■機動戦士ZガンダムDefine 第12話
ストーリー
エマの護衛で同行していたカクリコンは、エマが交渉している隙にリック・ディアスを盗んで逃亡する。エマの乗っていたガンダムMk-II3号機に仕掛けられた爆弾処理作業が進む中、カミーユは騒ぎに乗じて1号機で発進。カプセルに入れられた両親を助けようとするが、ジェリドに狙撃され両親は死亡。彼は1号機を捕獲しようとしたカクリコンを仕留める。3号機でカミーユを追ってきたエマは、ティターンズから寝返ることを決意する。。
レビュー
ZガンダムDefineの連載が始まって1年、ようやく、ガンダム強奪事件のカタがつけられ3機のガンダムMk-IIがアーガマに揃い、エマもメンバーに加わりました。今回で1章が終わり、次回から新章がスタートするそうなので、ここまでの内容とストーリー進行をテレビ版と比較しながら簡単にまとめておきましょう。
テレビ版 | コミック版 | |
第1話 | クワトロ、コロニー内侵入、 カミーユ尋問とジェリド墜落 | クワトロ、コロニー内侵入、 カミーユ尋問とジェリド墜落 |
第2話 | クワトロとGMの戦闘、 カミーユのマークII搭乗と脱出 | ファ救出、 カクリコン暴走とカミーユのマークII 搭乗 |
第3話 | ボスニア隊との交戦、 アレキサンドリア到着、カミーユ母の死 | クワトロ、ガンダム強奪、 カミーユ、ファ、ブライトがクワトロと同行、脱出 |
第4話 | カミーユ錯乱、ティターンズに連行、 エマの脱走 | アレクサンドリア出撃、 クワトロとブライト対面 |
第5話 | カミーユ父脱走、カミーユ出撃 カミーユ父の死 | クワトロ正体暴露、 ブライト艦長就任 |
第6話 | 30バンチ事件、レコアの地球降下、 ライラ隊の攻撃 | クワトロ、カミーユをパイロットに勧誘、 カミーユ両親監禁 |
第7話 | サイド1に向かうアーガマ、30バンチ、 ライラ死す | モンブラン対ライラ隊、クワトロとカミーユ支援、 モンブラン撃沈 |
第8話 | ジェリドの仇討ち、グラナダ到着、 カクリコン登場 | ライラの迷い、カミーユ戦う決意、 エマ、ティターンズに疑問を抱く |
第9話 | エウーゴ艦船強奪、カクリコン襲撃 | ライラとジェリドの師弟関係、 カミーユ実戦投入決定 |
第10話 | アーガマ出港、シロッコ登場 メッサーラの攻撃 | カミーユ対ライラ、カミーユがライラ撃墜 |
第11話 | ブライト艦長任命、エウーゴ大気圏突入、 カクリコン死す | エマの指揮による作戦開始、 カミーユ両親人質事件 |
第12話 | ジャブローに降下するエウーゴ、 レコア救出、ジャブロー破壊 | カミーユ両親死亡、カクリコン死亡、 エマの寝返り |
こうして見ると、コミック版では実質、この1年でテレビ版での第7話までしか進んでいないことになります。しかも、テレビ版の「30バンチ事件」は省かれ、カミーユ両親は1度にまとめて殺されてしまいました。
その分、何か描写が厚くなったところがあったかというと、ほとんど描かれなかったアーガマの随伴艦モンブランで1話が作られたことと、クワトロの正体暴露ぐらいでしょうか、モンブランはあってもなくてもどうでもいい話だったし、クワトロの正体など皆知っていること。彼がエウーゴに参加した動機を語ったところで、それが何だというのでしょう。その他の点では、時間をかけているにもかかわらず、薄い人物描写がますます薄くなるばかり。普通、この手のリメイクは、「原作で語られなかった何か」があってこそ読む気が増してくるものなのですが、、そうしたものはほとんど描かれることがありませんでした。
今回はカプセルに入れられたカミーユ両親が殺害される話です。カミーユをはじめエウーゴの面々は、カプセルにカミーユ両親が入っていることに気付いていましたが、このカプセルを爆弾と信じて狙撃したジェリドは、同じようにこのカプセルをモビルスーツのモニターで見ていたにもかかわらず、人が入っていることに気付きませんでした。これでは、ジェリドがただのアホに見えます。彼は、爆弾ではなく人が入ったカプセルだったら、撃たなかったでしょうか? 撃った動機は、爆弾の爆発で近づいてきたカミーユ機を撃墜しようとしたからです。爆弾でないと分かったら、彼はカプセルではなくカミーユ機を撃ったでしょう。
元からヘンなお話しを、ヘンなことに気付かずヘンなままでコミックにしてしまう作者…。もうちょっとさー、原作見直して考えようよ〜。
次回からまた1年かけて、テレビ版8話から12話あたりをノロノロと、この調子で何の新味もないままに描いていくことになるのでしょう。低視聴率ドラマが8話で打ち切られるこのご時世に、なんとも悠長な話ではあります。こんなマンガを読んでいるよりは、Zのビデオを再視聴して腹を立てている方がまだましです。
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