に見えない。きっと航海の間に成長して全長500メートルくらいになっているのだろう。それにしてもデスラーに引見させる貴賓だというのに、拉致した森雪をクマよろしく檻に入れるとか、つくづく何考えてるんだか分からんスタッフである。この辺になってくるとアニメータもダレていて、森雪を引率するエリーサの絵もカクカクしており、滑らかなのはフラーケンの周囲だけである。
 で、ほとんど前振りなしの唐突な収容所蜂起、その前にガミラスの反政府分子がどのくらいの広がりで存在しているかも説明されていないし、どういうメンバーがいるのかも描かれていない。所長ボーゼンの暴虐ぶりは分かるが、収容されているガトランティス人まで巻き込んで、メルダを幹部にご都合主義的に反抗が起きるというのはハッキリ言って良く分からない。バックに流れているのも彗星帝国の音楽だし、ガミラス反乱分子は彗星帝国に操られてでもいるのだろうか。
 ヤマトを脱走した保安部長伊東がこの話で死ぬが(実は2199で戦死した唯一の名前ありキャラ)、これもロクに場面もないまま唐突に殺され、全般的に3話分くらいの話を無理矢理詰め込んだ、整理されていないエピソードである。ラストで収容所長のパソコンからイスカンダルとガミラスが双子星であることが分かるが、原作でその事実を最初に視聴者の前に明確に語ったのは(実は作中で度々触れられてはいた)、実はガミラスの総統デスラーで、ついでヤマト乗員にスターシャによって事実が伝えられるのである。
 冒頭の宇宙葬の場面も、原作では七色星団のラストだった。つまり、エピソードを間延びさせているのだが、代わりに入れられた場面はといえば保科と百合亜がイチャイチャとか、しょうもない場面ばかりで、ハッキリ言ってダレているのではないだろうか。普通、良くできた作品というのはラストが近づくに連れてスタッフも演技陣も熱を帯びてくるものだが、2199の場合は手抜きばかりが目立ってくる。
(レビュー:小林昭人)

カオルのひとこと: しれっとイスカンダル人のふりをする雪、いつの間にか解凍されて普通にしゃべっているユリーシャ。結局、あの自動航法装置って何だったの? 

評点
 囚人脱走のドタバタ劇はそれなりに見れるが、イスカンダルの場所をここで明らかにしたのは大減点。(小林)
★★★  話としては、意外性があって面白いところもあるけれど。(飛田)


関連レビュー
「Gのレコンギスタ第21話 海の重さ」

あらすじ
 戦いでシーデスクの人工海に穴を開けたベルリ、一方、アイーダはロザリオ・テンに向かう途中でジット団のローゼンタールに捕捉される。戦いの後、ベルリらはラ・グーの招待を受ける。

Aパート:壊れた海、ベルリの戦い
Bパート:ジット隊長死す、ラ・グーの招待

コメント
 昔のアニメでは、2クール目は海中戦というのが通り相場で、少なくとも2クールの半ば以降には海が出てくる。理由は四半期制で3ヶ月毎に一区切りとなる日本のアニメではこの時期はちょうど夏で、夏といえば海、浮輪など販促グッズの需要があるからだ。そういうわけで、21話の三分の二はほとんど海の描写となる。戦いの間にジット団長が死ぬが、実は死者の少ないこの作品、これはデレンセン以降16話ぶりの名前あり戦死者である。が、このジット団長も登場したのが前々話なので、大した思い入れもなく巨大アーマー・コンキュデベヌスと共にシーデスクの海に沈んでいく。ついでに書くと間抜けな話だが、プロデュースの都合でGレコの放映は第三四半期からだったので、この時期はちょうど真冬で、海水浴したくてできないというアホさ加減だ。
 それともう一つ、これは富野喜幸氏のアニメの特徴だが、軍人以外の人物がほとんど描かれないという問題がある。これは宮撫xの作品との大きな違いで、人間そのものに興味のないこの人物の場合、海の底が抜けるような大災害でも、そこにいる人間の困っている感が伝わってこないのだ。
(レビュー:小林昭人)

ジット団:英語では「ジット・ラボラトリー」で「ジット研究所」、ヘルメスの薔薇の元となった宇宙世紀時代とその周辺の技術資料を収集して研究する開発技術者の集団。ロザリオ・テンの衛星シーデスクに本拠を置く、アグテックのタブーは地球圏以外では適用されないため、資料を応用した新技術の開発も行うことができ、Gセルフより高性能のGルシファーを建造した。が、その組織の実情は研究員がリーダーのキア以下数人で、シーデスクの長であるラ・グーの承認もないため、実態は開発集団というより古技術再生に重きを置く学芸員の集団である。クンパ大佐によりレコンギスタ思想に被れ、モビルスーツを製作して地球を目指すが、その兵器の性能は保有するノウハウの差からGセルフを除く全ての地球圏製兵器に勝っている。学芸員の集団のせいか風紀はやや乱れており、リーダーのキアは団員の複数の女性と関係を持ち、チッカラがキアの名を叫んで爆散したり、ラストでは団員の一人クン・スーンがキアの子を孕んだ描写が描かれる。

評点
 オマージュ探しはもう飽きた。


その他のZレビュー
「機動戦士Zガンダム回顧録」 Z第21話レビュー
「パラレルユニヴァース」 Z第21話レビュー


関連リンク
An another tale of Z 第21話紹介
An another tale of Z 第21話「凶弾」(本編)

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