MUDDY WALKERS 

An another tale of Z

 ATZ用語集

 き

キーボード

 ガンダム世界では良く用いられている現在のパソコンと同じQWERTY配列の入力装置、本作品ではより入力速度の速い「キーセット」に取って代わられているため、この形式の入力装置はほとんど用いられていない。(小林)

議員会館(ニューヨーク)

 この時代のニューヨークは政治都市であるが、この議員会館は下院議員の定宿としてジャミトフら議員が居住している。通常の宿泊施設の他、オフィスや客間、運転手つきリムジンの操車場などもあり、充実した設備は地球各地の代表が逗留するのにふさわしい内容を持っている。(小林)


旗艦(フラッグシップ)

 戦列艦の時代から、指揮官の乗る船には座乗を示す特別な大旗が立てられたが、これは電気通信の無い時代の命令伝達は専ら司令艦からの旗旒や手旗信号に 拠っていたことの名残である。艦隊の中心であり、概してその国で最も新しく、最も大きな艦が選ばれる。スーパーマーケットの旗艦店はチェーンで最も大きな店である。自動車メーカーの旗艦モデルはそのメーカーで最も豪華なモデルである。ただし、軍艦の場合は特定の艦を指す言葉ではなく、司令官の搭乗が条件であり、司令官が戦死するなどして搭乗しなくなれば、どのような大戦艦でも旗艦の地位を失う。(小林)

貴族

 名称は古くからあるが、近世では軍事力を絶対君主に明け渡した封建領主が都市化し、排他的な特権階級を形成したものである。ヨーロッパでは富裕な商人や知的職業の従事者に貴族の称号が与えられることがあり、本作の主役マシュマーの祖先ヴァランタンは一代で財をなしたジェノバの商業貴族である。また、マシュマーの親友マーロウの父アミスタッドはイングランドの法服貴族である。本作のジオン公国も貴族制の国であるが、優生学を基礎にした貴族階級は本作では クロスボーン・バンガードの制度があり、第三部から登場するザビーネ・シャルは貧しい生まれながら数々のテストをクリアして貴族(ガラリエ・騎士隊長)の 称号を与えられた人物として登場する。(小林)

技術的特異点

 スペースコロニーが科学的にナンセンスであることを指摘されたオニール協会が苦しい言い逃れとして考えた人類の究極の発達段階。人間が何らかの方法で神に等しい力を手にすればコロニー建造も恒星間航行も可能になるという。これが詭弁であることを見抜けなかった福井晴敏は「ガンダムUC」を書いた。(小林)

北日本州立大学

 作品ではほとんど登場場面が無いが、日本にある地球連邦の州立大学。一応国立大学の標準的な校舎をモデルにした。作中の地球連邦は財政難のため教育予算は相当削られており、また、戦争の影響による少子化で授業料の確保も難しい。北日本州立大学は戦時中の爆撃で校舎が傾いでいるため、支柱によって倒壊を防いでいる。(小林)

棄民政策

 宇宙世紀に入って、地球連邦が増えすぎた人口を減らすために、スペースコロニーの「辺境」へ開拓民と称してビンボー人を地球から追い出したとする政策で、ガンダムの監督の富野喜幸氏や、彼にインスパイアされた作家の福井晴敏氏が作中でこのように主張している。これによれば、スペースコロニーに移住した人はさながら原野商法に騙された人であるが、スペースコロニーは原野とは違って高度な技術をもって居住に適するよう建造された空間であり、移住民が「われわれは棄民された」と被害者意識をもって訴えるようなところではないように思われる。

銀河英雄伝説

 田中芳樹のSF小説で、1982年から1989年にかけて、徳間書籍より新書版で刊行された。全10巻で、カバーイラストは加藤直之が手がけていた。銀河系を舞台に、銀河帝国と自由惑星同盟とがそれぞれラインハルト・フォン・ローエングラムとヤン・ウェンリーという知将に率いられて戦いを繰り広げるという、壮大なストーリーで人気を博した。本作はしばしば、「銀河英雄伝説」に似ている、と評されるが、似ているのは一部の国家の名前、戦闘の主体が艦隊戦であることと、カタカナ表記の名前の人物が多数登場すること、といった表面的な部分にすぎず、ストーリーの根幹や取り上げられているテーマ、世界観などは大きく異なっている。

銀河建設戦士スターガイアン

 一年戦争勃発前、ジオン公国で内務省が外惑星開発を若者に啓蒙するため、サンセット社に委託して制作された特撮アニメ。第一話の脚本は、人気作家のジャミトフ・ハイマンが担当し、プラモデルが人気商品となった。最初の放映から30年近くたってソロモン共和国で再放送が始まったが、それは人気があるからか、何か他の意図があるのかは不明である。

吟遊詩人

 10世紀から15世紀の中世ヨーロッパで活躍した叙情詩人の一派で、国々をめぐって歌と詩を作り、弦楽器を奏でながら宮廷などで披露した。15世紀以降宮廷では専門の宮廷楽師が雇われるようになり、こうした一派は衰退していったが、人類が宇宙に進出し宇宙大航海時代を迎えると、宇宙船に乗り惑星や衛星、コロニーをめぐってはその土地や人々の情景を詠むという作風が復活し、吟遊詩人として活躍するようになった。

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