Mobilesuit Gundam Magnificent Theaters 2005.

An another tale of Zeta・・・INTERVIEW


(インタビュー 2014/01/11)




機動戦士Zガンダム ハヤト・コバヤシさん
※本作の記述とは関係ありません。


はじめに

ハヤト: 皆さんこんにちは、カラバのハヤト・コバヤシです、ATZのインタビュアーを務めています。

小林: 作者の小林昭人です。

ハヤト: さて、年頭から手詰まり感の色濃く漂う2014年ですが、消費税も上がる折、今後のサイトの方針についてと。

小林: 2013年は何かイマイチな年だったからね。

ハヤト: とりあえず、このサイトの歴史から振り返ってみましょうか。


1.8年前には脚本家の役割を指摘する人は誰もいなかった

小林: これは本当でさ、8年前といえば、ガンダムディスティニーをやっていて、Zガンダム映画版の制作が水面下で進んではいたけど、ネットにある二次創作小説はといえば「原作準拠」が金科玉条で。ヤマト2199みたいにオリジナルそのものを直そうなんて考える人はいなかった。

ハヤト: 脚本については、小林さんは「作風の違い」といって早くから指摘していましたね。ガンダムは総監督の富野由悠季氏の作品ではなく、安彦良和や脚本家の星山博之らの合作だと。

小林: あと、戦中派の日本サンライズの役員もいるよ。この辺はもう鬼籍だと思うが、とにかく、これは富野だけの作品じゃない。

ハヤト: 当時の資料集とか、何か根拠があったんですか?

小林: いや何も、けれども富野の書いた小説とかZガンダムとかと比べると作風が別人というくらい違っていた。だから可能性として指摘したんだよね。

ハヤト: 今や2ちゃんねるでは通説化していますね。出所はこのサイトだと思うんですが。ま、Addictoeさんのように、当時の資料とかをひっくり返した人もいるでしょうね。

小林: 言いたいことは、8年前はそれはコアなファンや関係者は知っていたかもしれないが、8年前にそれをネットで主張する人は誰もいなかった。ウチが最初だよ。

ハヤト: 今ではアニメやドラマを評論する際に、監督だけでなく脚本家の力量も問題にするのは常識化していますね。

小林: 実写作品だったら俳優も問題にするけどね、私が特に強調したのは、アニメ作品の場合はアフレコの時点では絵が上がってないというケースがほとんどだということだ。ラジオドラマと同じで、こういうのは現場でいくらでも変えられるんだよね。そういう特殊事情を踏まえた話として説明した。


映画・三谷幸喜「ラヂオの時間」

小林: まあ、この映画自体はトゲトゲしい、見ていて嫌になる作品だけどね。

ハヤト: サイボーグ009とか銀河鉄道999の時代はこんなじゃありませんね。

小林: ガンダムは原作のない作品だったから。ある時期までは原作者というのは特別な立ち位置で、ガンダムの時代では上の映画みたいなことはなかったが、この作品はそもそも依拠する原作がなかったので。それも特殊性として指摘したけどね。

ハヤト: いずれにしろ、ATZ執筆の時点では、小林さんには原作(ファースト)をいじろうという考えは全然なかったと。

小林: 二次創作家の中にはそういう人もいたよ、でも、それは例えば「一年戦争は短すぎる」といった設定レベルの話で、作品それ自体の根本をいじろうという人は、当時は私も含めて誰もいなかったんじゃない。これは神棚に飾っておくもので、いまさら変える必要も意義もなかったからね。

ハヤト: それは今でも言えそうな話ではありますね。2199の惨状を見ると、、、


2.オリジナルのいじり方(スタートレック、トランスフォーマーとヤマト2199)



ハヤト: JJエイブラハムさんの作品はそんなに叩かれていませんね。

小林: カークが脱出船で生まれるとか、バルカン星が破壊されるとかぜんぜん違うんだが、その辺色々言う人はいなさそうだよね。

ハヤト: オリジナルではバルカン星は破壊されていないでしょう。

小林: オリジナルの宇宙怪獣も出ないけどね。しかし、同じくストーリーを大幅に変えても、こちらは受け容れられて、2199はダメというのは何だろう?

ハヤト: ある意味、隙間狙いですよ。オリジナルではカーク船長は最初から船長として登場していました。若い頃の彼がどうだったかは実は本編では語られていない。つまり、ファン設定で補完された部分だったのですよ。ヤマトは本編をいじってしまった。

小林: そういうわけで、放映以来50年間誰も知らなかったカークの少年、青年時代から始まって、オリジナルを少し変えたストーリーをおずおずと始めると、監督も「パラレル・ワールド」と明言しているし、このくらい丁寧にやれば、ファンでもトレック知らない人でも入っていけるよね。


青年時代のカークが登場する新作トレック

ハヤト: 2199はまあ、いじっちゃいけないところをいじっていますからね。それがファンの神経を逆撫でしたと。

小林: そもそも元のヤマトと違う話をやりたいにしても、最初からいじったんじゃ世界観の違いに入っていけないし、説明も中途半端だし、何より元作品に対して失礼だよね。いや、エヴァンゲリオンみたいなヤマトをやりたければやればいいんだ。しかし、やるなら何で2199の世界がエヴァンゲリオンみたいになったのかきちんと丁寧に導入で展開しなきゃいけない。

ハヤト: それは全くなかったでしょう。それにエヴァンゲリオンみたいなヤマトと前振りされたら小林さん見ないでしょう。

小林: 私だけじゃなく、昔のファンの大半が見ないんじゃないか。

ハヤト: スタートレックについてはAddictoeさんのサイトが詳しいので、そちらに廻しましょう。



6.場違いな場所に来るな2199シンパ その1(インタビュー121より転記)



出渕 「宇宙戦艦ヤマトをやり仮面ライダーをやり、ガンダムもマクロスもエヴァにも携わったから。あとはゴジラとウルトラマンに関われたら、僕の人生はコンプリートです(笑)。」

小林: アンチが聞いたら怒り狂うような台詞だな。やるのは結構だが、奴の通ったあとは死屍累々で、、責任を取るという考えがあるのかコイツ。

ハヤト: それは言えますね、ヤマトなんかひどいじゃないですか。

小林: 神奈川県に住んでいるのかな? 変な奴にバイクブログに出没されて困っているんだが。

ハヤト: ま、中身はデザインの話ですね。

小林: それにしても、車のデザインの話をしているのに、ブルーノ・サッコとか偉大な先達の話がまるで出てこないのは、ホントに知らないんだな。

ハヤト: 今の車のデザインはクリス・ハングルにヴァルター・デ・シルバのデザインがトレンドですね。ま、この人たちは本職の工業デザイナーですから。

小林: 比べちゃいけないよね。

  
超一流のデザイナー、サッコ、顔もスタイリングも負けている出渕。(右)ザンバラ髪がセンス無いホンダデザイナー

ホンダ(西本)「今の東南アジアから生まれるものは、たとえば現在の日本とくらべてどうかというと、もはやほとんど差がない。というか、向こうのほうがパワフルです。」

ハヤト: ダメダメじゃないですか。

小林: 東南アジアがこれなら、中国や韓国はもっとパワフルだろうな。関係ないバイクの話をしているのに、2199のシンパがバイクブログにまで乱入してくる理由が分かったぞ。

ハヤト: 関係ないと思っていましたが、多少は関連(バイク)があったんですね。

小林: コイツもこうしてやれ。



ハヤト: 年末の逝った人特集みたいですよ。年頭なんですがね。


3.場違いな場所に来るな2199シンパ その2

 

小林: ま、ショーン・コネリーみたいなサッコと比べるとステーィブ・ジョブスか松本零士のパクリみたいな格好の出淵はぜんぜん違うな。

ハヤト: オレンジの襟巻きが「違いの分かる男」ですね。やっぱデザイナーはこうでないと、、そう言えば出渕さんの服装にはアクセントが無いですね。

小林: ま、原風景からして違うからね、左がローマ市、右がトヨタの故郷豊田市。

 

ハヤト: やっぱ幼少の頃からの原体験がデザインに影響するのでは、、

小林: まあ、我々が非難しているのはデザイナーとしての奴ではなく、監督としての無能さなのだが。で、サッコといえばW201が有名だ。彼自身、一番のお気に入りと言っているしね。メルセデスのコンパクトセダンで、実車は私も良く知っている。

ハヤト: いきなりデザイン教室ですか。

 
サッコの代表作 メルセデス190E(W201)、右はアウディA6

小林: 190Eは今見ても素晴らしいデザインで、ホント、額縁に入れて飾っておきたくなるね。これを超えるデザインなんかウン十年に一度しか出ないよ。で、右は20年後のアウディ、もちろん写真では、こちらの方が技術が進んでいるから、スマートでカッコ良く頭良さそうに見える。が、これは実は違うんだな。サッコが「お気に入り」というほどのデザインは実は並のデザインじゃない。

ハヤト: 写真だけ見て議論したら190Eを支持する方はどう見ても「懐古厨」でしょう。ま、2199ヤマトに対する原作ヤマト支持派みたいなものですか。

小林: デザイナーもこれを比べたらA6の方が「勝った」と思うと思うよ。でも、190Eは全長4.4メートル、A6は全長4.8メートル、40センチも違うんだ。もちろん幅も高さも同じくらい違う。サッコのクルマの方がずっと小さいんだよね。実際、中も190EはA6より狭くて小さい。

ハヤト: 窮屈じゃなかったですか?

小林: 快適性ではどう見てもA6の方が上だが、大事なことは、サッコのクルマは4ドアセダンを成り立たせるギリギリの大きさで、「ちゃんとベンツに見える」ということだな、品格さえ漂っており、ホントにこれはギリギリなんだ。で、同じデザインをA6を手がけたアウディのデザイナーがやるとこうなる。


アウディA4

小林: こちらは全長4.5メートルで、ほぼ190Eと同じくらいの機能、居住性のクルマと見てよいが、「人間が5人乗れる大きさ」で4ドアセダンをデザインすると、実は車体を大きくしないと上みたいにボテッとしてしまうんだよね。A6は大きいからあのデザインでできたんだ。A4の方はボテッとしていてグラマン戦闘機みたいだし、それでいて居住性もそんなに良い感じじゃない。囲まれ感も190Eよりずっと強いんだ。190Eがフォッケウルフとすると、アウディの方はメッサーシュミット戦闘機のような。運転席から見た風景はA6でようやく並ぶ。

ハヤト: つまり、写真で比較しただけじゃデザインの良さは分からなくて、実際に乗って使って初めて分かると。

小林: 機能を妥協しないできちんと備えた上で、均整の取れたあのデザインだったから190Eは凄いんだ。A6も機能とデザインはちゃんと備えているけど、そのためには5メートル近い全長が必要になった。立体駐車場に入れないし、路地裏だって取り回しにくい。何より誰が見てもこれは大きい。デザインの質では並んでも、実際には小さい190Eの方がはるかに使い勝手が良い。そこを評価しないとこれは良さが分からないよね。というより、自動車の工業デザインというのは、ここまで評価して初めて議論できるものじゃない?



ハヤト: こちらはあまりにもレベルの低い議論をしているというか、、、

小林: どちらもあまり勉強してないんじゃないか。

ハヤト: グロムにSh−modeにクロスカブとホンダさんは全部スーパーカブのエンジンを積んだクルマを並べてますから、ホントはスーパーカブを褒めてもらいたかったんでしょうね。

出渕 「これは何と言ってもヘッドライトですね。まずそこに目が行く。面取りがおもしろい。ライトって本来は機能部品だけど、バイクの場合、僕らは眼として認識します。で、光っていてほしい。」

小林: 出渕さんみたいな人じゃ、カブとかR100RSとかの機能的デザインは分からないし、評価もできないんじゃない?

ハヤト: まずは服装を変えましょう。