◇MUDDY WALKERS
■キリング・フィールド THE KILLING FIELDS<
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スト−リ−ニューヨーク・タイムスの記者、シドニー・シャンバーグ(サム・ウォーターストン)は特派員としてカンボジアの首都プノンペンに来ていた。アメリカを後ろ盾にしたロン・ノル政権の政府軍と、革命派勢力クメール・ルージュとの戦闘が激化していた時であった。シャンバーグはカンボジア人の助手ディッド・プラン(ハイン・S・ニョール)の助けを借りて、精力的に取材活動を行っていた。しかしクメール・ルージュは勢力を拡大。次第に首都プノンペンに迫ってきた。外国人が次々と国外へ脱出する中、最後までとどまって取材しつづけようとするシャンバーグだが、ついにプノンペンが陥落。シャンバーグとプラン、アメリカ人カメラマンのロックオフ(ジョン・マルコビッチ)、イギリス人記者のジョン・スウェイン(ジュリアン・サンズ)は逮捕されてしまう。プランは何とか3人を助けようと必死にクメール・ルージュの兵士と交渉し、彼らは最後の砦となったフランス大使館に逃れることができたが、プランだけは連行されていってしまう。アメリカに帰国したシャンバーグはこのカンボジアの一連の取材記事でピューリッツァー賞を受賞するが、彼は救い出すことのできなかったプランのことが気がかりで喜ぶ気持ちになれずにいた。一方のプランは、原始共産主義の達成を標榜するクメール・ルージュの監視下で強制労働に明け暮れていた。家族は引き裂かれ、子どもが親を監視して密告する。そこはまさに地獄としかいいようのない、恐ろしい現実があった…。 | ||
レビュー 「キリング・フィールド」とは、殺戮の野という意味。ニューヨーク・タイムズの記者、シドニー・シャンバーグの体験をもとにしたノンフィクション映画である。1970年代、共産主義勢力クメール・ルージュとカンボジア政府軍との戦闘が激化するなか、首都プノンペンから記事を送りつづけていたシドニーだが、ついにプノンペンが陥落すると、カンボジアから出国せざるを得なくなる。助手のディッド・プランというカンボジア人を何とか助けようとするが、万策尽きてしまう。次々と各国のジャーナリストたちが去っていくなか、最後のヘリコプターに乗ることができず、立ちすくむディッド・プラン。ここから、この映画の真骨頂が始まる。 | ||
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