◇MUDDY WALKERS
■八甲田山
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スト−リ−
1902年(明治35年)に実際に起こった八甲田山雪中行軍遭難事件を題材にした映画。ロシアの脅威に脅かされていた日本軍は、寒冷地における戦闘の予行演習、また陸奥湾が封鎖された場合、陸路で青森から弘前へ補給することを想定して、雪中行軍を行うことを決める。弘前からは、徳島大尉(高倉健)率いる30数名の部隊が、240キロを迂回して八甲田山を超え、青森へ行軍。また青森からは、神田大尉(北大路欣也)率いる200名を超える部隊が、そりによる輸送演習をかねて、八甲田山を超えるルートを行軍することになる。徳島と神田はそれぞれの計画を確認し、行軍の途中、八甲田山の山中での再会を誓い合う。徳島は困難な行軍になると考え、少数精鋭の部隊で入念な準備をしていたが、神田の部隊は直前になって部隊編成が変更され、意思統一がはかれないまま決行の日を迎えた。 | ||
レビュー 撮影に3年を要したという、日本屈指の超大作パニック映画。とはいえ場面の大半は真っ白な猛吹雪の中を、顔も見えないフラフラの兵隊がよろめきながら歩いているだけで、撮影の木村大作は「こんな映画がヒットするのか」と思ったほどだったという。しかし予想をはるかに超える大ヒットで、北大路欣也扮する神田大尉の「天は我々は見放した」という台詞は、当時の流行語になった。
そんな日本映画史に名を残す一作を、2014年に亡くなった高倉健さんをしのんで初鑑賞。健さんをはじめ北大路欣也、三国連太郎、加山雄三など大御所陣の文字通り極寒での体を張った演技と、まさに命がけだったのではないかと思われるロケに、今更ながら驚愕した。
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MUDDY WALKERS◇