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■機動戦士Ｚガンダム第４８話「ロザミアの中で」鈴木裕美子

あらすじ
　コロニーレーザーの代わりにアクシズがグラナダに向かったので、それを退治に行く戦艦アーガマ。

Ａパート：グラナダに向かうアクシズの残骸、ロザミア対カミーユ
Ｂパート：ロザミア錯乱、ギア撃沈

ロザミアに振り回される間に肝心の話は終わる
　コロニーレーザーはアクシズ軍、アクシズの残骸はティターンズの担当なのでロザミア再登場、脳を書き換えられてカミーユ潰しに出動する。ああ、前回（ハマーン）の逆パターンだなで寝ていたカミーユがアーガマから出動する。そしてＺガンダム名物、「敵と敵との談笑タイム」が始まる。どうもロザミアは死んだフォウに半分くらい乗っ取られているらしく、アクシズ市街地に迷い込み、インディアン喋りのロザミアに翻弄される主人公らでほぼ中盤。で、錯乱したロザミアをカミーユがやっつけて終わる。その間にドゴス・ギアがレコアにやられて沈む。そしてグラナダに落ちかけたアクシズはコロニーレーザーで阻止される。
　この場所でこのエピソード？　と、首を傾げたくなる４８話だが、話はほぼ全編錯乱するロザミアに振り回される主人公たちの話で終わる。「アクシズがグラナダに落ちかけている」というが、恐怖する市民の描写とかはないので緊迫感もなく、ロザミアが殺されるラストも「ああ、やっぱり」で意外性もない。そもそも戦艦アーガマがこの大詰めで何やっているんだか分からないし、ＺＺではネオジオンの拠点になっているアクシズの重要性も今一歩判然としない。それに前話もそうだが見ていて次の話が楽しみにならない。

カオルのひとこと：事情がよくわかりませんが、いつの間にか、アクシズがグラナダに落ちそうになっています。何とかアクシズのコースを変えてグラナダを救おうというのが今回のお話し。そこへ、ティターンズのバスク大佐がロザミアを放ち、エウーゴの企てを阻止しようとします。話の大半は、より一層おかしくなったロザミアとカミーユとの噛み合わない会話です。

冒頭に比べて印象が薄い最終回付近
　ロザミアもバスクも死んだので、次はいよいよ最終決戦、当時のこの種のアニメのラスト２話は「皆殺し」と決まっているので、次回はカツとバッチ中尉が死に、最後はシロッコにエマにレコアにジェリドにヘンケン艦長が死ぬという感じだが、ここまでけだるい話を連々とやられてくると、このあたりではもう疲れてしまい、「やっぱこれなの」と重たく気怠くゼータガンダムは最終話に突入するのだった。

カオルのひとこと：カミーユに代わってゲーツ・キャパを「お兄ちゃん」と思い込んでいるロザミア。一方カミーユはそんな彼女にフォウがダブって見えるようです。フォウの亡霊が憑依しているのでしょうか、どうもカミーユ自身の精神状態もだんだんとおかしくなっている気配がありますが、もはや第三者として観ている私たちには精神異常を来した二人の異様なやりとり、にしか見えません。

　この辺の話というのは、実に印象の薄い話が多く、実はゼータガンダムというと冒頭のガンダム強奪や母殺害、アムロの場面、そしてラストなどは比較的思い出せるのだが、ラスト付近１０話となると記憶が飛ぶというか、どんな話だったが考えこむ話が多いのである。全体的な位置づけがきちんとしてないし、話も纏めて１話でやったらというほど薄い、展開はかったるく見ていてストレスが溜まる。この話も見た途端に筆者の記憶から飛んでしまった。
(レビュー：小林昭人）

カオルのひとこと：実はさして重要な働きをしているわけでもないパイロット一人に主人公が手こずっている間に、アーガマの乗組員、トーレスがアクシズの通信施設を使ってグリプスにいるラーディッシュと連絡を取り、グリプスのコロニーレーザーを発射して落下するアクシズのコース変更に成功します。で、ものの５分もかからずに、冒頭のナレーションで煽っていた深刻な事態は回避されてしまうのでした。そんな混乱の中でシロッコ配下のレコアに撃沈させられるバスク大佐のドゴス・ギア。敵の少女を撃つのに主人公は悩みまくり、一方女性陣は寝返った挙げ句寝返り先の司令官になんのためらいもなく銃口を向ける。印象が薄い、ということもありますが、むしろ記憶することを拒否したくなるようなお話しなのでした。

評点
★　位置も悪いし話も悪い。（小林）
★　残り２話とは思えない展開。（飛田）

関連レビュー「ガンダムＡＧＥ第　４８話　「絶望の煌めき」脚本：日野晃博

あらすじ
　ゼハートは、セカンドムーブに要塞ラ・グラミスを結合し、再度ディグマゼノン砲を発射することを命じる。そしてフラムに、射線上にガンダムをおびき出すよう指示。友軍もろともガンダムとディーバを葬り去ろうとする。この動きを察知したフリットは、ディーバのクルーを全員退艦させ、自らガンダムで出撃。ディグマゼノン砲は発射され、ザナルドなどヴェイガンの艦隊を巻き込みつつ、ディーバも撃沈。しかしゼハートはガンダムの無事を知り、狂乱してついに自ら出撃。アセムの前に果てるのだった。

Ａパート：ディグマゼノン砲発射準備、ディーバ乗組員退艦
Ｂパート：ディグマゼノン砲発射、オブライト、フラムの死、ゼハート狂乱死

コメント
　次が最終回だということで、ストーリーもクライマックスである。前回連邦軍が大砲をぶっ放したので、今回はヴェイガンの番。そんな感じで話は進む。ゼハートは味方もろとも連邦軍の戦艦とガンダムを一掃しようとし、部下のフラムにガンダムをおびき出す役目を命じる。フラムには、ガンダムをディグマゼノン砲の発射線上に釘付けにしておけ、と言うのだが、つまりフラムもガンダムと一緒に死ね、ということである。死んでいった仲間の亡霊に語りかけられるなど、ゼバートはすでに錯乱しているようである。
　彼の計画どおりディグマゼノン砲は発射されるが、事前にそれを第六感で察知したフリットにより、ディーバのクルーは全員退避し、フリットとキオのガンダムも、フラムの相手をアビス隊長の敵討ちに燃えるオブライトがしてくれたために、無事退避。ディグマゼノン砲の犠牲になったのは、連邦軍キャラではオブライトのみ、という結果に終わる。一方フラムはガンダムを釘付けにするどころか、雑魚キャラと討ち死にである。死の間際に、妄想でゼハートと会話してゼハートに対する愛を告白するが、亡霊妄想トークは本シリーズ定番の迷場面である。ネットでは酷評されて久しいと思うのだが、スタッフはこれを「感涙場面」と思って入れているのだろうか。過去作品に学ぶときは、過去作品がどう評価されているかも学ぶべき、と思うのであった。

評点
★　 大砲をぶっ放すより他に、戦争の仕方をしらないのだろうか。いろんな面で、退化している。

その他のＺレビュー
「機動戦士Ｚガンダム回顧録」 Ｚ第４８話レビュー
「パラレルユニヴァース」 Ｚ第４８話レビュー

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