■機動戦士ZガンダムDefine 第7話
■あらすじ
ガンダムMk-IIをエウーゴに強奪されたうえ、追撃虚しく行方を見失ったティターンズは、アアーガマの随伴艦だったモンブランを捕捉した地球連邦軍の戦艦ボスニアを指揮下に入れ、接収してエウーゴの組織について調査しようと試みる。
アーガマではカミーユにニュータイプの素質を見出したクワトロが、彼をパイロットにしようと説得していた。その矢先、モンブランがティターンズと交戦状態となり危機に陥っていることがわかり、クワトロはカミーユをMk-IIに搭乗させて、支援に向かうのだった。
モンブラン、という艦を覚えているでしょうか。Zガンダムテレビ版の本編では、冒頭からアーガマの随伴として登場しているものの艦内描写はまったくない、オマケのような艦でした。そして一切の描写がないまま、第6話でレコアが地球に降下する際、ライラ隊との戦いで撃沈されています。
「Zガンダム第6話レビュー」
本作では、そんな「背景艦」だったモンブランにもちゃんと艦長と乗組員がいることが判明。しかしライラ隊の餌食となってモビルスーツ隊が全滅、ひげ面の艦長エムブラは艦と運命を共にすることを決意し、隊員に艦のデータを記録したユニットを持たせてカプセルに退避させようとします。そして自爆装置を起動。そこへ艦内に踏み込んできたライラが登場、そのデータを寄越せと押し問答に。するとちょうどそのとき、後を追って艦内に到着したカミーユがライラの背後から銃を突きつけ、窮したライラが捨て台詞とともに引き下がる、という展開になっています。
テレビ版ではカミーユとライラが生身で出会う場面は、コロニー毒ガス注入作戦で人知れず数十万人が虐殺されたまま放置されている30バンチコロニーが舞台でしたが、どうもその舞台をモンブランに差し替えた様子。カミーユの登場でライラ隊が退散したおかげでモンブラン艦長と乗組員は無事カプセルに移乗、モンブランは結局無意味に自沈してゆきます。
お話しとしては、悪くない展開です。背景だったモンブランもちゃんと生かせているし、無謀な設定の30バンチコロニー事件もどうやら「なかったこと」に出来そうだし、いつも自分勝手に無許可で出撃してばかりだったカミーユもマトモです。
しかし、マトモでなかったエピソードをマトモなお話しに矯正しただけでは、どうしようもない問題点がありますよね。前回は、カミーユの両親人質事件が「なかったこと」になりました。そして今回はコレ。
にもかかわらず、自爆装置を起動した艦橋で、モンブランの艦長はライラに言い放ちます。「ティターンズの実態も知らずに尻尾を振るお前さんみたいな犬には(エウーゴに命を投げ出す価値について)到底理解出来んだろうよ!」
・・・で、そのティターンズの実態って、なんでしたっけ?
今のところは、バスク大佐がものすごい悪人顔なのと、ジェリドが思った以上にマヌケなことぐらいしかないんですけど。
さて、この先彼の言う「ティターンズの実態」とやらを、どのように見せてくれるのか、そのところを注視していきたいところです。
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