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機動戦士Zガンダム第42話「さよならロザミィ」遠藤明吾

あらすじ
 再びサイド2に攻撃を仕掛けるティターンズ、バウンド・ドックを与えられたロザミアはティターンズの強化人間としてカミーユを襲う。一方、13バンチ襲撃を知ったシャアは単身コロニーに侵入し、ミネバの近臣ラミアと再会するのだった。

Aパート:毒ガス作戦パート2、ロザミア再登場
Bパート:ロザミアと戯れるカミーユ、13バンチ全滅

またもや毒ガス、今度は陽動作戦?
 また解説を聞かないと分からないが、前回の非道な毒ガス作戦はティターンズに取っては「陽動作戦」で、その間にコロニーレーザーでエウーゴの拠点グラナダをズビビという計画だったらしい。いいかげん本編でちゃんと説明しろよ。
 前回で1コロニーを潰しただけでは飽きたらず、今度は別の部隊がコロニーを毒ガス攻撃に掛かる。先鋒にいるのはあのロザミア、すわ戦いか、と、思いきや、Zガンダムとバウンド・ドックは組みつ解れつサイド2の13バンチ(牛さん馬さんがいたコロニーである)に着陸し、池の畔でカミーユはロザミアと戯れるのであった。だいたいこんな話で全体の3分の2である。その間にクワトロとエマはティターンズ相手にドドドガガガと戦っている。が、そのうちにクワトロも戦線を離脱し、ハイザック退治の仕事はエマに任されるのだった。

カオルのひとこと:実は大事な話は冒頭の解説で説明してくれるZガンダム。本当はこれだけ観ていれば、本編は痴話ゲンカと体勢に影響のない局地戦というか個人戦みたいなものなので、ストーリーは分かるのです。本編は、ロザミアをアーガマに連れ戻そうとするカミーユのお話し。なんでこのヘンな少女にこうも執着するの?と思ってしまいます。

戦闘そっちのけのカミーユとクワトロ
 強化人間ロザミアはどうも情緒的に不安定らしく、ティターンズ兵士としての記憶とカミーユらとの思い出が交互に現れ彼女を苦しめる。彼女を戦艦アーガマに連れ戻そうとするカミーユだったが、そこにロザミア監視人ゲーツ大尉が現れ、救出は失敗に終わるのだった。
 戦列を離れ、かつてミネバのいた山荘を訪れるクワトロ大尉だったが、そこでアクシズ時代の侍女ラミアと再会する。クワトロのアクシズ時代というのは今一歩良く分からないのだが、そこではシャアはキシリア殺しの下手人のくせに「〜さま」付けで呼ばれる御身分だったらしい。G3ガスで死にゆくラミアにシャアはミネバを託される。どうもハマーンの教育方針が歪んでいることは侍女の間でも既知のことだったらしい。そのハマーンをミネバの代理人に指名したのはシャア(CDA)なので、レコア修正拳同様、自業自得で再び苦悩するシャア大佐である。元はといえば全部こいつが悪い。

カオルのひとこと:戦場でロザミアと再会したカミーユは、例によって彼女を説得して改心させようと、戦闘を放棄して彼女を13バンチコロニーへ連れ込みます。そこでなぜか、仲良く兄妹モードに。しかしロザミアには監視の男ゲーツ大尉がついており、彼女の「お兄ちゃん」モードは解除されてしまうのでした。クワトロはミネバの行方が気になったのか、彼女が泊まっていたお屋敷へ。主力の二人がこの様で、エウーゴは大丈夫なんでしょうか。

 と、まあ、このくらいしか内容のない話なのだが、しかしもう42話、最終回まであと8話なのである。ナレーションから類推するに、どうもコロニーレーザーを巡るグラナダ上空での大決戦で終わりとなるらしいが、前回のアポロ作戦と大差ないようなこんな「ちゃちい」戦いがラストだと思うと、残り8話を見る気力も削がれるというものである。ここはもっとドンドンバチバチやっておらねばいかんパートなのだ。
(レビュー:小林昭人)

カオルのひとこと:正気に戻ったロザミアは、カミーユに容赦なく銃口を向けます。彼女を撃とうとして撃てないカミーユ。結局ロザミアをアーガマに連れ戻す彼の試みは失敗し、ロザミアはティターンズ部隊とともに去ってゆくのでした。またも毒ガスの餌食になった哀れなサイド2の住民たち。これは、エウーゴの拠点グラナダをコロニーレーザーでやっつけるための陽動作戦ということですが、グラナダにあるエウーゴの拠点って一体誰がいるのでしょう。メラニー会長とウォンぐらいしか思い当たりません。コロニーレーザーで焼かなければいけないような大規模な拠点がそもそもあるのかどうか、実感がまったくないのです。

評点
 ロザミア話はウンザリ。(小林)
 この話で終わりと思ったのに、ロザミアでまだ引っ張る気ですか。(飛田)


関連レビュー「ZZ第42話 コア3の少女(前編)」脚本:鈴木裕美子

あらすじ
 ハマーンの根拠地コア3に近づくネェル・アーガマ、鉱山衛星を通じてコロニーに侵入したジュドーは強化人間にされたキャラと再会する。

Aパート:コア3に接近するネェル・アーガマ、鉱山衛星潜入
Bパート: 反乱軍の蜂起、ジュドー対キャラ

コメント
 ラスト付近の割にこれといった悪そうな敵がいないので、グレミーが翻意を起こすエピソード。ま、そんな大それた事を考えずに毎週毎週ガンダムが悪い奴を倒す話でも300話くらい作れるけどな。ネオジオンはどうも民衆の不満を買っているらしく、ジュドーらが潜入した鉱山衛星で強制徴用(含む子供)された鉱山労働者には粗末な食事と強化されたキャラの暴力で不満が鬱積している。なお、キャラは強化されてもジュドー以下ネェル・アーガマのクルーのお友達である。しかし、目の前に敵がいるのに何で捕まえないんだネオジオンの諸君、そこにプルツーが現れ、話がさらに分からなくなる。どうも労働者たちは反乱を企てているらしい。良く見ると鉱山労働者というのは世を忍ぶ仮の姿で、実は反戦運動のレジスタンスだったらしい。「子供だけだから潜入しやすい」とか何か聞かなかった方が良いような話がチラホラあるが、まあ、1話限りのお話である。
 しばらく出なかったキャラの実情も良く分からないまま、説明不足で話は続いていくが残りはキャラとジュドーのモビルスーツ対決。なお、キャラの部下の美形士官はシロッコの声優の人なので、声だけ聞いているとキャラがシロッコを従えているように見える。
 このままでは話がまとまらないのでラストはルーらがプルツーに誘拐されて終わる。たぶん色々詰め込み過ぎたのだろう。次回がジュドーとハマーンの再対決だろうというのは凡そ想像はつく。
(レビュー:小林昭人)

評点
★★ かなり混乱した作風、話としては破綻寸前。


関連レビュー「ガンダムAGE第 42話 「ジラード・スプリガン」
      脚本:加藤陽一

あらすじ
 アセムとの一騎打ちに手こずるゼハート。そこへ約束どおり、ジラード・スプリガンが出撃し、キオとフラムとの戦いに割り込んでくる。アセムはゼハートにイゼルカントの真の目的を説いて彼から離れさせようとする。キオもまたジラードとの話し合いを求めるが、彼女には連邦軍から寝返ったという過去があった。

Aパート:ジラード・スプリガン出撃
Bパート::ジラードの過去話、フリット参戦

コメント
 41話の最後に、観たことのないペパーミントグリーンの髪の女がチラチラしていたが、それが今回の主役である。ゼハートに偉そうな口をきいているが、実は元連邦軍のテストパイロットで、ヴェイガンに寝返った女なのだった。寝返った理由は、同僚で将来を約束した恋人だった男性を、Xラウンダー能力を引き出すシステムのテスト中、システムの暴走による事故で失ったからだという。キオとの戦闘中、こうした彼女の一連の過去話が回想シーンとして挿入される。ほとんど、この回想がメインと言っても良い話である。
 ヴェイガンに寝返った理由は、連邦軍が事故をパイロットの過失とみなし、システム暴走という事実を認めなかったことに失望したことによる。話の流れは、ヴェイガンも連邦もどっちも悪い、正しいのはボクたちだけだ、というふうになっていきそうな勢いである。穏やかで争いを好まない優秀な人間だけを残して、残りは全滅だー!というイゼルカントと、実はキオは表裏一体、似た者同士ではないかと思えてくる。ひいてはそれが、恐らく作者の考える「あるべき理想」なのだろう。

評点
★★ 設定は良いとしても、回想シーンばかりに頼る展開はいただけない。


その他のZレビュー
「機動戦士Zガンダム回顧録」 Z第42話レビュー
「パラレルユニヴァース」 Z第42話レビュー


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