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■機動戦士Zガンダム第40話「グリプス始動」遠藤明吾
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あらすじ
グリプスのコロニーレーザーの動きを探りに接近する戦艦アーガマ、偵察に出たカミーユたちはシロッコのメッサーラと交戦するが、交戦の最中、カミーユらはメッサーラのパイロットが死んだはずのレコア中尉であることを知る。一方、コロニーレーザーを完成させたティターンズはその照準をサイド2の一コロニーに合わせていた。
Aパート:コロニーの解説、アーガマのグリプス偵察
Bパート:レコアとアーガマ団の邂逅、コロニーレーザー発射
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もう40話? まだ40話?
冒頭からわけも変わらずコロニーの解説。これが第4話と言われても違和感ないような始まりで、それから前話でアーガマにまで乗り込んできたロザミア、いつになったらこの物語はちゃんと始まるのだろう。もう40話だ。それからレコアを口説くシロッコ、ああ、もう40話だったな。この女は10話では味方だった。
で、偵察に出たアーガマ団(カミーユ、エマ、アポリー)だが、あっちこっちに絡むこの女(レコア)のせいで、ビビりまくり動揺しまくる戦艦アーガマとそのクルーに、裏切りレコアから「ばあ」とコロニーレーザー落成の情報がもたらされる。ご祝儀を送る間もなくティターンズはサイド2に急行、デス・スターを手にしたダースベーダーよろしくバスクはコロニーに照準を定めるのであった。
Zガンダムから続くこの作品の悪習、「戦闘中に会話する主人公と敵」というパターンの最初はレコアとカミーユで、脚本が遠藤なのでシーンはそれなりに泣けるし見られるが、その後、この馴れ合いパターンは最終回まで何度も何度も繰り返されるので、最終話付近では食傷すら感じるものである。
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カオルのひとこと:13バンチコロニーからアーガマに乗り込んできたロザミア、なぜ彼女を平気で軍艦に乗せるのか謎ですが、スパイであることさえ疑わない不思議なアーガマ乗組員です。一方ティターンズではレコアが始動。シロッコに口説かれて、いよいよ戦場へお出ましです。ウラでは、ティターンズのコロニーレーザー発射用意が進んでいるようですが前半のメインは痴話ゲンカというのはここでも変わらず。
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エウーゴを前に葛藤するレコアに抱く疑問 男を求めて脱走したレコア(クワトロが情けないので)の行動がエマと対比されるが、エマはともかくレコアの行動は筆者が見ても分からないものである。交戦規則について説明するのはこの稿の目的ではないので説明しないが、そもそもティターンズが大量殺人者の集団だということは彼女には分かっていたはずである。要はクワトロに対する当て擦りなのだが、戦艦グワダンではシャアを庇って銃弾まで受けたこの女性、どうせ当て擦るなら整備中に百式のネジを外すとか、プラグを抜いておくとかした方がより確実に復讐できたのではないだろうか。これも今一歩盛り上がりに欠けるのでリアリティを無視してこじつけられたプロットと言えなくもない。
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カオルのひとこと:コロニーレーザー偵察のために出撃したカミーユはレコアと遭遇。戦闘となり彼女を追いつめます。そこでなぜか、戦闘中なのにモビルスーツを降りた二人は会話を始めます。コロニーレーザーが完成しているとカミーユに告げるレコア、裏切ったことの後ろめたさでしょうか? どうして、と泣いてレコアにすがるカミーユ、戦闘中のメロドラマに戸惑うことしきり。偵察そっちのけでしたが、結果的には情報ゲットという場面ではありますが。
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コロニーレーザーが照射され、またしても無慈悲に大量の人命が奪われる。ファーストのレーザー照射は侵攻する地球連邦艦隊を迎え撃つものであった。しかし、この作品のティターンズはスペースノイドなら誰でも無慈悲に大量殺戮しているようであり、レーザーで焼かれたのは同じ地球連邦の国民である。こういったプロットを成り立たせてしまう点、この作品の制作者には何か歴史や人類に対する根本的な誤解、文明観の欠如が感じられ、こんな人物が影響力のある番組を制作していた80年代の子供たちは不幸である。
(レビュー:小林昭人)
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カオルのひとこと:レコアと遭遇してコロニーレーザー完成の情報を得たことをブライト、クワトロ、エマらに伝えるカミーユですが、「ここだけの話」にされてしまいます。一方のティターンズ、バスク大佐は着々とコロニーレーザー発射準備を進めています。といってもエウーゴの大艦隊が結集しているワケでもなく。狙いはサイド2の18バンチコロニー、エウーゴと中立コロニー住民に目にもの見せてくれるわー!というわけです。こういう話、初めの方にも中盤にもありました。前の話でクワトロがコロニーの壁に穴を開けまくっていたのはおとがめなしで、レーザーで穴の開いたコロニーにショックを受けるブライトさん。40話になっても大戦争は始まらず、コロニー住民を殺戮してばかりの二陣営なのでした。
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評点
★ 不必要に残酷、また痴話ゲンカ。(小林)
★ 戦いでなく脅しのためのレーザー発射。最初の頃から進歩せず。(飛田)
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関連レビュー「ZZ第40話 タイガーバウムの夢」脚本:鈴木裕美子
あらすじ
ネェル・アーガマは救助した民間人を下ろすため中立コロニー「タイガーバウム」に入港する。コロニーの支配者スタンパはネェル・アーガマの華麗すぎる女性陣に目をつける。
Aパート:タイガーバウム入港、ジュドー女装
Bパート:サラサ対ハマーン、ジュドー対ハマーン
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コメント 観光政策を取るタイガーバウム、総統のスタンパをはじめ警備員まで何か憎めない人たちがいるコロニーだが、個人的にはこういうのは好きである。ジュドーの様子を探りに来たハマーンだが、天敵ムーン姉妹に動揺しまくるのが意外で面白い。仏像替わりに飾られている旧式モビルスーツに乗って立ち回りを演じるジュドーとハマーンやクルーを救出するために女装するジュドー以下ネェル・アーガマ男性陣などお笑い要素も盛り沢山の回である。
「ぐははアーガマめ、こんなに美女が揃っているとは」、スタンパの哄笑にむず痒い気分になりつつ、ビリビリと心理戦を演じるサラサとハマーン、サラサはともかくハマーンの心情描写はあまりなかったため、ある意味コミカルだが貴重な回でもある。
肝心の主役ジュドー(ズゴック)とハマーン(アッガイを操縦している)との立ち回りは後段まで持ち越されるが、これがまた緊迫感がある。旧式のズゴックでハマーンを串刺しにする直前でアームを止め、ハマーンを殺せないジュドーにニヤリとする場面は秀逸。この場面でハマーンはZZの女王の座を不動にしたのではないだろうか。場所とプロットがもう少し良ければ、五ツ星をやれたのだが、、
(レビュー:小林昭人)
評点
★★★★ ハマーンの魅力全開の回、個人的にはZZでは好きな話。
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関連レビュー「ガンダムAGE第 40話 キオの決意 ガンダムと共に」 脚本:日野晃博
あらすじ
キオ救出劇から1ヶ月後、地球連邦軍はヴェイガンに奪われたルナベースを奪還するため、作戦行動を開始する。戦闘に向かうキオはこの1ヶ月を回想する。アセムは妻と再開し、フリットと面会して宇宙海賊になったいきさつと、現在の目的を打ち明ける。アセムとキオにとって、ヴェイガンは憎むべき敵ではなくなっていたが、フリットにとっては違っていた。ヴェイガン殲滅を唱える彼と息子、孫との考えの違いが鮮明になる中、キオは自分なりのやり方で戦い抜くことを決意する。
Aパート:キオ救出後、父、母との再開、アセムとフリット面談
Bパート:ルナベース奪還作戦開始、キオとフリットの対立
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コメント お話しが、いきなりルナベース奪還作戦から始まるので「とうとう1回見落としてしまったか」と思ってしまった。しかし観てみると、「あれから1ヶ月後」から話が始まっていたのだった。今回は、その1ヶ月に何があったか、という話をはさんで、戦闘が始まってさあどうする、というところで終わる。つなぎのお話しである。なぜアセムは宇宙海賊になったのか、という重要なエピソードもあるが、すべてフリットとの味気ない会話で片付けられる。
キオ救出でフリットとアセムが再会する。しかし「めでたし、めでたし」とはならないのがこのお話し。世代間ギャップが一つのテーマとして急浮上してくる。アセムは宇宙で遭難し宇宙海賊に助けられた後、連邦軍に戻らなかったことについて、ヴェイガンとエグザDBのことを知り、どちらの陣営にもつかずに両者の均衡を保つべきだと考えたからだ、と主張する。要するに、どっちの味方でもない第三勢力だといいたいらしい。
結果、ヴェイガンを殲滅したいフリット爺と、どっちつかずで漁父の利を得ようとするアセム、相手を殺さず戦おうとするいい子ちゃんのキオ、親子三代大分裂という構図が明らかになる。そんな中で、いきなり大量破壊兵器を持ち出そうとしてフリット爺はディーバのブリッジで一悶着起こす。イゼルカントといい、面倒なお爺さんたちに振り回さされる若者たち、という構図がなんだか今のどうしようもない日本社会を象徴しているようではある。
評点
★★ 息子と孫から反発される哀れなお爺さん。一体この話、どこへ向かうのだろうか?
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その他のZレビュー
「機動戦士Zガンダム回顧録」 Z第40話レビュー
「パラレルユニヴァース」 Z第40話レビュー
関連リンク
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