◇MUDDY WALKERS
機甲艦隊ダイラガーXV(1982) 各話レビュー | ||||
■第38話「女隊長エンマ」 | ||||
| ||||
■あらすじ | ||||
戦艦ラガーガードと地球艦隊が第58惑星に向かっているのを見たローチャーはテレスにエンマ艦隊の出撃を提案する。惑星に到着したエンマは自ら偵察を行うが、その際の事故で偵察機から転落してしまう。 | ||||
■見どころ | ||||
司令官テレス対二枚舌管理職ローチャーの第3ラウンド、今回は「第58惑星」編。 ローチャー 「現在ラガーガードはこの位置から座標XYZに向けて進行中です。」 説明がてら、なぜかローチャーにより未探査宙域が戦艦ラガーガードとの決戦宙域にすり替えられているが、美人隊長に迫られてテレスは渋々出撃を許可する。第3ラウンドもローチャーの勝利で、テレスに不安げな視線を送るサークに注目、彼女は同じローチャー組でもエンマはまだ与し易いと考えている。 ローチャー 「いいかエンマ隊長、これは極めて重大な任務だ。魔の星での失態を取り返す最後のチャンスだ。命を賭けて連中の進撃を阻止するのだ、生きて帰れると思うな!」 この下りは少し難解である。実は筆者も何度か考えた。まず、テレスが去った後に彼の椅子に座るローチャーの態度、これはやはり彼の上昇志向を示しているだろう。そしてもう一つは任務の内容。翼竜が飛び交うジャングル惑星が命を賭けるほどの要衝か。これは以前の17話や24話の内容を思い出す必要がある。ガルベストンが単独探査に拘る理由、そして以前はテレスを失脚に追いやったガルベストン軍部の戦争継続の理由である。 カポネーロ 「平和的に話し合いでなどといったら、我々はどうなる? 失業だよ。」 つまり、この下りは以前のルチアーノやラフィットなどの延長上にある。滅亡の危機は横に置き、探査活動を妨害する地球艦隊の排除の方が軍部にはより重要で、その点、大局的見地に立ち、ラッカルやドレイクの敗北をほとんど無視して処分もしなかったテレスとは異なる。ローチャーのような上昇志向の強い人間は、きっと探査基地への派遣も自薦であったに違いない。 エンマ 「サムス、偵察機の用意を。」 58惑星に到着したエンマは副官サムスの制止も聞かず、自ら偵察艇に乗り惑星を調査する。が、勇み足が過ぎ、操縦を誤った彼女は墜落し、ラガーチームに捕まってしまう。「私は、、負け犬にはならない、、」、墜落した機体から這い出した彼女は護衛機を追い払ったラガーチームの目前で力尽きる。「それで良くおめおめと逃げ帰って来れたな!」、エンマが捕虜になったことを知った副官サムスは帰還した兵士を殴りつける。
| ||||
■キャラクター紹介 | ||||
>
エンマ艦隊の副官である恰幅の良いガルベストン士官、副官にしては珍しくマスク非着用で登場する。若くして艦隊隊長に出世したエンマに尊敬の念を抱いており、勇敢さに走りがちな彼女を諌める年長者でもある。エンマを捕獲されて帰還した部下を殴り倒したり、救出のために艦隊を出撃させるなど指揮官としても力量があるようである。ラガーガードに突撃するエンマを庇って盾になり、爆発を受けて戦死する。エンマ艦隊は彼に限らず、安芸に戦い慣れていると評価されるなど優秀な将兵が多い部隊である。 | ||||
■今週のバトルアタッカー(1分40秒) | ||||
エンマ艦隊のバトルアタッカー第2号「バルナルモZ」は1号に引き続き優秀なバトルアタッカーである。得意技は剣技で、ダイラガーランサーやスピンカッターを弾き飛ばすなど優れた格闘戦能力を示したが、剣を失った後は遅れを取り、ラガーソードで真っ二つにされて撃破された。エンマ艦隊のアタッカーはどれも有能で、前線基地時代、バトルマシン操縦者の訓練を探査中心にするか戦闘中心にするかで揉めていたことと比べると、その戦闘力は隔世の感がある。
| ||||
MUDDY WALKERS◇