MUDDY WALKERS 

ボディガード 

ボディガード 1992年 アメリカ 130分

監督ミック・ジャクソン
脚本ローレンス・カスダン

出演
ケヴィン・コスナー
ホイットニー・ヒューストン
ゲイリー・ケンプ
ビル・コップス
ミシェル・ラマー・リチャーズ ほか

スト−リ−

 元大統領のSS、フランク・ファーマー(ケビン・コスナー)は、人気スターのレイチェル・マロン(ホイットニー・ヒューストン)がストーカーに狙われていることから、ボディガードを頼まれる。渋々引き受けたフランクは、レイチェルの自分勝手でわがままな態度に辟易。レイチェルも何かと行動を制限しようとするフランクに腹を立てる。しかしナイトクラブでのライブで大勢の観客に暴行されそうになったところをフランクに助け出されてから、彼に惹かれるようにな る。一度は彼女の求めに応じたフランクだったが、恋愛関係を持った相手を守れないと、それ以上の付き合いを拒絶して任務に徹する。フランクの態度に傷ついたレイチェルはますますわがまま放題を繰り返すが、ストーカーの魔の手はそんな彼女に忍び寄ってきて…。

レビュー

 公開当時、人気絶頂のケビン・コスナーとホイットニー・ヒューストンが共演する恋愛映画ということで、女性を中心にかなり話題を集めた映画である。
 サスペンス風味のラブストーリー ということで、展開は読めるが、深く考えずに楽しめる映画として仕上がっている。難を言えばフランク、ストイックなボディガードと謳いながらレイチェルと 簡単に寝過ぎ。レイチェルがフランクを好きになるのはエエけど、フランクの方の気持ちをもう少し隠しておいた方が、ラブストーリーとしても盛り上がったのでは? デートのあとの展開はいかにもハリウッドのお約束的で白けてしまう。そしてクライマックスのアカデミー賞授賞式までの間も、ちょっと退屈するようなところがあった。もう少し、ストーカーに狙われている恐怖がじわじわ迫ってくると良かったのだが…。
 しかし、あんなふうに身を挺して自分を守ってくれる男性がいるというシチュエーションは、実にいい。ヒットした理由は、そういう女心をたくみに捉えたストーリーと、ケビンのかっこよさにあると思う。それからもちろん、ホイットニーが歌う主題歌ですね。全体的に音楽がウザい感じだったが、主題歌の使い方だ けは良かった。それと、二人が黒澤明の「用心棒」を観た映画館が「アタシ」というのには笑った。ネットで「シアターと書きたかったんだろうな」という意見 があって、納得した。
 しかし、犯人の動機は難だったんだろう。レーガン大統領が狙撃された時SSだったフランクは非番だった。そのことが彼の心の傷として残っていると同時 に、元同僚との関係のひずみにもなっているのかなあと思った。犯人はむしろ、フランクを窮地に追いやるためにやったのか?と。そういう部分のドラマの方 が、今は観てみたい気がする。ちなみにレーガン大統領の狙撃犯はジョディ・フォスターのストーカーで、映画「タクシー・ドライバー」を観て犯行を思い立っ たというのは有名な話。そのヘンをもっと掘り下げたら、サスペンスとして深みが出たかも?

評点 ★★★ 


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