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機動戦士Zガンダム第33話「アクシズからの使者」遠藤明吾

あらすじ
 ネオジオンの戦艦グワダンに乗艦したウォンらはアクシズに交渉を申し込む、しかし、交渉に現れたミネバがハマーンの傀儡であることに怒ったシャアは錯乱、エウーゴ使節はグワダンに監禁され、シャアは戦艦からの脱走を試みる。

Aパート:エウーゴ団のグワダン訪問、錯乱するシャア
Bパート:エウーゴ団のグワダン脱出、ヤザン攻撃

重要な挿話だがツメが甘すぎる
 もう少し丁寧にまとめてもらいたかった回である。シャアとネオジオンの関係はこの物語のキーになる挿話で、そもそも前作の最終回でガンダムは倒したシャアがその後どういう経緯でアクシズに身を投じたのか、前作ではザビ家の一党キシリアを殺害したシャアがなぜミネバの育ての親のようなポジションにいるのか、そして、そういったジオンと縁の深い(というよりジオン軍だが)のシャアがなぜエウーゴにいるのかという説明をしなければいけない話である。
 しかし、この作品、いろいろな所でツメの甘さが目立つが、シャアに随行していた元ジオン兵士と思われるアポリーがミネバを知らなかったり、偵察に派遣した割には妙によそよそしいシャアの態度など意味不明の描写が目立つ回である。あと、シャアと因縁のあるらしいハマーンという女性との関係もほとんど描写されない。謁見からわずか数秒で錯乱するシャアに視聴者は唖然とする場面だが、男のヒステリーはみっともないぞとこれは監督富野に言ってやりたい。たぶん自分もそういうことを日頃やっているんだろう。


カオルのひとこと:謎のモビルスーツ隊を送り込んできたアクシズ。エウーゴは使節団を戦艦グワダンに派遣します。使節団といってもウォン、クワトロ、ブライトなど指揮官クラスが勢揃い。もしやられてしまったら残りは烏合の衆では?そこになぜかレコアとカミーユも。彼らは出会い系要員ですね。しかし今回の恋愛沙汰の主役はどうやらクワトロさんのようです。

一年戦争後のシャアの足跡は語られぬまま
 実はこの辺の話、外伝で現在「ZガンダムDefine」を執筆している北爪宏幸氏(作画監督)がCDAという漫画で説明している。そこでのシャアは要約するとマ・クベに救われてアクシズ要塞に落ち延び、そこでの辺境司令官マハラジャ(ハマーンの父)に認められ、幼少時のハマーンやミネバを育て、合間に地球を偵察してジャミトフらの伸長に脅威を感じた後、アクシズ内戦に勝利してマハラジャの死後偵察のために地球に向かったことになる。ここではハマーンをミネバの後見の摂政に指名したり、アクシズ軍を率いてエンツォ大佐率いる反マハラジャ軍と戦うなど実力者シャアが描かれているが、少なくとも33話にはその片鱗も見ることができない。なお、この作品でもアポリーはシャアの部下である。

カオルのひとこと:公王ミネバと謁見したクワトロは、ハマーンに操られているかのような彼女の様子に怒りを爆発。暴れ出したために兵士に取り押さえられ、使節団は監禁される羽目に。しかし、観ているこっちには彼の怒りの理由も、そもそもこの人たちとの関係は?ということもさっぱり分かりません。打倒ザビ家の野望に燃えていた彼が、今になってミネバの扱いにキレる意味が分かりません。

 前半が説明不足な上に後半のドタバタ活劇に至ってはなんともはやという感じで、結局、アクシズ軍はティターンズに着くが、これも変な話でティターンズというのは元々ジオンの残党狩りの軍隊だったはずである。地球連邦軍としてもおかしい話で、いけしゃあしゃあとハマーンと手を結ぶシロッコには開いた口が塞がらない。
 あと、この話は着ている服もおかしい。クワトロやアポリーが古巣のアクシズに戻り、ミネバに謁見するなら、彼らの服はノースリーブや地球連邦軍の制服ではなく、ジオン公国軍の制服でなければいけなかったはずである。
(レビュー:小林昭人)

カオルのひとこと:監禁された使節団ご一行はクワトロとカミーユが騒ぎを起こして脱走、戦艦内で銃撃戦を繰り広げます。ランチで脱出後は毎度おなじみの戦闘シーン。なぜか相手はシロッコの部隊、ヤザンは投網のような武器でZガンダムをつかまえでビビビと電流(?)を流して楽しんでいます。窮地をまたもやレコアに助けられ、ラーディッシュの参入もあって敵は撤退。お約束の戦闘の後、今度はシロッコがミネバ様に謁見。どうやらアクシズは彼らと手を結ぶことにしたようです。っていうか、なんで? たかだか一部隊の指揮官のシロッコにそんな決定をする権限があるのかと不思議に思いますが、「世界は女が支配するべき」が信条の彼、ミネバの椅子に誰を座らせるかを考えているのかも。

評点
 語るべきことを語っていない。ゼロでも良い話(小林)
 ここから本格的に話が分からなくなってくるのです。(飛田)


関連レビュー「ZZ第33話 ダブリンの午後」脚本:鈴木裕美子

あらすじ
 いつの間にか空を飛べるようになった戦艦アーガマはダブリンに向かう。一方、ブライトは異様なニュータイプ能力を示すプルに不審を抱く。連邦軍の高官が疎開しているブナ屋敷を訪れたブライトはそこで連邦軍の腐敗を目にする。

Aパート:ダブリンに向かうアーガマ、アリアスのアーガマ襲撃
Bパート:ブライトのブナ屋敷訪問、ファのジュドー救出

コメント
 この辺良く分からないんだが、確かミノフスキー・クラフトを積んでいない戦艦アーガマは空を飛べないはずだったのだが、それでは都合が悪いので飛べるようになったらしい。そしていつもの悪の作戦会議、ええと、何ヶ月ぶりだろうか、このZZ、話がどんどん暗くなるので途中から見る気が失せ、シナリオなど出来は悪くないのだが、構図自体の救いのなさがやはり大きい。話もゼータ化(暗い)しているし、あと15話の辛抱だ。
 「ブナ屋敷」という言葉にシャーロック・ホームズを思いだしてしまうが、その屋敷とは関係なく、ジュドー以外のその他大勢は病院で下働きをしているファと出会う。一方ジュドーはハマーンと和平を結ぼうとする連邦軍高官を殴りつけた廉でブライト共々ブナ屋敷に監禁される。腐敗した連邦高官はアーガマに武装解除を要求する。
 確かファーストでは地球連邦軍はジオン軍に勝ったはずだが、その8年後というこの作品での連邦軍の情けなさ、弱っちさはいったい何だろう、そう思える場面が続くが、これはやはりヲタクでも説明できないものだったらしく、後にヲタクたちの手によって0083など外伝が作られたのだった。そこでは連邦軍はこの話に先立つこと五年前、ジオン残党のガトーの手によって壊滅したことになっている。
(レビュー:小林昭人)

評点
★★  戦闘シーンも単調だし、いろいろな意味で疑問の多い話。


関連レビュー「ガンダムAGE第 33話 大地に吠える」脚本:日野晃博

あらすじ
 ヴェイガンは爆弾セットを完了しロストローラン基地から撤退をはじめる。その動きに疑問を感じたフリットは、遺棄された敵モビルスーツの調査を指示。6カ所に爆弾が仕掛けられていることが判明し、アビス隊が除去作業に当たる。爆発までの残り時間があと2分と迫る中、残り1つを探し出すため、キオが活躍する。ゼハートは、敵に危険回避の猶予を与えるイゼルカントの作戦進行に疑問を投げかける。

Aパート:ゼハート対キオ、フリット遺棄MSの調査を指示
Bパート:爆弾除去に向かうキオ、ヴェイガン撤退、ディーバ宇宙へ

コメント
 ゼハートが爆弾をセットした時点で、「除去にはキオが超能力で活躍」という筋は見えていた。これが、主人公に超能力が備わっていることの大きなマイナス点で、どんな難題も、結局はこの特殊能力によって解決されてしまうことが避けがたい展開となってしまう。しかし作り手にとってはある意味ラクチンな部分もある。どんな場面でも、最終的には主人公がヒーローになれてしまうからだ。
 今回はまさにそのパターンだったが、展開に工夫があり、なおかつ目先の敵ゼハートを倒すことに無我夢中になってしまうという主人公キオの未熟なキャラが生かされて、それなりにおもしろい話に仕上がっていた。爆弾除去作業よりもあと一息で倒せるゼハート戦に専念したいキオ、そんなキオを諭す隊長アビス、シャナロアの言葉を思い出し心を変えるキオ、というドラマが展開し、以前ありがちだったスクリーンセーバー演出でごまかされることもなくなったのは進歩したといえる(プロの仕事なら最初からこのレベルで出してくるのが当然だろうとは思うが)。
 と、主人公周辺のドラマはそれなりに展開されるようになったが、爆弾除去が終わってみれば、びっくり、いつの間にやら地球上の40%がヴェイガンに制圧されたと言っている。宇宙に上がって反撃を試みるようだが、この状況で連邦総司令部の破壊を失敗してそそくさと撤退するヴェイガンもヴェイガンで、何を考えているのかよく分からない。その意味で、ゼハートがイゼルカントの作戦に疑問を投げかける場面は興味を引かれた。ちゃんと今後の展開で、「そうだったのか」と思える何かを提示してもらいたいと思うが、どうだろうか。

評点
★★★ 定番エピソードだが、疾走感とキャラを生かしたドラマでうまくまとめた。


その他のZレビュー
「機動戦士Zガンダム回顧録」 Z第33話レビュー
「パラレルユニヴァース」 Z第33話レビュー


関連リンク
An another tale of Z 第39話紹介
An another tale of Z 第39話「インケイパブル・タックス」(本編)
An another tale of Z 第40話紹介
An another tale of Z 第40話「マウアー・ファラオ」(本編)

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